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テーマ：特派員記事

2010.09.27

ペッレストリーナ島　Lido Pellestrina

ペッレストリーナはヴェネツィアにある島。
本島を中央部分に置くラグーナ（潟）、特にラグーナ・ヴェネタLaguna Venetaと呼ばれる潟にあるうちの島のひとつです。
南北に10ｋｍほど伸びる細長～い形をしており、リード・マラモッコLido Maramoccoとリード・ペッレストリーナLido pellestrinaとして、北はリド島に、南は陸地のキオッジャにそれぞれ向かっています。
島の西側がラグーナ、東側はアドリア海という場所にあり、この島北部リド島とともに潟と外海との境界ともなっている島です。

そして同島の向い側に当たる本島部分はピアーヴェ川とブレンタ川のそれぞれの河口が流れだす地形。それを島がラグーナを外海から隔てるようにして囲う形になっています。
この特異的な隔たれた区域は、自然も多く残り、イタリアにおいても重要視される代表的な湿地帯として現存しています。

島の人口は4,000人強で、主に漁業を中心として人々の生活があります。

島内の町並みもいかにも漁師町らしい素朴な光景。
狭い路地や壁沿いに掛けられた洗濯物、あちらこちらにはげかかった壁の見られる風景は、生活感を窺うには十分。

町のレストランも素朴そのもの、よく日焼けした人々の顔もヴェネツィア本島のそれらとはまた違う一面を見ることができます。

そして、ここペッレストリーナならではの光景がムラッツィ。
ムラッツィとは、ヴェネツィア特有の堤防で、ヴェネツィア共和国時代からのもの。
同島の北側リド島に約5ｋｍ、ペッレストリーナ島にはほぼ全域の10㎞、そしてキオッジャの海岸部分であるソット・マリーナに1.3㎞ほどの堤防が建設されています。
アドリア海と潟との境をつくり、ラグーナの浸食を防ぐ目的だったとされています。

前述したペッレストリーナ対岸のヴェネツィア本島部の2つの川の河口そして他小さな河は、ヴェネツィア共和国時代から常に工事が施行されていた場所。
というのも、この潟は当時から自然の城壁として、ヴェネツィアを敵国から守ってきたのです。
敵軍が同国に船で近寄ってきても、この広大な浅瀬で座礁し、本島への侵入を阻止、座礁した船から降り立った敵兵も足を踏み入れでもしたら即座に泥に足をとられてしまい、身動きがとれない状態に。
このラグーナはヴェネツィアを繁栄させたヴェネツィア共和国の立役者のひとつ。

ペッレストリーナ島に行くには、ヴェネツィア本島からは、一度リド島に渡る必要があります。
リド島のヴァポレット降り場からまっすぐ10ｍほどいったところにあるバス停から11番のバスに乗り、リド島を北から南へ走りぬけるとバスに乗車したままヴァポレットへ。