ウフィッツィ美術館に所蔵されている世界的に有名な絵画『ヴィーナスの誕生』、『春』などで知られるサンドロ・ボッティチェッリ。
彼はフィレンツェで生まれ、フィレンツェで亡くなっています。
そのボッティチェッリが眠るオンニサンティ教会(Chiesa di San Salvatore in Ognissanti)は、フィレンツェ中央駅から徒歩で10分ほどの場所にあります。
入口と主祭壇の中間辺り、主祭壇に向かって右手にはボッティチェッリ作の『書斎の聖アウグスティヌス』が。
対になった形で左側に置かれているのは、ミケランジェロが最初に師事した画家として知られるギルランダイオの作品『書斎の聖ヒエロニムス』。
どちらもフレスコ画なのですが、現在は元々描かれたところから切り取られて、この位置に飾られているということです。
ボッティチェッリのお墓は主祭壇の脇、右手奥の一角にあります。
意外に質素です。
ボッティチェッリは通称なので、墓碑に刻まれているのは本名のフィリペピ。(本名はアレッサンドロ・ディ・マリアーノ・ディ・ヴァンニ・フィリペピだそうです。)
ボッティチェッリにメッセージを残すことができます。
この教会には、『ヴィーナスの誕生』のヴィーナス、また、『春』の登場人物のモデルになったと言われるシモネッタ・ヴェスプッチも葬られました。
非常に美しく、フィレンツェ一の美女として讃えらたシモネッタ・ヴェスプッチは、ボッティチェッリにとっての憧れの女性で、ボッティチェッリは若くして亡くなった彼女と同じ教会に埋葬されることを望んだと言われています。
オンニサンティ教会は、フィレンツェの名士であったヴェスプッチ家の菩提教会であり、上記の『聖アウグスティヌス』と『聖ヒエロニムス』は共に同時期にヴェスプッチ家の依頼で描かれたということです。
アメリカの名の元となった冒険家のアメリゴ・ヴェスプッチもこの一族で、彼のお墓もこの教会内にあるそう。
教会内にはボッティチェッリの『聖アウグスティヌス』、ギルランダイオの『聖ヒエロニムス』の他にも名作が。
入口を入ってすぐ右手にはギルランダイオ作の『慈愛の聖母』
メイン祭壇の左側にあるのはジョットの『キリスト磔刑』
教会の別室ではギルランダイオの『最後の晩餐』も鑑賞することが出来ます。(残念ながら現時点ではクローズしており、見ることが出来ませんでした。)
教会はエクセルシオールとセントレジスの2つの5つ星ホテルが建つオンニサンティ広場に面しているのですぐに分かります。
フィレンツェの隠れた名所の一つと言ってもいいかもしれません。
Chiesa di San Salvatore in Ognissanti
Borgo Ognissanti 42, Firenze