シンチャオ~ ハンです。
ベトナム本土でもっとも早く初日の出を見られる最東端という所はどこかご存じですか。
近頃行ったことがありますのでご紹介したいです。
ベトナム・フーイエン省にあるムイ・ディエン岬(Mũi Điện)は、北緯12度53分48秒、東経109度27分12秒に位置して、ベトナム本土最東端だと知られているところです。ここにベトナムで一番早く朝日を見ることが出来ます。
まず、ベトナムのフーイエン省について簡単に紹介します。
フーイエン省はどこ?
フーイエン(Phú Yên)省はベトナム南中部に位置し、北はビンディン省と接し、南はカンホア省と接します。つまりクイニヨンとニャチャンの間で南シナ海に面するところです。フーイエン省の省都はトゥイ・ホア(Tuy Hòa)市です。
ベストシーズン
常夏のフーイエン省は、1年を通して雨季と乾季に分けられます。観光のベストシーズンは乾季(4月~9月)です。
アクセスについて
陸路と空路でフーイエン省へアクセス出来ます。
◆陸路:コーチまた列車は利用可能です。ところが、所要時間が長いし航空券との差額もあまり大きくないため、ニャチャンをはじめて隣接地から出発しない限りおすすめしません。
◆空路:現在ハノイまたはホーチミンからの出発しか直行便がありません。キャリアはベトナム航空、パシフィック航空、べトジェット航空です。
HAN-TBB 月・火・木・土:1日1便、水・金:1日2便
SGN-TBB 月~金:1日3便、土・日:1日2便
それ以外、ハノイまたはホーチミンを経由する乗り継ぎ便を利用しなければなりません。
映画に登場した背景として大人気!
5年前公開された「草原に黄色い花を見つける(ベトナム語:Toi thay hoa vang tren co xanh、英語:Yellow Flowers on the Green Grass)」とのベトナム映画の大成功がきっかけになって、映画に登場した背景としてのフーイエン省も多くのベトナム国内の観光客に著しく注目されるようになります。
「草原に黄色い花を見つける」映画のトレーラーを下記に御覧ください。どうやらこの映画も日本の劇場で公開されたみたいです。
ベトナム人に大人気なところなのに、あいにく外国人にとってフーイエン省は知名度が低くて、まさにベトナム秘境です。そのため、今回ベトナム本土最東端として知られて、フーイエン省のもっとも人気のあるムイ・ディエン岬を紹介したいです。
本題に戻りましょう~
ムイ・ディエン岬はフーイエン省トゥイホア市の中心部から約40キロメートル、車で約1時間かかるところです。
丘のふもとにある観光チケット売り場があります。入場料金は20,000ドン(約100円 ※2020年11月現在の値段)ですが、頂上の灯台のチケットは別途です。
ちなみに私が着いたのは午前4時ごろで、暗くて写真が撮りませんでした。下記の写真のほとんどは帰り道に撮ったものです。
チケット売り場の周辺にこんなマップがあります。
チケット売り場からまっすぐ行くとビーチがありますが、私が向くのは灯台(マップの赤い点線丸の部分)です。帰りにビーチへの別な道がありますのであとに回すことにします。
ムイディエン岬に辿りに丘のふもとから橋を渡ったあと、1キロメートル程度(所要時間は約30分)の坂道を登ることとなります。最初の朝日を迎えたければ日の出の時刻の1時間半~2時間前にトゥイホア市の中心部から出発したほうがいいと思います。
車またはバイクはチケット売り場のちかくに止まらなければなりませんので、観光客はムイディエン岬まで歩くことになります。ですから、歩きやすい靴をおすすめします。
登っている途中でこのようなものがいくつか見つかります。
これはてっぺんまで送るバイクタクシーです。ムイディエン岬周辺に住んでいる人による自主的なサービスです。片道50,000ドン(約250円 ※2020年11月現在の値段)です。ところが、どうやら営業時間は午前8時以降だそうですから、早く出発しないといけない初日の出の鑑賞のためならてっぺんまで歩くしかありません。
それに、斜面が急なところに階段へ変わり、バイクが走れるスロープは狭くなります。
ちょっと待って、さっきのバイクタクシーを利用したら。。。
まさかこんなにも狭い道に走るのか??? Σ(O_O;)
想像するだけでぞっとします。
まあ、次回に勇気がでたらバイクタクシーを体験してみたいと思います。
ようやく着きました!
ムイディエン岬にそびえ立つ灯台はダイ・ラン(Đại Lãnh)と名付けられます。フランス統治下の1890年に建設されて、130年の歴史を有する建築物です。標高は110メートルで、光達距離は27海里(約50キロメートル)です。ダイラン灯台のチケットは20,000ドン(約100円 ※2020年11月現在の値段)です。ムイディエン岬の別名である「ダイラン岬」は灯台の名の由来です。
頂上へと延びる螺旋階段は木製で少し古いから、踏み面を傷んだりしないように灯台に入る前に靴を脱がなければなりません。110段があって、てっぺんまで登った時まるで4階建てのような感じになっています。
ダイラン灯台から望む景色は最高!ここに辿り着いた甲斐かいがありました。時刻は午前5時です。
もし灯台を登る気がなければ、ムイディエン岬の先端にある望海の小屋をおすすめします。灯台の隣の階段を降りればいけます。
25分ぐらい経ちました。日の出の時刻に近づくにつれて水平線の空はアレンジ色へ移ります。それに、飛び交った小鳥のさえずりはあちこちに響き渡ります。
午前5時半にようやく太陽が水平線から現れます。
灯台の隣の階段を降りて、ムイディエン岬の先端にある望海の小屋へ向く途中で、ムイディエン岬の石碑が見つかります。記念写真を撮るのを忘れないでね。
早起きの習慣がない私なので、へんなポーズをしてしまいました。ご容赦くださいね^^
先端にある望海の小屋から視界を遮るもののないパノラマオーシャンビューを眺められます。
ムイディエン岬から眼下に広がる絶景に魅了されました。日の出だけではく、一日中いつでもきれいな風景が見えると思います。
丘を下る道の景色もすばらしい!
薄暗いうちに登ったがゆえに見られない緑あふれる風景は解放感抜群です。時間の余裕があれば、ゆったり散策しながら楽しんでください。
最初から書いたように、ムイディエン岬へ延びる坂道に沿ってビーチがあります。バイ・モン(Bãi Môn)と呼ばれる穴場ビーチです。
未開発なので近くにホテルなどがありませんが、それであればこそ、白い砂浜に澄んだ海と大自然に抱かれた素朴なビーチの美しさは保たれております。誰にも邪魔されない時間を楽しみたい若者たち又は家族にとってはここは最適なキャンプ場です。
気に入れば灯台から帰り道に是非ともバイモンビーチへも立ち寄ってください。途中で道しるべがありますから、迷うのに心配することはありません。
ムイディエン岬はフーイエン省の必見な観光地のひとつです。他の人気観光スポットがありますので、機会をみて別の記事でご紹介します。
さて、今更こんなことを書いてどうかと思います。
確かにフーイエン省のムイディエン岬はベトナム本土最東端だと知られています。ただし、実はそれは昔の話です。
だって、カンホア省のムイ・ドイ(Mũi Đôi)岬が発見されて以来、どちらがベトナム本土最東端かの問題を巡る論争がずっと続きました。
やがて測量技術の発展と伴い、カンホア省のムイドイ岬の位置は北緯12度39分0秒、東経109度27分55秒とわかるようになりました。座標からみれば、ベトナム本土最東端はムイドイ岬以外のなにものでもありません。そして、2012年に座標が刻んであるモニュメントが建てられ、改めてカンホア省のムイドイ岬はベトナム本土最東端として認められました。それまで長く続いてきた争論もピリオドを打ちました。
とはいえ、カンホア省のムイドイ岬へのアクセスはあまりに難しくて、一般的な観光客は行くことができません。一方、新年式典としてムイディエン岬に国旗掲揚と国歌斉唱の開催は毎年恒例です。そのため、相変わらずフーイエン省のムイディエン岬はベトナム本土最東端としてあまねく知られています。