ナマステ〜、皆さん!
前回に引き続き、アグラのあるウッタル・プラデーシュ州の州都「ラクノウ(Lucknow)」への旅行記をつづります。
前回と前々回はラクノウへの旅行記をつづるついでに、インドの鉄道クラスや種類の違い・乗り方などを解説いたしましたが、今回はようやく実際の旅の様子をつづることが出来ます!
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さて、約8時間の寝台列車に揺られ、到着したのはラクノウで一番大きな「ラクノウ・チャールバーグ(Lucknow Charbagh/略称:LKO)駅」です。
到着したのは朝の7時頃でしたが、マイナー都市には似つかわず、大きく素敵な駅舎にびっくりしました。笑(失礼)
それもそのはず、ラクノウのあるウッタル・プラデーシュ(通称UP)州はインド1の人口を誇ります!
その州都なんですから、駅舎が大きく発展しているのも頷けます。
駅舎のデザインは、ムガル王朝っぽさもあるし、少しイギリスっぽさもある、、、。
どんな背景で立てられたんだろうと思い調べてみたら、Wikipediaに以下の記載を見つけました。
ラクナウ チャーバーグは、J. H. ホーニマン(イギリス人)によって設計されました。ラージプート、アワディ、ムガル建築の組み合わせが組み込まれており、宮殿のような外観を持っています。建築的には、インドで最も美しい鉄道駅の 1 つと考えられています。
原文)Lucknow Charbagh was designed by J. H. Horniman...It incorporates the mix of Rajput, Awadhi and Mughal architecture and has a palatial appearance. Architecturally, it is considered one of the most beautiful railway stations in India.
私の感じた印象はあながち間違いではなかったようですね!
ラクノウは、日本人や外国人観光客にとってはあまり馴染みがないかもしれませんが、インド人であれば誰もが知っている街です。
特に食がおいしい街として有名で、ラクノウ発祥のグルメは「Lucknowi ◯◯(Kebab, Biryani, Sweetなど)」と呼ばれます。(ラクノウ出身の方々も「Lucknowi」「Lucknowi girl/boy」などと呼ばれますよ)
さて、おシャレな駅舎を後にして最初は荷物を預けに予約しているホテルへ向かいました。
ラクノウでの交通手段は主にUberもしくは野良オートリキシャです。
発展している街なので、デリーと同じ要領で使えますよ。
今回宿泊先として選んだのは、「Golden Tulip Lucknow」という4つ星ホテルでした。
Golden Tulipは世界中に系列ホテルがあり、インドでは、HISのツアーでもよく利用している大手Sarovarグループの傘下のようなので、安心感がありますね。
実際に宿泊した感想としても、お部屋は清潔感があり、設備も4スターながらプール、ジム、スパがあり、朝食会場も広く品揃え豊富だったので、申し分なしです。
1泊当たりの宿泊代金も4000ルピー代〜とコスパ良しです。
屋上にあるプールからはラクノウの街が一望できました!
各観光地へのアクセスも良く立地も良かったですね。
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あとこれはインドを旅していていつも思うことなのですが、田舎やマイナー都市ほど人が優しくてサービスが良く感じるのは私だけでしょうか?
さて、ホテルを後にして向かったのはいわゆるオールドラクノウ、「アミナバード(Aminabad)」です。
インドに詳しい方は知っているかもしれませんが、後ろに「バード(bad)」がついている、ということはイスラム教徒の街です。
(パキスタンの首都イスラマバード、インドだとアハメダバードやハイデラバードなどもその1つですね。)
代わりに「プール(pur)」が最後についている街はヒンドゥー教徒の街です(ジャイプール、ウダイプール、ジョードプルなど)
アミナバードもイスラム教徒の街。
同じくデリーのイスラム教徒の街「オールドデリー」と、古く雑多な街並みや、物乞いが多く治安が悪そうな雰囲気(実際はそう見えるだけで全然悪くないです)など、似ています。
そして両者とも食で有名。
アミナバードではLucknowiグルメを2つ堪能してきました!
①Tunday Kebab(アワーディー料理)
こちらはラクノウ料理の代名詞といっても過言ではない料理で、一言で説明すると「口の中に入れた瞬間とろけるケバブ」です。
(奥にあるのは、「シールマール」というサフラン風味のパンで、これもアワディ料理の1つです。よくお肉と一緒に食べられるそうですが、ラクノウで初めて目にしました。)
味は正直言うと私はそこまで好きではなかったのですが、誕生の歴史が面白いので、聞いたら行きたくなること間違いなしです。
〜Tunday Kababの歴史〜
17世紀中頃、当時のウッタル・プラデーシュ州の北東部はアワド地方と呼ばれていました。
このアワド地方も当時インド全体を統治していたムガル帝国の属州で、各州をNawab(ナワーブ)と呼ばれる地方長官達が統治していました。
その地方長官の家族の一人(いわゆるロイヤルファミリーのメンバー)がケバブが大好物だったのですが、高齢のためすべての歯を失っていて、ケバブを食べることが出来ませんでした。
そこで彼は「最も柔らかいケバブ」を作った人に褒賞を与える料理コンテストを開催したのです。
優勝したのは、Haji Murad Aliという片腕の料理人でした!
その噂は瞬く間に広がり、彼の作ったケバブは彼が片腕ということに由来して、「Tunday Kebab」という名前で知れ渡るようになりました。(手に障害を持つ人は"Tunday"と呼ばれるためです。)
片腕の料理人はその後、現在のAminabadに彼のケバブの第一号店「Tunday Kabibi(1905年創業)」を建て、その秘密のレシピは代々家族によって引き継がれています。
Tunday Kebabはひき肉を160種類のスパイスとブレンドしたタネを、鉄板で焼いて作ります。
私も第一号店を訪ねたのですが、こちらではケバブにバッファロー(水牛)のひき肉を使用しており、店頭で大きな鉄板を使って焼き上げている様子を見ることができます。
(オールドデリーでもこうやって店頭で料理している様をよく見かけますが、こんなの見たら確実に食べたくなっちゃうので、ズルいですよね。笑)
半年前のことなので味ははっきりと覚えていないですが、確かに口に入れた瞬間溶けてしまうぐらいの柔らかさでした。また160のスパイスを使っているというのも頷ける、複雑で濃い味だった記憶があります。
個人的にそこまで好きじゃないと感じたのは、恐らく「ケバブは歯ごたえのあるもの」という固定観念があって、柔らかいケバブに物足りなさを感じてしまったのだと思います。
でもその固定観念がなければ美味しいと感じていたかもしれません!
ちなみに公表はされてはいませんが、その柔らかさの秘密は「パパイヤ」ではないかと言われています。
調理前にお肉を一定時間パパイヤの果汁に漬け込んでおくと、パパイヤ果汁に含まれている酵素がタンパク質を分解してお肉を柔らかくしてくれるのだそう(酢豚にパイナップルと同じ原理ですね)
ちなみにこの第一号店は、有名人が数々訪れる超有名店です。
壁に飾ってある写真にはSRKことシャールクカーン、「きっと、うまくいく」でおなじみアミールカーン、サルマン・カーンや大御所アミターブ・バッチャン、若手人気俳優のランビール・カプールなどなど、、、有名ボリウッド俳優が勢揃いです。
ぜひラクノウに寄った際は、お試しあれ!
②Prakash Ki Mashoor Kulfi
こちらも1956年創業の老舗。
インドの定番アイスKulfi(クルフィ)の有名店で、こちらもラクノウに来たらぜひ寄りたいお店の1つです。
クルフィとは、インドやその近隣諸国でよく食べられている伝統的なアイスクリームで、西洋のアイスクリームより濃厚で固いのが特徴。サフラン、ローズ、ピスタチオ、カルダモン、など様々な味付けがあります。
街中の移動販売のアイスクリーム屋さんでも売っていますし、牛乳屋さん、レストランなど、基本どこでも手に入りますが、個人的に一番おすすめなのは、ローカルマーケットによくいるクルフィ専門の無骨な移動販売車。(笑)
銀色のカートに手書き風に書かれた「Kulfi」という文字を見ると、絶対に買いたくなってしまいますよね そしてどこで食べるよりもおいしく感じるのはなぜか!
余談はここまでにして、ラクノウの「Prakash Ki Mashoor Kulfi(Mashoorは有名という意味。自画自賛です。笑)」では、
定番のスティック状のクルフィも食べられますが、おすすめは「ファルーダ(Falooda)」にして食べることです。
ファルーダはパフェみたいなものだと思っていただけると分かりやすいかもです。
シンプルなクルフィを様々にアレンジ・トッピングしたものの総称が「クルフィ・ファルーダ」。
(ファルーダ自体は国によって様々あるので、詳しくはWikipedia参照。)
今回私はファルーダや他のデザートでもよく使われる「セヴィヤン(Seviyan)」という甘い麺のみトッピングしました。
(セヴィヤンはバーミセリという種類の麺を、牛乳や砂糖で煮詰めたものです。)
味はさすが、有名店だけあって美味しかったです!Tunday Kabibiから徒歩約1分で行けるので、デザートに寄るのがおすすめです
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さて、本日はここまで。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!!
次回は主にラクノウの観光地をメインでつづりたいと思います。
「食の街」の片鱗は実際のグルメだけでなく、観光地にも散らばっていましたよ。
それでまた!ナマステ〜