これでもか!と言わんばかりの登りを終えて
(って、これで登りが終わったとは思えないんですけどね・・)
やっとの思いで辿りついた第2休憩所でのつかの間の休息をとり、
気分一新で再出発をすることに。
よくよく考えてみると、あまりのハードさに周囲の景色にうつつを抜かして
いる暇がなかったような・・・・。
なんと言ってもヨセミテの数あるトレイルの中でもハードさは1,2位を争う
と言われるハーフドームトレイル。
にも関わらず、事前準備なし、過度の運動不足、酒量過多の人間が
無謀にも仕事と称して挑んでいること自体が滑稽・・などと思いながら、
平坦になったのを良いことに、ココからは写真を撮りまくろうと思いまして、
はじめに撮った景色はこちら↓
と言っても、単なるトレイル写真。
まだまだ平坦な道が続け!・・・・とばかりに願をかけて撮っただけ。
(あまりにも平坦な道が嬉しかったのでしょう、なんとオトナげない私)
かなりネバダ滝から離れたハズにも関わらず、依然滝の音は耳に
届いています。
トレイル近くに川が流れていたのですが、この川の先がネバダ滝となって
流れ落ちています。ちなみにこの川はマーセド川ですので、ネバダ、
バーナルと2つの滝を流れ落ち、ヨセミテバレーを縦断するように流れた後
は公園外にあるヨセミテビューロッジの横を流れていくのだな・・・
なんて考えて見たりして。
ところで、ネバダ滝を越えた辺りから平坦なエリアに入りましたが、
ここが『リトル・ヨセミテ・バレー』と呼ばれる場所になるんです。
またもやお馬さんの歓迎かと思ったら、彼等はトレイルを整備しているレン
ジャー達の大事なパートナーです。
馬の力を借りて上の写真のようにトレイルの両側に丸太を並べているそう
で、たかが『1馬力』とは言え、決してバカにならない。
出来れば貸して欲しいくらい
けど、トレイル上に忘れ物だけはしないでね。(結構お見受けします)
このリトルヨセミテバレーにはレンジャーステーション(夏のみ)もあるという
ことなので、万が一の際には助けてもらえるな・・・なんて依頼心も芽生えた
りしていると、こんな看板が↓
簡単に言えば、ハーフドームでは7600フィートより上でのキャンプはダメ、
という看板。
心無い人が無視してキャンプしたりする行為がこのエリアの生態系にまで
影響を与えてしまうんですね。
我々も十分に注意しなければ・・・・・。
などと頷きつつ、歩みを進めていると何やら向って左側に妙な圧迫感が・・
『あッ!!ハーフドーム!?』
いつもと違うアングルに一瞬戸惑うものの、まさしくあの壁面の汚れ具合・・
でなく風雪に晒されてできたまだら模様はハーフドームに違いない!
というか、
『まだ、あんなに遠いの・・・・・』
確か俺って、あそこの頂上目指していたんだっけなぁ~みたいな。
まるで他人事。
平坦な道・・なんて喜んでいる場合じゃなくなってしまいました。
ハーフドーム登頂作戦開始以来、始めて拝むハーフドームはあまりにも
冷たい仕草で見下ろしています。
と見上げていると、何かが顔に当たったような気が・・・・
って、『雨?あめ??アメ???』
そういえば、なんだか雲行きが怪しい・・・・
ポツリ、ポツリだった雨が顔にあたる回数が微妙に増えている。
というか、間違いなく雨脚は確実にハードになってきている。
『この雨のせいでハーフドーム
に登れませんでした・・・』
なんと体のいい『言い訳』。
これぞまさに『恵みの雨』。
『仕方が無いもんね、雨なんだからね・・・・・・・・・。』
意気地なしの私はすぐそんなことを考えてしまうのです。
ちょうど良いことに平坦な場所だし、持ってきたおにぎりでも食べながら
雨宿りでもして休憩を・・・・・
って、マズイじゃん!
というのも、このたびの企画は、私の個人的趣向の強い企画とも呼ばれ、
且つ勝手に命名した作戦名、
『ハーフドーム征服作戦』
には、なんと新聞社の記者が同行していたのだった・・・・・
全米規模で発行されている『フロントライン』さんに同行取材をお願
いしハーフドームが登頂可能なんですよということを広く多くの人に知って
もらうという『大義名分』の下、まさに私の征服シーンを全米に配信
してもらうという魂胆で始めたこの企画、このまま雨で中止ではそれも
オジャンになってしまう・・・・・。
ホントマズ~~~イ。
そんな、風雲急を告げる状況で、呑気におにぎり片手に休憩している
場合じゃない。
雨脚は一向に弱まる気配はなく、このままでは今まで登ってきた苦労が
水の泡に!
いそげ!頂上へ!【その8に続く】