観光 2013.06.20
トロント在住カメラマン・MAKOTOさんの鉄道旅行レポート。 5回目の今回は、食堂車レポートです。鉄道の食事って何が食べれるの!?

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VIA RAIL / SLEEPER PLUS
VIA鉄道のMAKOTO旅、今回は食堂車について書いてみたいと思います。

VIA鉄道の旅の楽しみについて、これまで4回にわたって車窓から見るロッキー山脈の圧倒的な美しさ、そして歴史を感じさせるレトロな寝台列車についてレポートしてまいりました。今回はもう一つの楽しみの「ソーシャルな旅」についてご紹介してみたいと思います。ソーシャルと言っても、いまどきのブログとかツイッターとかというのではなく、VIA鉄道は「リアル・ソーシャル」。その舞台となる食堂車が今回のテーマです。

VIA RAIL / SLEEPER PLUS
「Sleeper Plus」クラスには、食堂車でのお食事が含まれています。バンクーバーからトロントまで4泊5日、どこにも降りずに行くと、翌日の朝食に始まる計9回のお食事があります(日曜日の場合は朝昼兼用のブランチ・サービス)。まずは利用方法についてまとめてみたいと思います。

スタートは朝食から。7時前から9時頃まで、好きな時間に予約なしで好みの時間に食堂車に向います。食堂車は「A」と「B」の2両に分かれていて、エコノミーの乗客も利用する「A」は先頭に近い方、「B」は後方車両に位置しているので、自分の座席に近い方に行きます。分からなかったら係員に聞くと教えてくれます。ちなみに私は全日程「B」でした。ちなみにエコノミーに乗車の場合はお食事は有料、会計はキャッシュかカード払いです。

VIA RAIL / SLEEPER PLUS
車両に入ると係員が立っていますので、席まで連れて行ってくれます。満席の場合は名前を言って同じ車両のラウンジ(写真上)で待っていると呼んでくれます。これは朝食だけで、ランチとディナーは予約になります。係員のサービスは、席に着くとメニューを渡され、飲み物の次に食事のメニューを聞くという、一般的なレストランのものと同様。

VIA RAIL / SLEEPER PLUS
VIA RAIL / JASPER TO WINNIPEG ちょっと違うのは、係員が朝食中に配るランチとディナーの「予約票」。配られる紙には食堂車の場所(AかBというアルファベットがカードの右肩に書いてある)、ランチかディナー、そして「ファースト・コール」「セカンド・コール」「ラスト・コール」(それぞれ色が違う)の3種類の時間帯のうちどれか一つが書かれています。

ランチのスタートは11時過ぎからで、ラストコールは1時頃。ディナーのスタートは5時過ぎで、ラストコールは8時頃。「コール」は係員が廊下を歩いて知らせる場合と館内放送で知らせる場合がありますので、この時間帯にヘッドホンとかをして音楽を聴いていると食事の時間をミスすることになりますので気をつけておくと良いでしょう。
また食堂車では基本的に席に着いた人を時間で追い出すことはしないので、時間帯は指定されますが、実際は変動します。例えばランチを例にとると「ファーストコールはだいたい11時頃ですが(Eleven O'clock-ish)」と、時間の最後に「イッシュ」という聞き慣れない言葉がついてきます。これは「だいたいこの辺の時間が目安」という感じ。特に「ラストコール」の場合、経験的には30分から1時間くらいの時間の幅があるようです。私はゆっくりとワインを飲みながらディナーを楽しみたかったのでいつもラストコールを指定しましたが、早めの方が良い場合は「ファーストコール」がおすすめです。日本のように「きっかり時間」ではないので、この辺はあらかじめ心得ておかれると良いと思います。

VIA RAIL / JASPER TO WINNIPEG
またジャスパー発は午後5時半で列車に乗り込むとすぐにディナーの時間になるため、駅のカウンターでチェックインを済ませた後に別なカウンターでディナーの予約が始まります。あらかじめ駅で予約票をゲットして乗車、という流れになります。

自分の時間が呼ばれたらランチ/ディナーともに予約票を持参してすぐに着席。ディナーが終わると予約票は回収され、また翌朝同じように繰り返してゆきます。

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メニューは毎回違うものがテーブルに置かれ、そこから選びます。コーヒーや紅茶、ソフトドリンクのチョイスに始まり、スープかサラダの前菜、メインはお肉、シーフード、ベジタリアンの三種類で北米の一般的な料理が並びます。食後のデザートは、全日程ケーキでした。

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私は朝食ではメープルシロップがたっぷりかかったパンケーキ、ランチはプーティン、ディナーではアルバータ牛のプライムリブやラムチョップを注文しましたが、どれもとても美味く「良くも狭い厨房でこれだけの料理を作るものだ」と感心。気になるデザート、北米のケーキはとても甘いのですが、「甘さ控えめ」でした。

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お食事とソフトドリンク類は無料ですが、アルコールは有料。クレジットカードやキャッシュ払いです。金額は食事が終わった頃に飲み物担当の係員が小さな紙を渡してきますので、席で会計を済ませます。

さて、食堂車の手順に慣れたら相席の乗客との会話を楽しむのが、VIA鉄道の旅の醍醐味。4人席で毎回違う方々と「はじめまして」のご挨拶から始まる食事は、「ああ、これが大陸横断鉄道の旅なのだな」と感じさせるものがあります。私は、イギリス、オーストラリア、インドそして地元トロントと、実に様々な人との出会いがありました。
簡単な自己紹介から始まり、自分の出身地のこと、列車の旅のことなどを中心に話しますが、この辺は英語が苦手な私たちにとっては敷居が高いかもしれませんね。でもちょっとだけ勇気を出して話してみて下さい。VIA鉄道で旅を楽しむ方は旅慣れた方が多く意外に皆さん話し好きで、会話が始まったらところどころ相づちを打っているだけで結構話は進むものです。

VIA RAIL / SLEEPER PLUS
この写真は最初の朝食の時に同席したオーストラリアからのご家族が、バンクーバーで遊覧飛行に乗った時にデジカメで撮った写真を見せてくれましたので、こういうのも自己紹介にいいかもしれないなと思ったりしました。英語の勉強にもなるかな? 思いがけない旅の出会いがあるかもしれませんよ・・・・

次回は最終回。VIA鉄道の駅のいろいろについて書いてみたいと思います。

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