先日、ラスベガス在住のピアニストにお会いしてきました。
“自分はピアニストなんだけれども、
何か一緒にお仕事できないか”
というメールを、
HISのホームページにある
お問い合わせフォームからいただいたのです。
最初は、お客様の問い合わせを受けるページに
英語でいきなり“私はピアニストです”とあったので、
半信半疑だったのですが、メールのやり取りをするうちに、
一度お会いしようということになったのです。
メールによると、その人は2度ワールドチャンピオンになり、
個人でシアターも所有するというではありませんか。
支店長と企画をしているスタッフと私の3人で、
早速もらった住所を片手に訪ねてみました。
到着してみると、そこには大量の工事現場の車両が…。
しょっちゅう工事をしているラスベガスでは、
至るところで見るお馴染みのマークです。
ちょっと不振に思いながらも
恐る恐る管理事務所のようなビルに入っていくと、
屈強な男の人が受付に座って
“何か用?”とでも言いたげな不振な目つきで、
じろじろ見ています。
かなりの威圧感。
とりあえず聞いてみるかと
“ライアン(ピアニストの名前)に会いたいんだけど…”
と告げたところ、なにやら知り合いのご様子。
でも“アポイントはあるんだろうな”と
またもや排除しようとする勢いで、聞いてきます。
3時に約束があるんだけど…
やっと、その人に連絡を取ってくれました。
電話を切った瞬間、今までには見せなかった愛想のいい笑顔。
“待ってて、すぐ来るから” とのこと。
そこで、苗字を見てはじめて気がつきました
“RYAN AHERN ”
工事車両にあるマークと同じ文字が苗字です。
待つこと5分。
ご本人が到着です。
サングラスをかけ、金のネックレスをして、屈強な体格。
パッと見、かなり怖そうな人です。
でも、実際に話してみると愛想の良い顔で
ニコニコしているひとでした。
早速、個人で所有しているというシアターに案内してくれました。
その管理事務所から少し離れたところに、
そのシアターが見えてきました。
確かに、“シアターは外から見るとひどいけど、中は良いんだよ”
とメールに書かれたあったとおり、
倉庫風の見た目ですが中はかなり豪華です。
これから建物の外を改装もするそうなので、期待が持てますね。
ピアノの演奏を聞くにはちょうど良い大きさ。
しかも、ソファシートなので、ゆったりとした座り心地です。
・・・が、実際のピアノ演奏はいかがなものなのでしょうか?
口には出さないものの、3人とも心では
“もしや御曹司の趣味なのでは?”
・・・などと、ちょっと疑いを持ちつつ、大きな期待はせずに、演奏を待ちます。
・・・ところが!!!
すごすぎる!!
今まで聞いたどのピアノやコンサートの演奏よりも、感動しました。
これを3人だけの為に演奏してもらえるなんて、贅沢すぎます。
思わず、3人で、スタンディングオベーションです!
計5曲を演奏してもらったのですが、
クラシックから、映画音楽、ロックまでいろんなジャンルの曲を、
ピアノ1台の音色とは思えないほどの、
多彩なアレンジで表現されていました。
口で上手く伝えられないのが、本当にもどかしい。
聞いたところ、この早弾きが得意技とのこと。
早弾きなのですが、雑ではなく一音一音が丁寧に聞こえてきます。
このライアン。
ただの御曹司ではありません。
本当にピアノが好きで、数年までは週に5日間、
ダウンタウンのアーケードで無料で弾いていたそうなので
見かけた事がある人もいるのでは?
屋外なので、ラスベガスとはいえ冬には
指が割れて血が出てしまうこともあったそうです。
そんなときでも瞬間接着剤をつけて、3年間休まず演奏を続けたのだとか。
話を聞いていても、人柄のよさがにじみ出てくる人でした。
今では世界中を演奏旅行で回っているようで、
1年で十数カ国のツアーを行うとか。
日本にも何度かオーケストラバックで、コンサートを開いてるそうですよ。
現在もヨーロッパでのコンサートツアー中だそうで
なかなか忙しそうですが、
機会があれば、是非HIS主催でミニコンサートなどを
開いてもらえたらいいなとと思っています。
BY:み