観光 2013.06.13
今回は、個室寝台のレポートです。
ジャスパーから先は、個室寝台が割り当てられていました。バンクーバーを出発する時に、くじ引きのようにしてチケットを引いた結果、私はバースからスタートし個室に移るという流れになったわけです。

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「カナディアン号」寝台車両には、「MANOR(マノアー)」と「CHATEAU(シャトー)」の2タイプがあります。「マノアー」は2人用個室がA~Fまで6部屋(写真上)、1人用寝台が4部屋(写真下)、バースが3部屋。一方「シャトー」は2人用個室がA~Dの4部屋、1人用寝台が8部屋、バースが3部屋になります。私がジャスパー~ウイニペグ、ウイニペグ~トロント間で宿泊したのは、「マノアー」車両のAとBの個室寝台。隣同士の2部屋は簡単なパネルで分けられていて、間仕切りを取ると4人部屋にすることができます。

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バースはカーテン間仕切りでしたが個室にはドアがあり、内側からだけロックできます。廊下側の壁には「A」などと部屋を示すアルファベットが書かれたプレートが貼付けられていて、外からの見た目は全く同じ。さらに別車両も全く同じなので、車両番号と部屋番号をしっかりと覚えておく必要があります。上の写真は実際のチケットですが、車両番号が214、お部屋の番号はAですね。これらはドアに書いてあります。車両に入るドアの上に書いてある「214」がこの列車の車両番号がになります。下の8303は製造された時の車両番号で、部屋を示すものとはまた別ですから注意が必要です。

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部屋の中に入ると、前回も書きましたが「レトロな空間」が出現します。一つ一つの設備は古めかしく、19世紀中頃に始まった「走るホテル」を目指したプルマン型寝台車の完成型が100年を超える歴史を経て今も「カナディアン号」に息づいていること肌で感じられます。この辺が、VIA鉄道での列車の楽しみの一つでしょう。

個室寝台には、コンパクトな空間の中に必要最低限のものが揃っています。入り口そばにはジャケット類が何枚か掛けられるコンパクトなクローゼット、部屋の中へと進むとしっかりとした椅子が2脚、壁には洗面台と鏡、室内灯や空調等のスイッチ、2個口の電源、専用のお手洗いが並びます。

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ステンレス製の洗面台は、普段は木の蓋で覆われていますが使う時には開けることができます。上の写真は蓋を閉めた状態で、下は開けた状態です。蛇口はお湯、お水、飲料水の3種類。紙コップ、使い捨てのプラスチックカップ、石けんとローションのセットが置かれていました。 個室にはコンパクトな専用のお手洗いもあります。便座は飛行機のものと同種で、用を足した後は便座の後ろにあるボタンを押すと圧がかかった水が流れます。お手洗いには専用の空調はありませんので、匂いが気になる場合は室内のファンを回すと良いと思います。

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ベッドは上下2段。下の寝台はドア側の壁から、上の寝台は天井から降りてきます。上の写真は2人用個室でベッドが上下に出た状態。下の写真は2人用個室でベッドを一つだけにした状態です。

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ベッドメーキング、ターンダウンともバース寝台とサービスは一緒ですが、ドアのそばにあるパンフレットの入ったポケットには、ホテルに泊まると必ずあるドアノブにかけられる「DO NOT DISTURB」カードがあるのが個室寝台の特徴です。カードをドアの外にかけておくと、係員が部屋に入ってくることはありません。

ベッドの寝心地はバースと変わりません。ただ、進行方向に向かってベッドが横向きなので(バースは縦)、車両が前後に揺れる時には気になるかもしれませんね。気づいたのは、ジャスパーまでとジャスパーから先は列車のスピードが格段に違うこと。平地をひたすら走るジャスパー以降の行程は、結構車両が揺れたと記憶しています。ただし夜はぐっすり寝ていたので、揺れで起こされることはありませんでした。

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もう一つ、個室とは言え隣の部屋とは取り外しができる間仕切りで隔てられているだけ。隣室からの音が多少聞こえてきます。音楽を聞く場合には、ヘッドホン着用が良いでしょう。私はウイニペグ~トロント間の36時間、食事の時以外は部屋で本を読んだりパソコンで仕事をしたりしていましたが、昼夜ともに音が気になることはありませんでした。何か気づくことがある場合は、車両に付いてくれる係員に言えば解決してくれます。

今回は2人用の個室を1人で占領していたので部屋は広々、こういう贅沢はめったにできるものではありませんね。長時間を列車内で過ごす場合には、外界から仕切られる個室はリラックスできて大変快適です。
しかしながらいくら個室が快適とは言え、ずっと部屋にいると息が詰まるのも事実。次回は、道中に出会った皆さんから教えていただいた「鉄道の旅」ならではの過ごし方について、食堂車の使い方を含めて書いてみたいと思います。

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