自然
2017.05.12
カイロからこんにちは!!!
アフリカ大陸を6,000km超に渡って縦断しているナイル川は、太古より人の暮らしに寄り添ってゆらりゆらりと流れ続けています。
しかし、このナイル川ですが治水技術が施されるようになったのは近年の事で、古代の時代などにはしょっちゅう氾濫しておりました。
日本での昔の治水技術として「信玄提」などが有名ですが、人間の知恵が届かないほどに巨大なナイル川の氾濫は「止める」よりも「予知して回避する」という風に考えられるようになりました。
そのため、ナイルの水位を測るナイロメーターが作られました。
作りは至極シンプルで写真の縦穴内の水位の上昇がそのまま、ナイル川の水位の上昇を表わします。
ナイル川の一番の恩恵は農耕を潤沢化することにあります。
先ほど述べたとおり、ナイル川は古代は定期的に氾濫を繰り返していました。
しかし、この氾濫が不幸中の幸いかナイルの上流から「肥沃な黒土」を運び、下流域であるエジプトの農地を豊かにしておりました。
今となってはアスワンにダムが出来て氾濫はありません。
アスワンハイダムは治水と電力の供給という面ではとても大きな成果をあげましたが、この氾濫がなくなった事により土地が痩せ、化学肥料を使用した農地の塩害など環境的な問題も孕んでいます。文明化と自然保護は相容れないのですね。。。
といいましても、農業は未だエジプトの主要産業ですので、まさに「エジプトはナイルの賜物」です。