カイロからこんにちは!!!
前回に引き続きエジプトの庶民的な通りのスークシラーハのご紹介をします!以前ご紹介したとおり、「スークシラーハ」とは日本語で「武器市場」を意味しており、下の写真の武器のシンボルはこの通りが「武器市場」として栄えた証拠でもあります。
そして、このシンボルがある建物はかつて税関であったことが分かっており、その他のスークシラーハ内部にある数々の建築がこの通りがマムルーク朝時代に栄えたことを証明しております。 一つ目はイルゲイユーズフのモスクです。
このモスクは1373年に建設され、モスク内の柱の一つにコリント式と呼ばれる様式の柱(ローマ時代にイオニア式、ドーリア式と並び多く用いられた柱の様式の一つ。ローマのパンテオンなどにもこのコリント式が使われている。)が使われています。
なぜローマで用いられた柱が使われていたかというと、転用材としてこのモスクの建設時に使われたからだと考えられています。転用材とは一般的に征服した都市などから柱等を自国に持ち帰り、それを自国での建築に活かし使われるた建材のことです。
歴史的に見て、「建材(その後、転用材になる)が作られた時代」という"点"と、「その建材が転用材として用いられた時代」という"点"が結ばれ「線」になり、歴史の解釈がより深まります。そのような意味合いも含めてこのモスクはとても価値の高い建築です。
現在でもムスリムたちが通常の礼拝をするモスクとして使用されています。