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スークシラーハを引き続き紹介いたします!

さて、前回はスークシラーハ内にあるモスクの歴史を紐解き、その歴史からこの通りがマムルーク朝時代に栄えたことをご紹介いたしました。

イスラム教のもっとも有名な建築としてモスクが挙げられると思いますが、”ハンマーム”と呼ばれる公衆浴場も伝統的なイスラム文化を代表する建築様式です。このハンマームはローマ人の浴場文化を引き継ぎ発展したと考えられており、中東全域に現在も使われていたり、文化財として残っているハンマームが多くあります。

イスラーム世界の都市において、モスク、マドラサ(教育施設)に次いでハンマームは重要であると考えられています。ムスリムにとって身体を清潔にしておくことはとても重要なことであり、礼拝をする時には体が清潔な状態でなければいけません。その体を清潔に保つという需要と、ハンマーム公衆浴場として持つ独自の地域性が合致し、ハンマームはイスラーム世界の中で急速に広がっていきました。P1010019

*アムルモスクの沐浴施設

ハンマーム内は基本的に脱衣所と浴場(蒸し風呂)に分けられております。脱衣所はコーヒーや紅茶、水タバコを楽しめるカフェテリアのようになっており、ハンマームは地域の社交場にもなりえたのです。

しかし、現在のエジプト国内で、ハンマームはかつて持っていた民衆からのイメージや人気は没落してしまっています。そのイメージが没落してしまった大きな理由として挙げられるのが、ハンマームが性の助長であるとレッテルを貼られてしまったからです。日本人からすると、銭湯や温泉と呼ばれる文化からとても親しみを持つ人が多いのではないかと思います。私個人としてもハンマームに温泉に行く感覚で行けたら良いなと考えることもあります。

実は、そのハンマームはスークシラーハ内にも残っています。このハンマームは”ハンマーム・アミール・バシュターク”という名前です。アミールとは宰相という意味でバシュタークはその宰相の名前です。当時のスルタンの娘と結婚をするなど、スルタンからの寵愛を受けた宰相であった彼は、モイッズ通りという観光地として有名な通りに邸宅を持っていました。その邸宅は現在でも残っています。

P1010384 2005年に閉鎖されてしまい、現在はハンマームとして使われていませんが、ハンマームのお湯を温めるために使われていたガスを利用し、現在ではフールと呼ばれるエジプトの庶民的な伝統料理をそこで作っています。考古庁により文化財保全の対象になっていますが、現状では中々保全状況は芳しくありません。

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*フール(右)豆を煮て潰し、パンと一緒に食べる。エジプトの国民食。

P1010382*考古庁による文化財保護のマーク

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