チョムリアップスーオ!(カンボジアのクメール語で”こんにちは”)

みなさんも今までこのようなことを考えたことはありませんか?
「世界はどのようにしてできたのだろう?」
「日食や月食はどうして起こるのだろう?」

現在は科学の進歩によって、様々なことが科学的に明らかになってきましたが、
昔の人も同じ疑問を持っていました。
そして、それを明らかにする物語が生まれました。
アンコールワットのレリーフには、その物語が描かれています!

世界創造神話『乳海攪拌(にゅうかいかくはん)』
ヒンドゥー教の天地創造神話です。
アンコールワット第一回廊では50mに渡りこの神話が描かれています!

Angkor_wat15


不老不死の薬アムリタを求め、神々(右側)と阿修羅(悪神/左側)は長年争い、
お互い疲弊していました。
太陽神ヴィシュヌに相談すると、お互い協力して海をかき回すとアムリタが手に入ると言われ、神々と阿修羅は協力します。
大亀の背に乗った大マンダラ山を軸にし、大蛇の胴体を綱として引き合いました。
※ちょうど上の写真の状況です。

綱引きをしながら海中をかき回す攪拌が1000年続き、その中から太陽や月、アプサラ(天女)、ラクシュミー(ヴィシュヌ神の妻)などが次々と生まれます。
こうして世界は誕生しました。

Photo_6

※ちなみにアンコールトムの入り口である南大門も乳海攪拌を表現しています。


日食・月食はなぜ起こる?
上記の話の続きがこちらです。

太陽や月などが誕生した後、ついに不老不死の薬アムリタが登場します。
しかし、登場と共に神々と阿修羅はアムリタを巡り再び争奪戦を繰り広げてしまいます。
ヴィシュヌ神の協力もあり、アムリタを結果として手に入れたのは神々です。

ところが、阿修羅の1人カーラは神に化け、隙をついてアムリタを飲もうとします。
それに気付いた太陽と月はそれをヴィシュヌ神に告げ口し、ヴィシュヌ神はカーラに円盤を投げつけて、その首を切り落とします。
アムリタを飲んでいる途中だったカーラは頭だけが不老不死になり、告げ口をした太陽と月を恨み、太陽と月を飲み込みました。

ただ、頭しかないカーラが飲み込んでも、すぐに太陽と月は体外に出てしまいます。
 これが日食と月食が起こるようになった起源だと言われています。

Photo_5

※上部の顔と腕のみあるのがカーラです。
 カーラは
遺跡の扉の上などによく見ることができます。

いやぁ~。
レリーフ一つをとってもかなり深い物語が隠れていますね。
この続きは是非現地を訪れて、知識豊富なカンボジア人ガイドさんから伺ってみてください!


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