
サワディーカップ。
メオダムです。
バンコクに住んでいると、よく「どこ住んでるの?」と聞かれます。
以前はよく「ソイの何番?」みたいな感じで聞かれることが多かったです。
ソイというのは、大通りに面した路地のことで、大通りを背骨に例えたら、ソイはあばら骨のような感じです。
かつてバンコクに暮らす日本人の多くがスクンビット通り沿いに住んでいたので、 「スクンビット通りソイ55番」などと言わなくても、「ソイ55」と言うだけで通じていました。
スクンビットの何番ソイは高級なコンドミニアムが多いとか、
スクンビットのソイでも偶数側と奇数側では生活環境が違うとか言われ、
"ソイの番号=ステータス"
のようなところがありました。
その後、地下鉄の開通やBTSスカイトレインの延伸などもあり、日本人の居住範囲も広がってきて、
最近では「ソイの何番?」と言う聞かれ方ではなく、
日本風に「最寄駅はどこ?」のと言った聞かれ方に変わって来ています。
でも、バンコクは東京のように電車や地下鉄の路線が発達しているわけではありません。
メオダムの住んでいるアパートは、どこが最寄り駅かと言うと、、、
徒歩15分以内に駅などありません。
それでも、どこか答えるとしたら
「地下鉄ラマ9世駅」か「エアポートリンク、ラムカムヘーン駅」
と答えています。
しかし、実はどちらもアパートから3キロメートルくらいは離れているので、最寄り駅と言う範疇には入らないかとも思っています。
そんな僻地に住むメオダムですが、本当の最寄り駅は「クロンタン駅」です。
[朝のクロンタン駅]
たぶん、バンコクに住んでいる人でも、「クロンタン駅」を知っている人は多くないのではないかと思います。
まず、日本人にとってほとんど利用価値のない駅でもあります。
クロンタン駅を走っているのはタイ国鉄の東本線。
バンコクとカンボジア国境のアランヤプラテートを結ぶ路線です。
エアポートリンクの高架下を細々と走っていますが、
運転本数は少なく、ローカル線ムード満点です。
運転本数が少ないので、利便性はよくありませんが、料金は超格安で、中華街に近いバンコク中央駅(フアランポーン)まで、たったの2バーツです。 いまどき、2バーツなんて信じがたいのですが、実はタイ国鉄はもう何十年も運賃の値上げをしていないそうです。 それどころか、ここ数年は政治目的で「タイ人は無料」と言うことになっているそうです。
前段が長くなりすぎましたが、本日はそのクロンタン駅を紹介します。
クロンタン駅は、スクンビット通りの北側に並行して東西に延びるペッブリー通りのすぐ裏にあります。
日本人が多く住むトンロー通りとペッブリー通りがぶつかる丁字路から歩いてすぐのところです。
エカマイ通りとのペッブリー通りの立体交差からも同じようにすぐです。
しかし、表通りであるペッブリー通りからは少し引っ込んでいるので、よく注意していないと駅の入り口を見つけられません。
一応、看板は出ているのですが、目立ちません。
目印はペッブリー通り沿いの籐家具を作っている店くらいでしょうか。
籐家具の店の前から路地に入ってすぐに駅はあるのですが、
「これが駅です」
と教えられなければ、駅とは気づかないかもしれません。
駅には改札口はありません。
赤い屋根の小さな平屋建ての駅舎の奥に、汽車を待つ人たちのための待合スペースでベンチが配置されています。
その先がホームになっています。
カンボジア国境まで続き、かつてはプノンペンまで国際列車も走っていたそうですが、現在国境まで行く汽車は毎日2往復のみ。
途中駅までの汽車を数えても1~2時間に一本程度と閑散としています。
なので、駅はとってものんびりムード。
駅の中には、野良犬なのか、飼い犬なのかわかりませんが、犬たちが我が物顔で寝そべっていたり、歩き回っていたり、のんびりムード。
タイでは一般的に飼い犬でも放し飼いです。
それに特定の飼い主がいない、"野犬(ヤケンではなくノイヌと読んでください)"も多いです。
先の国王陛下が、宮殿内に迷い込んできた"野犬"を可愛がられていたこともあり、タイの国民の多くが"野犬"に対して親切です。
ただ、この野犬たちの中には、人から受けた親切を忘れて、夜暗くなるとやたらと吠え掛かってくるような不心得者もいるので困りものでもあります。
こんなちっぽけな駅で、日本なら無人駅で十分なところですが、たくさんの駅員が所属しているようです。
メオダムが数えただけで6人もの駅員さんがいました。
でも、やっぱり汽車の本数は少ないので、手持無沙汰になるからなのか、駅のホームを庭のように飾り立てたりしています。
ローカル線だからこその業務と言うのもクロンタン駅にはあります。
日本と違って、駅員さんたちの業務は自動化されていません。
切符も自動販売機など導入されてませんので、一枚一枚で窓口係が販売します。
そして、もう日本ではほとんど見ることができなくなっているんじゃないかと思いますが、 タブレット交換も行われています。
タブレットと言っても、決して最新のポータブル機器のことではありません。
タブレットとは信号など自動化されていないローカル線で、列車同士が衝突しないように、定められた区間を走ることを許可する「通行手形」のようなものです。
輪っか状の結び目にケースが付いていて、その中に金属製の「通行手形」が入っています。
手前の駅で渡された「通行手形」を到着した駅に渡し、
さらに次の駅までの「通行手形」を受け取ることで先に進めるという非常に原始的なシステムがまだクロンタン駅では行われています。
たぶん鉄道オタクの人が見たら涙が出るほど感動的なシーンが、汽車の発着ごとに繰り返されています。
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[ポールのタブレットを運転士が受け取ります/持ってきたタブレットは駅員に渡します]
観光客には縁のなさそうなクロンタン駅ですが、駅の中に周辺の名所案内地図がありました。
ビクトリーモニュメント(戦勝記念塔)、タイ・カルチャーセンター、ラチャマンカラスタジアム、エカマイの科学博物館が紹介されています。
しかし、どう見ても駅から歩ける場所の案内ではありません。
しかも、困ったことに"You Are Here."と示されている場所が、クロンタン駅の位置とは違う場所を示しています。
地図で"You Are Here."と示されている場所は、
エアポートリンクのラムカムヘーン駅のことのようです。
こんな名所案内地図を掲げていても問題にならないということは、この駅の存在意義を物語っているようです。
こんな駅ではありますが、メオダムはこのクロンタン駅が大好きです。
めったにここから汽車に乗ることはありませんが、毎週末にジョギングを楽しんでいますメオダムのジョギングコース上にこの駅はあります。
週末の朝は、この駅が市場に変身します。
野菜や魚などの生鮮食料品から、衣類まで、さまざまな商品をホームや線路上に並べて売っています。
バンコク郊外にはメークロン市場と言う線路上の市場が観光客に人気ですが、
このクロンタン駅の週末もさながら「線路市場」の様相を呈しています。
もし、バンコクに滞在中、ちょっと変わった体験をしてみたいと思われたら、クロンタン駅へ来てみませんか?
フアランポン駅(バンコク駅)まで所要30分ほどの汽車旅もたった2バーツで楽しめます。
以上、メオダムでした。
なお、タイ国鉄では冷房車にネコは乗れません。
幸い、クロンタン駅を発着する汽車に冷房付きはありません。
各種オプショナルツアー、クーポンも販売中!!
《スクチャイトラベルラウンジ》
【営業時間】9:00~17:30(年中無休)
【電話番号】02-022-0945
3TH Floor Times Square Building,246 Sukhumvit Road,Bangkok 10110
(スカイトレインBTSアソーク駅下車5番出口方面より直結・または地下鉄MRTスクンビット駅下車、タイムズスクエアビル3階)