サワディーにゃお

ピサヌローク支店のメオダムです。

今日はピサヌロークの隣町(隣県)ピチットへのショートトリップをご紹介します。

ピサヌローク県の南にはピチットという小さな県があります。

ピサヌロークと同じようにナーン川が流れており、昔から川を使た物流が盛んにおこなわれてきたところです。

ちょっと時間があったので、ピサヌロークからフラリとピチットまで鉄道に乗って出かけてみました。

ピチットには町中に湖のように大きな池があり、水族館もあるということなのでそこへも行ってみたいと思っていたのですが、実はピチットでの滞在時間は1時間ほどしかなくて、町の見どころらしいところはほとんど見れていません。

それと言うのも、乗ろうと思って買った切符の列車が2時間以上も遅れてんです。

列車に乗ってしまえば1時間足らずの距離なのに、ピサヌローク駅のホームで長い時間待たされました。

日本の電車と違って頻繁な運行なんてしてないんです。

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ようやく乗り込んだ列車の車内はこんな感じ。

なんだか昭和30年代の客車みたいな感じですよね。

それもそのはずで、今から半世紀も前に日本で作られた車両なんです。

列車が遅れたので、そろそろお昼時になりました。

ちょうど車内販売で弁当を売っていましたのでひとつ購入。

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これで20バーツですから、日本円で70円ほどと随分とお値打ち価格でした。

 

ピチット駅はピチット県の県庁所在地ピチット市街とはナーン川を挟んだ対岸にあります。

県庁所在地の駅ではありますが、小さな駅です。

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駅舎はイギリスの田舎町にでもありそうな風格のある建物です。

日本の駅とはちょっとイメージが違いますね。

日に数本しか列車が来ないので、駅前ものどかなもので、駅前商店街みたいなものさえありません。

でも、駅のはずれにちょっとした公園がありました。

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公園の名前は"チャラワン・ステーション(Chalawan Station)"となっています。

チャラワンはピチット県に伝わる民話に出てくるワニの名前です。

この民話の主人公は悪いワニを退治する「クライトーン」という青年なのですが、どうしたわけかタイでは、悪役のチャラワンの方が人気があり、「ピチットと言えばチャラワン」といった感じになっています。

で、この公園には枝を広げた大きな木が何本もあり、そのな大木を結ぶように橋がかけられています。

ちょうど木の幹を結んで、中空に歩道が伸びいてる感じです。

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たぶん、インスタスポットになることをもくろんで作られたものなんだろうと思います。

最近、タイではこの手の空中歩道があちこちに作られておりスカイウォークなどと呼ばれています。

せっかくだから、橋の上にちょっとしたアートを感じさせるオブジェなど配置すれば、もうちょっと雰囲気もアップしそうなのに、残念です。

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駅前からはこんな細い道が100メートルくらい続いています。

駅前通りと言うよりも、裏通りみたいな感じの道ですが、この道が市街地へつながっているんです。

その市街地へは大きな吊り橋を渡っていくことになります。

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自動車で吊り橋を渡ることは禁止されていますがオートバイはふつう橋を渡っていきます。

橋のたもとの赤い看板は「各種車両は橋の通行禁止」と書かれています。

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吊り橋の下を流れるナーン川です。

川の色はミルクコーヒーみたいです。

川岸は植物が茂り、まだまだ自然が豊かなことを感じさせます。

昔はバンコクやアユタヤから船が通っていたそうです。

今から150年前には当時のタイ国王ラーマ5世が蒸気船でバンコクから行幸されています。

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川面を眺めていたら1メートル以上もある大きな生物がクネクネと泳いでいきます。

チャラワンの民話の世界でワニのことが頭に残っているので、一瞬「ワニか!」と思いましたけれど、ワニとよく似ていますが、ワニよりかは口が小さくて、これはオオミズトカゲと呼ばれる巨大なトカゲです。

タイではバンコクの運河などでも見かける別に珍しくもない生物です。

吊り橋を渡り終えると、ようやく町らしくなってきます。

道の両側には商店があります。

雑貨屋、間口を開け放った食堂、薬屋、クリニック、何を売っているのかよくわからない店など、でも半分以上はシャッターを閉じています。

このあたりの店のシャッターはシャッターが上から下へ降りてくるタイプではなく、左右から引き戸のように金属製の蛇腹のようなシャッターをスライドさせて閉じるタイプです。

建物は2階建てまたは3階建てで、1階部分が店舗になっていて、上が住居と言うタイでよく見かけるスタイルです。

少し歩いたところに中国風のお堂がありました。

ピチットもピサヌロークなど地方の町同様に、町の中心部は華僑系の人たちが多いので、そうした人たちの中国風寺廟があるようです。

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お堂には漢字で「報恩寺」と掲げられています。

つまりここはお寺なんですね。

屋根の上には2匹の竜がくねっており、壁の窓は丸くて、なんとなく浦島太郎の物語に出てくる竜宮城のイメージと重なります。

中ではタイやヒラメが舞い踊って、乙姫様がいらっしゃるのでしょうか、、。

内部をのぞかせていただきました。

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残念ながら乙姫様はいらっしゃりませんでした。

そのかわり、「富貴仏」と言う金色した出っ腹の像が祭られていました。

台座は蓮の花をかたどっていますし、名前も「仏」となっているので、仏像なんでしょうけれど、しかし、メオダムとしては、両手合わせて拝みたくなるようなイメージではありません。

お顔の表情が、なんとなく成金オヤジ的で、失礼ながらあんまり知性を感じさせません。

それに、「どてーん」と座り込んでいる姿勢もなんと申しますか、、。

ピチットあたりの華僑の人たちには、このようなお姿が神々しく見えるのかもしれません。

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お堂の中には、ほかにも像がありまして、孫悟空も祭られていましたし、右側は如来像でしょうか?

中央ながら、色的に目立たない存在のブロンズ像は、頭の上にラッサミーの炎をいただいたスコータイ仏のようです。

ゾウもいます。

乙姫様にお会いできなかったので、この報恩寺からさらに先へ歩きましたらまたも中国風の寺廟がありました。

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こちらの方が派手です。

赤い大きな柱には竜が巻き付いてます。

奥の建物はお寺と言うより集会所(ホール)のような感じになっています。

建物右手には観音様の像があります。

なんとなく、メオダムの経験からして、ここは普通の中国系人たちが参拝するお寺と言うよりも、お葬式のためのセレモニーホールのような感じがします。

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通りを先に進むと、なんだか倉庫のような建物に派手な日よけを伸ばした店がありました。

なんとなく旭日旗をイメージした看板もあります。

最近、タイの田舎でよく見かける「ムーソーン・イーブン」のお店のようです。

ムーソーン・イーブン(มือสองญี่ปุ่น)と言うのは、日本の中古品という意味で、日本で使われてた家庭雑貨などをタイへ持ち込んで販売しています。

粗大ごみのような家具から、未使用と思われる売れ残りのぬいぐるみ、引っ越しで処分されたと思われる茶碗などまで、いろんなものが所狭しと並んでいます。

タイの田舎では、このような「ムーソーン・イーブン」の店がだいたいどこの町にも一つはあるようです。

店の中を覗いてみると意外な掘り出し物があったり、ちょっと懐かしくなるような玩具なんかも無造作に積まれていたりします。

歩き始めて約30分。

距離にして1.5キロほどのところまで歩いてきて、公立のピチット病院までたどり着いたけど、そろそろまた駅へ戻らないと、ピサヌロークへ帰る列車に乗り遅れてしまう。

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ピチット病院と通りを挟んだ向かい側にはワニのオブジェ。

このオブジェのある店は、土産物屋で「マカーム・ケーオ」というお菓子を売っているらしい。

マカームと言うのは英語でタマリンドと呼ばれるマメ科の植物で、実である鞘の中の種の周りに甘酸っぱいジャムのような果肉がある。

タイではこのタマリンドを使ったお菓子がいろいろとあるし、その酸味から料理に使う調味料などにもなっている。

身近なところでは、タイ風焼きそばとして人気のあるパッタイを作るときのソースにも入っている。

で、この店で売られているタマリンドのお菓子と言うのは、キャンディーのようなものらしい。

ワニが立っている台には"マカーム・ケーオ・シーロット・ピチット"と書かれている。

シーロットとは「4つの味」という意味なので、このタマリンドキャンディーには4つのフレーバーがあるのかもしれない。

ピチットはタイの民話に出てくる悪役ワニ、チャラワーンの故郷であり、またチャラワーンと言うワニは悪役でありながら、主人公を差し置いて人気があるという、ちょっと訳のわからない町なのでありました。

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ということで、ピチット駅へ急いで戻り、ピサヌローク行きの列車に乗り込みました。

もしピサヌロークに数日滞在される機会があって、ちょっとどこかへ行きたいなと思ったときに、ピチットまでのショートトリップなんて如何でしょうか?

サワディーにゃお!

みなさん、お元気ですか、ピサヌローク支店のメオダムです。

いままでコロナ感染者をほぼゼロに抑え込んできたピサヌロークも、ジワジワとバンコクからウイルスがしみ込んできて、連日二桁の新規感染者を記録しています。

このため、先月まで「高度監視地域(イエローゾーン)」というコロナ感染防止対策として比較的緩やかな制限で良かったものが、7月になったら「管理地域(オレンジゾーン)」となり規制が強化されてしまいました。

このタイミングで、どうしたことかピサヌローク県はタイ国内で最初のアルコール飲料等販売禁止規制が発令されてしまいました。

このような規制を強化しても、感染拡大は続いてしまい、とうとう今週からは「最高度管理地域(レッドゾーン)」に突入してしまいました。

そんなタイミングでのピサヌロークの様子を旅行者目線からお知らせします。

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このプレートはバンコクなどからピサヌロークへ到着した時の基準が示されてます。

ピサヌロークの空港、第一バスターミナル、第二バスターミナル、鉄道駅へ到着した旅客は、Save Phitsanulokというアプリへの登録をしてもらいます。

そして、体調に異常があれば病院へ。

異常がない場合、
1.ホテルの予約があれば、そのホテルで14日間の自主隔離

2.当地の自宅に帰る場合、自宅で14日間の自主隔離

3.さらに旅行を続けてピサヌローク県外に行く場合、当地に宿泊せず速やかに移動すること

以上のようなルールが定められているようです。

しかし、7月22日現在、バンコクとピサヌロークの間を結ぶ飛行機も高速バスも運休となっています。

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ピサヌローク市内の第一バスターミナルは閑散としています。

バンコク行きのバスは全便運休し、近隣県行きや県内便も大幅に運休となってしまってます。

ピサヌロークはタイ中北部の中心都市なので、近隣県から病院へ通ってくる人も多いのですが、バスが利用しづらくなって、困っている人も多いのではないかと思います。

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そんなバスターミナルの片隅で、ネコの親子がいました。

もう乳離れしてもいいくらいに大きくなっているのに、まだお母さんのオッパイに吸い付いています。

バスの出入りがないので、ネコの親子ものんびりしてます。

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バンコク行き高速バスの切符売り場です。

運休してバスが走らないのに、どうして切符売り場が開いているのか質問したら、切符の払い戻しに来る人がいるから、開けておくのだそうです。


YouTube: ピサヌローク駅での検疫(2021年7月21日)

鉄道はまだバンコクから通ってきています。

バンコクからチェンマイへ向かう快速列車がピサヌローク駅に到着した際の様子を動画にまとめてみました(7/21撮影)。

ピサヌロークに到着したら、アプリの登録と自主隔離などと言った厳しいルールがあることは先ほど紹介しましたけれど、実際の運用状況は、少しルールとは異なっているようです。

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市内の市場や商店は、通常営業をしています。

これは鉄道駅近くの果物屋です。

奥の棚に並べられている黄色い物体はドリアンです。

手前右側の毛むくじゃらはタイ語でンゴォと呼ばれるランブータンという果物。

左手に"3โล100"のプレートとともにある赤い果物は、ドラゴンフルーツです。

いまが旬で、"3โล100"というのは、3キロで100バーツ(350円くらい)という意味です。

右手にはマンゴスチンも見えますが、値段はやはり3キロで100バーツのようです。

コロナの影響で、外国人観光客がタイへ来なくなってしまい、外国人観光客に需要が高かったフルーツの高級品は、なかなか売れなくなってしまったり、値崩れを起こして、生産農家は頭を抱えているそうです。

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こちらはピサヌローク市内でももっとも規模の大きなホテルのひとつ、トップランドホテルです。

レセプション前は、がらんとして人気がありません。

バンコクをはじめ、他県からやってきた人の宿泊は問題ないかとの質問に対して、「ホテル側では発熱などの症状のない方なら、宿泊を通常通り受け入れている」とのことでした。

しかし、旅行者もビジネスでの出張者も減ってしまって、お客様がとても少ないようです。

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ホテル内3階のスパは通常営業しています。

施術料金はそのままですが、施術時間を伸ばして実質値下げに踏み切っています。

ホテルのスパとしては、かなりお値打ちな料金です。

フットマッサージ60分 250バーツ(850円)

タイマッサージ120分 480バーツ(1700円)

 

このトップランドホテルはトップランドプラザという老舗デパートに隣接しています。

コロナ以前より、数年前に郊外にできた大手資本のデパートに客足を奪われて、閑古鳥が鳴くような状態だったのですが、コロナが追い打ちをかけたようです。

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吹き抜け構造になっているので、どの階にもお客様がほとんどいないのが一目瞭然です。

地元の人たちの財布の紐がだいぶ硬くなっているのでしょう。

わずかに人影があったのは、地下の食料品などを扱うスーパーマーケットだけでした。

最上階には、こども向けの遊戯施設があるのですが、現在は臨時休業しています。

そして、その隣はタイのどこのショッピングセンターにもあるようなフードコートです。

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空きテナントも目立ち、虫食い状態です。

何組かテーブルに着いて食事を人もいますが、ユニフォームのようなものを着ていますので、このデパートの従業員なのでしょう。

 

ピサヌロークにはタイで最も美しいと言われる仏像を安置した古刹があります。

地元の人たちが愛着込めて「ワットヤイ(大きな寺)」と呼ぶ、ワットプラシーラタナマハタートです。

ここのご本尊様には大変なご利益があるということで、通常ならタイ全国からひっきりなしに参拝者が訪れています。

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しかし、現在は黄金に輝く仏像を安置している礼拝堂は立ち入り禁止となっています。

参拝する人は、礼拝堂正面扉越しということになります。

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メオダムはピサヌロークの三大スポットと言うのを勝手に選定しておりました。

その筆頭が、このお寺ですが、現在は建物内部へは入れない状態となっています。

※そのため外国人にだけ課されていた拝観料(40バーツ)は不要のようです。

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もうひとつのスポット、これもメオダムが勝手に命名した「おやゆび姫の池」という巨大なハスの葉が浮かび、蓮の葉の上に乗ることができちゃうスポットでした。

ここもなかなか人気が出てきたのですが、天候不順に加えてコロナの影響から、とうとう今年4月、コロナ第3波の発生拡大とともに閉園してしまいました。

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閉園を知らせる張り紙には、「一時的に閉園」と書かれているのですが、現在ではおやゆび姫の池に巨大なハスの葉はほとんどなくなってしまい、とても寂しい姿をさらしています。

お客様が減ったこともあるのですが、経営者としては不特定多数の人たちがやってくるので、コロナに感染してしまう心配があって閉園としたとのことでした。

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さて、三大スポットの三つ目が、「空飛ぶ空芯菜食堂」です。

たぶん外国人観光客にとって、ピサヌロークでの夜でもっとも印象深いのが「空飛ぶ空芯菜」ではないかと思います。

タイ各地で同種のアトラクションはあるようなのですが、発祥はピサヌロークと言われています。


YouTube: ピサヌローク名物「空飛ぶ空心菜」

ツアーでも組み込ませていただき、好評でした。

凄い火力で短時間で炒めた空芯菜をシェフが後ろ向きに中華鍋を振るって、夜空へ放り投げ、それをキャッチする体験ができるレストランでした。

料理の味もいいし、川沿いのオープンエアーでいかにも南国らしい風情がありました。

コロナ以前は西洋人の団体観光客がサムローという三輪人力自転車タクシー(輪タク)を連ねて大挙して押し寄せていたのですが、コロナでプッツリと来なくなってしまいました。

それでも、地元の人やバンコクなどからの観光客相手に一生懸命一年間辛抱して営業を続けてきていましたが、とうとう7月に入って廃業となってしまいました。

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ピサヌロークはこのようにコロナの影響が経済面でもジワジワと浸透してきており、街全体がどんよりと沈んでしまっている感じです。

ピサヌロークの隣り、スコータイもだいたい状況は似ており、遺跡巡りをするためのレンタサイクルの店が閉まってしまったり、レストランなども営業をやめてしまったものなと多数あります。

しかし、スコータイ歴史公園は現在のところまだ通常通り観光客を受け入れており、見学可能です。

現在の第三波が終息し、バンコクからの移動規制が解除されたら、ぜひピサヌロークやスコータイへ足を運んでいただきたいものです。

そして、はやくまた活気あるタイ中北部になってもらいたいと思います。

サワディーにゃお!

先週末に一泊でチェンマイとの間を汽車旅してきました。

きょうは、チェンマイからピサヌロークまで汽車旅での旅情をお伝えします。

7月11日よりバンコクとチェンマイを結ぶタイ国鉄北本線は、コロナ感染拡大防止のため、ふたたび大幅な減便となりました。

チェンマイを発着する列車は、夜行列車が運休となり、昼の快速列車もバンコク到着時に夜間外出禁止時刻(21:00-04:00)に間に合わせるため、チェンマイ駅の出発時刻が午前5時台に繰り上がっています。

メオダムがチェンマイからピサヌロークまで乗ったのは、ピサヌロークより先にあるナコンサワン行きの鈍行列車で、こちらはバンコクに行かないローカル列車なので時刻の変更などなく、朝09:30発。

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このオレンジ色の顔をしたのがこれから乗るディーゼルカーです。

ピサヌロークまでは約8時間の旅になります。

3両編成のディーゼルカーは1980年代に日本のメーカーがタイに輸出したもので、車内の構造は昔のディーゼルカーとよく似ています。

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通路の上には吊皮がぶら下がり、対面式のボックスシート、エアコンがないので天井には扇風機が回っています。

座席の幅は少し狭いし、シートも硬めで、ひじ掛けはありません。

窓にはガラス窓の他に金属製の鎧戸が付いています。
強烈な太陽光線による日差しを遮り、風だけを通すような構造になっています。

コロナ以前からチェンマイを発着する鈍行列車はピサヌローク経由でナコンサワンとを往復するこの列車一本しか設定されていません。

でも、あんまり利用効率は高くないようで、車内はガラガラ。

靴を脱いで、前の座席に足を放り出してサバーイサバーイ(タイ語で快適)。

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鈍行列車なので、小さな駅にも一つ一つ止まっていきます。

一日一往復の列車しか来ないのに、どの駅もほとんど駅員さんが何人かいて、駅をきれいに整備しています。

いくら物価や人件費の安いタイでも、これではタイ国鉄も赤字になるのは当然です。

でも、あんまり合理化しようとか合理化反対という話は聞こえてこないし、まったくのどかなものです。

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それに、運賃ももう何十年も値上げされておらず、チェンマイからピサヌロークまで350キロ、ほぼ東京と名古屋くらいの距離があるのに、たった65バーツ(220円くらい)でしかありません。

チェンマイからピサヌロークまでは、山の中を走る区間が多く、雨期に入って木々の緑が鮮やかさを増して、とっても素敵な景色を車窓から楽しめます。

12月頃の乾季の時期は、南国のタイも気温が少しは涼しくなって、旅行シーズンとしてお勧めですが、エアコンのない鉄道旅だと、開け放たれた窓から埃が入り込んで、数時間も汽車に乗っていたら、シャツの襟は抹茶色、髪はバサバサと大変なことになってしまいます。

なので、メオダムは鉄道旅なら雨期をお勧めしています。

スコールが来たって、ヘッチャラだし、スコールの強い雨脚に打たれる椰子の木を車窓から眺めるのも風情があります。

チェンマイを出発しておよそ一時間、お隣りの県ランプーンに入り、チェンマイ盆地の外輪部に近づいてきます。

列車はその外輪部の山々を峠とトンネルで越えて、次のランパーン盆地へと走っていきます。


YouTube: チェンマイ発 第408ディーゼルカー

ランプーン県とランパーン県の境にはクンターントンネルというタイで一番長いトンネルがあります。

もともとトンネル自体が珍しいタイでは、このクンターントンネルも観光名所の一つになっています。

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トンネルの手前に立っているポールは腕木式信号機と呼ばれるもので、日本でも昔は田舎の方のローカル線で使われていたものです。

ポールの上の方に、右に伸びて、先に赤い丸のついた枝のようなものがありますが、この枝の部分がポールに対して直角に、横へ伸びていたらストップ、斜め上に上がったら青信号です。

下に"45"と数字が書かれているのは制限速度です。

 

峠を越えた先はランパーンです。

ランパーンは100年ほど前までは、チェンマイを中心とするランナー王国に属する一侯国でした。

このランパーンから北へ進むと、チェンライを通ってミャンマーのシャン州へと続いています。

現在でも交通の要衝となっており、バンコクから北へ進んできた国道1号線は、ランパーンからチェンライそしてミャンマー国境のメーサイへと向かいます。

タイ第二の都市であるチェンマイへはランパーンで国道1号線から分岐する国道11号線が通しています。

ガソリンなどの石油製品は、シャム湾臨海部で精製され、タンク車(貨車の一種)を使って鉄道輸送されます。

そして、ランパーンで自動車(タンクローリー)に積み替えられて、チェンライ方向へ運ばれていくので、ランパーンの駅構内にはたくさんの石油を運ぶタンク車が見られます。

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そんなランパーン駅構内に、小さなディーゼル機関車がありました。

たぶん現存するタイ国鉄のディーゼル機関車では最古のダベンポートというアメリカのメーカーが70年ほど前に製造した機関車です。

この機関車がタイへやってきたころは、まだタイの鉄道は蒸気機関車の時代でしたので、この機関車のブレーキ・システムは、当時のタイの蒸気機関車の仕様に合わせた真空ブレーキが装備されています。

しかし、すでに蒸気機関車の時代は終わり、鉄道ブレーキもエアブレーキを使うようになっているので、この機関車はもう本線上で貨物列車を引いて活躍することはできないでしょう。

最後の仕事場として、こんな駅構内でタンク車の入れ替え作業をしているのだと思います。

また、この機関車の後ろに見える薄いオレンジ色をした建物は、扇形車庫と言う施設で、これも蒸気機関車時代の施設です。

扇形の車庫がターンテーブルという蒸気機関車を載せて方向転換する丸い円盤の周りを取り囲むような構造になっています。

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ランパーンからしばらく走った小さな駅、メータ駅でナコンサワンから走ってきた下り列車とすれ違います。

メオダムの乗っている上り列車はチェンマイからピサヌロークまで8時間もかかります。

一方、逆向きの下り列車はピサヌロークとチェンマイを7時間で結んでしまいます。

1時間も差が出るのはなぜだろうと思っていたのですが、上り列車は各駅での停車時間が長いことに気が付きました。

たぶん、バンコクから夜通し走ってきた夜行列車との交換待ち合わせのための時間が取られているためなんだろうと思います。

でも、今日から夜行列車が走らなくなったと言っても、やっぱり決められた時刻表通りに走っているのは律儀な鉄等と言う因果でしょうか。

ランパーンから先にも峠があり、峠を超えるとヨム川の渓谷に沿って走ります。

渓谷と言うと、清流のようなイメージを持ってしまいますが、ここの渓流は茶色い濁流です。

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ヨム川はパヤオ県のラオス国境周辺を源流として、プレー県からスコータイ県へと流れていきます。

スコータイ県でユネスコの世界遺産にも登録されているスコータイ遺跡のひとつ、シーサッチャナライ遺跡は、このヨム川のほとりに位置しています。

スコータイ王朝が消滅した後、アユタヤ時代もシーサッチャナライは交易都市として栄えていたそうです。

ヨム川を使ってアユタヤへつながり、さらに川沿いにさかのぼれば、中世の道は中国へと続いていたと言われています。

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プレー県内の小さな盆地にあるデンチャイ駅を過ぎるとまた峠です。

峠には二つの短いトンネルがあるのですが、そのトンネルとトンネルの間に、こじんまりとした山間集落が見えてきます。

バナナの畑や椰子の木、緑色をした圧倒的な自然の力の中に埋もれるように点在するトタン屋根の木造家屋。

集落のすぐ近くを線路があるのに、近くに駅すらありません。

それでも、とても平和そうな集落に見えて、メオダムはこの路線の列車に乗るたびに、この車窓からの景色を楽しみにしています。

この集落を過ぎてしばらく走ると、ウタラディト県の平野に出ます。

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ずっと山の中ばかりを走ってきましたが、もう山は車窓からどんどんと遠ざかっていきます。

水田の緑も広くそして鮮やかさを増してきます。

遠ざかっていく緑だった山は、次第に群青色から墨色へと変わっていきます。

ウタラディト県庁のあるウタラディト駅手前にあるシラアット駅は、このあたりの鉄道関連施設の中心地になっていたようで、構内にはたくさんの線路が敷かれています。

昔はここで機関車の付け替えなどもしていたのでしょう。

シラアット駅では、構内の外れにある給油施設に立ち寄っていました。

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チェンマイから延々と山の中をエンジンとどろかせながら走ってきたので、燃料タンクもだいぶ減っていたのでしょう。

ガソリンスタンドのホースより倍くらい太いホースで軽油を入れていきます。

3両編成なので、一両ずつ3回の給油です。

 

ウタラディトを過ぎると、もう山は見えません。

ここからバンコク、そしてシャム湾まで約400キロもの間に、山はもうないのです。

シャム平原に入って、エンジンの音も軽やかになったようだし、スピードも速くなりました。

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ピサヌロークが近づくとともに、そらに雨雲が広がってきました。

どうやらスコールになりそうです。

窓から吹き込む風にも、雨の臭いが混じっています。

やがて、打ち付けるような雨になり、しかし雨など関係ないとばかりに、景色はどんどんと流れていきます。

 

夕方、5時半少し前、無事にピサヌロークに到着。

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ピサヌロークは雨雲の外側にあったのか、雨など全然降っていませんでした。

8時間の汽車旅、如何でしたか?

こんな汽車旅もタイならではだと思います。

ピサヌロークとチェンマイの間は、景色もいいので、コロナの移動制限が明けたら、ぜひ挑戦してみてください。

今回は紹介してませんが、車内では沿線の味覚をはじめとして、色々な食べ物も売りに来ています。

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2021.09
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