サワディーにゃお!
ピサヌローク支店のメオダムです。
先週末、メオダムはある鳥の巣をさがしに出かけてきました。
その鳥の名前は「キムネコウヨウジャク」といいます。
メオダムははじめこの鳥の名前の綴りを見た時に、キムネコ? ウヨウジャクと最初の4文字に反応してしまいました。
キムネコってどんなネコなんだろ。
ウミネコみたいにネコのような鳴き声なんだろうかと想像してしまったりですが、調べてみたら全然違って、漢字で書くと「黄胸紅葉雀」だそうで、スズメの仲間なんだそうです。
で、なんでこんな鳥の巣をさがしに出かけたかと言うと、以前メオダムが毎年出かけて行ってた台湾の山奥にある温泉宿の浴場にあったんです。
この写真、外側の松の木の枝にぶら下がっているのが鳥の巣なんです。
これは飾りとして宿の主人がぶら下げたものなんですが、こんな感じの鳥の巣をタイではよく見かけた気がしたんです。
そして、こんな鳥の巣をつくる鳥の名前を調べたら、キムネコウヨウジャクと判明しました。
タイでよく見かけたような気はしたのですけど、具体的にどこで見たのか思い出せないままに日が過ぎていきました。
で、先月チェンマイまで汽車に乗って出かけた時、その車窓を眺めていたら田んぼの中の木に、この鳥の巣がぶら下がっていました。
という次第で、その場所を確かめようと、週末に再びピサヌロークからチェンマイ行きの汽車に乗りました。
鳥の巣を見かけたのが、いったいどこらへんだったかのはっきりしないので、適当なところまで切符を買って列車に乗り込みました。
目を皿のようにして、窓の外の流れる景色の中で鳥の巣を探します。
乗車時間30分ほどして、ついにポンピラームという駅を出た先で田んぼの中に目指す鳥の巣を見つけました。
次の停車駅で汽車を降りました。
ノーントムという小さな集落にある駅で、降り立ったのはメオダム1人。
なんとものどかな駅ですが、駅のホームには花壇とかもよく整備されていて、なかなかいい感じの田舎の駅です。
ここから線路伝いに一つ手前のポンピラームまで歩くことになります。
ポンピラームまで8.696kmだそうです。
歩いて2時間半くらいの距離でしょうか。
時刻は午前8時です。
駅前の道がこんな感じで、とんでもなくのどかです。
この紫色の花はヤモメカズラと言うそうです。
ヤモメなんて名前を付けられて、調べたらなんかストーリーがありそうですね。
足元にも変わった花が咲いています。
この花は「時計草(トケイソウ)」の仲間だと思われます。
花の真ん中の雄しべ雌しべのところが、時計の針みたいですよね。
いまタイは甘酸っぱくてジューシーなパッションフルーツのシーズンなんですが、パッションフルーツもこの時計草の仲間です。
鉄道線路沿いに歩くには、舗装された田舎道を外れて田んぼの中のあぜ道を歩かなくてはなりません。
こんな泥土を盛り上げただけのあぜ道なんて歩くのは何十年ぶりでしょう。
靴が泥んこになってしまいますが、青空と緑の田んぼの中を歩くのはとても気持ちがいいです。
稲の茎のところに付いたピンク色の物体がなんだかわかりますか?
これはタニシの卵なんです。
タニシはこんなところに卵を産み付けるんですね。
タニシは水田を荒らすので、タイのお百姓さんたちが嫌われています。
しかし、ここら辺の人たちはタニシを料理して食べるので、タニシを捕まえて市場で売ったりもしています。
ここら辺のタニシは熱帯ということもありサザエより大きなタニシもいたりします。
そんなあぜ道を歩くこと20分ほどで、鳥の巣を発見。
木の細枝にいっぱいぶら下がっています。
もっと近づいてみてみましょう。
ずいぶんと丸っこい鳥の巣です。
これまで見てきたキムネコウヨウジャクの巣はもっと長く垂れ下がるような形をしていたと思うので、これは別の鳥のものかもしれないし、未完成なだけかもしれません。
でも、どの巣にも鳥はいないみたいです。
キムネコウヨウジャクの巣はタイで園芸品店などで装飾品として売られたりするので、ちょっと形の良い巣があるとすぐに誰かに盗られてしまうんだそうです。
もう少し探してみることにしましょう。
ありました。
形よくぶら下がったキムネコウヨウジャクの巣です。
しかし残念なことに、近づいてみたみたいのですが、用水路に隔てられて近づけません。
奥に見える鉄道線路側からならば、もっと近いのかもしれませんが、あのあたりはズブズブの湿地帯みたいです。
そんな環境だからあそこにある鳥の巣は人間に盗まれることなくぶら下がっていられるんでしょう。
さらに進んでいくと、また見つけました。
これはかなりだらりと長く垂れ下がっています。
このだらりと垂れ下がっている部分がホースのような管状になっていて、そこがこの巣の入り口です。
メス鳥はそこから入って奥にある丸い部屋の中で卵を産むのだそうです。
巣をつくるのはオスだけで、いい巣ができないとお嫁さんが来てくれないのだそうです。
この鳥の世界には共働き所帯と言うのはないんですね。
さて、もっと近くで鳥の巣を、できれば手に取ってみたかったけれど、これだけ見つけられたので、ひとまず満足したことにして、ピサヌロークへ帰ることにしました。
時間がたつにつれてだんだんと暑くなってきました。
どうせならポンピラーム駅まで歩き通そうと農道をテクテクと歩き続けるのですが、日差しが強くとても暑い。
元の駅へ戻った方が近かったかなと後悔もし始めました。
それに農道は曲がりくねったり、ときどき行き止まりになったりします。
そこで、鉄道線路を歩くことにしました。
これならまっすぐだし、第一に道を間違えることもありません。
しかし、線路を歩くというのは、あんまり快適ではないことがすぐにわかりました。
枕木とゴツゴツした砕石で、足元をよく見ていないと転んだり、足首をひねったりしそうです。
それと鉄橋なんかあると大変です。
枕木と枕木の隙間から下が見えるんです。
高さは5メートル程度しかなさそうですが、それでも足場が悪いので足がすくみそうになります。
線路脇の泥沼ではピンク色の蓮が大輪の花を見事に咲かせていました。
タイでも蓮の根っこ、レンコンを食用にしますが、料理に使うというより、甘く味付けてデザートにしたりします。
歯触りはやはりシャリシャリとします。
結局3時間近く歩いて午前11時にポンピラーム駅にたどり着きました。
ここも小さくて可愛らしい駅です。
ピサヌロークまでの切符を買おうとしたのですが、次の列車は午後5時とのこと。
タイは日本と違って、鉄道はあんまり便利ではありませんね。
駅前でトウモロコシを売っている出店があって覗いてみたら、そこに立派なキムネコウヨウジャクの巣がありました。
やっと手に届くところでキムネコさんに対面できました。
でも、これも飾り物です。
写真を撮らせてもらったら、トウモロコシ屋の女主人が「ほしいならあげるよ」と言います。
まぁ、もらってもしょうがないので遠慮させていただきました。
駅員さんに聞いたら「駅前の道路をときどき空色のバスが通るからそれに乗ったらいいよ」と言われ、街路樹の木陰でバスを待ちました。
お昼過ぎの12時40分すぎに、オンボロのバスがやって来ました。
色々あったけど、なかなかイイ週末の1日でした。