サワディーニャオ
メオダムです。
前回のワンブアデーンに引き続きまたまた北イサーンのご紹介です。
ウドンタニ県の北西、ノンカーイ県やルーイ県の県境にも近い山の中に、天空の寺院と呼ばれるお寺があります。
このあたりは平地の多いイサーンの中では例外的に山が多い場所。ブンカーン県にあるような砂岩の岩山ではなく、緑の木々が茂った日本の山間部と言った感じのエリアです。
この寺院はタイ政府観光局が選んだタイで最も美しい寺院10選に入っているそうで、またイサーン(タイ東北部)で最も美しいお寺とも言われています。
メオダムは勉強不足で、「タイで最も美しい寺院10選」にはほかにどんなお寺が選ばれているのか知らないのですが、メオダム同様に「タイで最も美しい寺院10選」というフレーズはどうやら独り歩きをして、インスタ好きの多いタイ人にはとても人気のスポットになっているんだそうです。
しかし、地図でお分かりのように、アクセスがとても悪い。
最寄りのバスが通うサムコンという町から山へ田舎道を30km以上も入ったところなんです。
メオダムが訪れた日はあいにくの曇り空。
雨でも降りだしそうなくらい厚ぼったい雲に覆われて、日中なのにちょっと薄暗い感じでした。
本当は、このお寺、エメラルドグリーンの屋根が青空に映えてとても美しいらしいんですが、残念ながら、そうした姿はお預けになってしまいました。
この写真の建物はウィハーンと呼ばれる礼拝堂です。
今から10年ほど前に、3億2千万バーツほどかけて建設されたのだそうで、とても豪華に礼拝堂だそうです。
スタイルは直線を基調にして、端のほうが反りあがって、威風を感じさせます。
色は屋根にエメラルドグリーンと、タイの寺院としては異色な色使いをしてますが、タイの寺院でよく見かけるゴテゴテ感はなく、白壁と相まってシックな印象を受けます。
また、金色も使われていますが、チョーファーと呼ばれる屋根の端の部分に限られ、品の良さを感じさせます。
メオダムなんだか日本のお城みたいな印象を受けました。
礼拝堂の入り口は、建物の正面ではなく、やや左に寄っているのがわかりますでしょうか?
この礼拝堂には20メートルにもなる巨大な涅槃仏が安置されています。
正面の入り口から涅槃仏のお顔が見えるように、入り口の場所を左寄りにしたのでしょう。
そうしないと、正面からまっすぐ入ると、仏像のおヘソを最初に目にすることになってしまいますからね。
この純白の涅槃仏は大理石でできています。
それもイタリアから輸入した大理石なんだそうです。
白くつややかなお肌をされていて、タイ人があこがれる美白です。
涅槃仏の下の部分には、銅版のレリーフがはめ込まれ、取り巻いています。
このレリーフはお釈迦様の生涯や仏教のお話を題材にしたものでした。
純白の大理石に、褐色のコッパーのあり合わせがなんとも渋くてかっこいいです。
メオダムがレリーフの中で一番目を引いたのは、涅槃仏の背中の部分下にはめ込まれたレリーフで、入滅したお釈迦様が棺桶に入って、弟子たちが取り囲んでいるレリーフです。
棺桶から、釈迦の足先が飛び出している構図は、ピサヌロークのワットプラシーラタナマハタート(ワットヤイ)の境内にある小さな礼拝堂の棺桶仏とそっくりです。
ただ、ピサヌロークのものは足が左側に飛び出していますが、ここのは右側に飛び出しているようです。
もっとも、このレリーフを眺めているメオダムは涅槃仏の背中側、つまり裏側から眺めているわけで、正面から見た構図を想像すれば、正面から見て足は左側に出ていることになるのでしょう。
涅槃仏の頭と足のそれぞれの側にたぶん銅でできた木が飾られている。
葉っぱの形からして、なんとなく菩提樹を模して作ったもののように思われるが、釈迦が入滅の時に、二本ならんでいた樹木は、平家物語の出だしにうたわれている沙羅双樹のはず。
タイの仏教では、沙羅双樹ではなく、入滅の時は菩提樹になるのだろうか?
タイの寺院の壁画を見ていると、釈迦誕生の時に咲いていた花が、日本に伝えられているようなアソーク(無憂樹)ではなく、沙羅(本当の沙羅ではなく、タイでサラと呼ばれる中南米原産の樹木)の花みたいだったりして、どうもタイでは植物に関してあやふやなところが多い気がする。
戸扉にも銅板のレリーフがあった。
このセクシーで髪の長い女性は大地の神様。
釈迦が瞑想修行の最終段階で、悪魔と戦う際に、悪魔の軍隊を長い髪の先から噴き出した大水流で押し流してくれた神様。
根釈迦仏の頭のほうにある出入り口から、外へ出てみる。
天空の寺院と呼ばれるだけあって、山深い中にあっても眺望が利くくらい、周囲の山々より一段高いところに位置しているようだ。
階段脇のナーガという蛇王の化身も褐色のコッパー色。
このお寺、細部に至るまで色使いが渋い。
涅槃仏を安置した礼拝堂が山の頂上に建っており、そこまで自動車で登れるようにドライブウェイが整備されている。
しかし、もともとは僧侶たちが山に籠って、瞑想修行をするための寺院だそうで、山全体が寺院の敷地のようになっている。
テラスから下界を見下ろしたらば、濃淡ある木々の緑の中に金色に光るものが見える。
この写真では小さすぎて確認できないかもしれないけれど、金色に光っているのは、高さ25メートルの仏塔だそうだ。
現在は仏塔や、やはり山のふもと近くにあるという本堂(ウボーソット)へは、観光客の立ち入りができないらしい。
礼拝堂の左右には、やはりエメラルドグリーンの屋根を持つ少し小ぶりの建物があった。
仏教関係のものを販売している建物のようでもあったけれど、中を覗くとここにも小さいけれど涅槃仏が置かれていた。
こちらの背景に描かれている二本の木も菩提樹のような葉っぱをしている。
しかし、花は白いので、日本で沙羅双樹の代用とされる夏椿にも似ている。
そして、この涅槃仏は全身に金箔がびっしりと貼られている。
タイの人たち、仏像とかご利益のありそうなものに金箔を貼らないと気が済まない人たちが多いので、この涅槃仏は参拝者に金箔を貼らせてガス抜きをさせるような役割をしているのたろうか。
H.I.S.では、3月限定で寝台特急で行く、お得なノンカーイ・ツアーをご用意しています。
このツアーでは、ブンカーンのクジラ岩やワットプートークなどとともにピンクの睡蓮の群生が見られるワンブアデーンや、今回紹介したワットパーブーコンへもご案内する内容です。
サワディーニャオ
早いものでもう3月ですね。
2月中旬から、乾期のはずのタイなのに、天候不順が続いていました。
今日ご紹介するのは、メオダムが先週行ってきたワンブアデーンです。
知名度が低いので、聞いたこともないとお感じの方も多いと思います。
タイの東北部、イサーン地方でももっとも北の方に位置するノンカーイ県にワンブアデーンはあります。
ラオスとの国境となるメコン川もすぐ近くです。
北部イサーンでは、乾期にピンク色の睡蓮が咲く沼がたくさんあります。
有名なのはウドンタニ県のタレーブアデーン(「紅の蓮の海」と言う意)ですね。
なんとなく名前も似てますね。
ワンブアデーンだと、「紅の蓮の王宮」ということになるでしょうか。
ここワンブアデーンもピンク色の睡蓮の群生が見られます。
開花時期は、タレーブアデーンよりも少し遅れて咲き始めたそうなので、4月のタイ正月、ソンクラーンの頃まで睡蓮がピンク色の花を咲かせているそうです。
タレーブアデーンがとても大きな沼で、周囲が70kmもあるそうなのですが、それと比較するとワンブアデーンはとても小さくて、周囲は5kmあるかないかくらい。
それとまだまだ知名度も低くて、観光地化されていませんので、とても素朴なんです。
観光客もまばらだし、とても静かです。
そう、静かと言えば、ここでは遊覧ボートもエンジンなどなく、手漕ぎのボートだけ。
水鳥の声しか聞こえてこないような、静かさです。
簡素な船着き場があり、ボートの代金は、ひとり100バーツ、2人目からは50バーツで、4人まで乗れるそうです。
所要時間と言ったものは特になく、ボートに乗ったお客さんが満足するまで、ボートに乗っていられるようです。
メオダムはだいたい1時間くらいボートを船頭さんに漕いでもらいました。
タレーブアデーンでは、開花のタイミングにもよりますが、ボート乗り場からエンジン付きのボートで10~20分くらい行ったところに睡蓮の群生が見られるのですが、ワンブアデーンはもともと小さな沼なので、桟橋を離れてすぐのところからスイレンがピンク色の花を咲かせていました。
ただちょっと残念なのは、天気がどんよりと曇っていて、青空が見えず、日も差さなかったので、水面に咲き誇っているはずの睡蓮も5分咲きくらいまでしか開いてくれませんでした。
でも、静かで、薄暗かったですけど、それがかえって、なんかとても幻想的な感じがしました。
それと、メオダムが気に入ったのは、睡蓮の花との距離がとても近いこと。
手漕ぎのボートだから、睡蓮のが群生している中へ丸い葉っぱを掻き分けて進んでいくことができることです。
タレーブアデーンでは、睡蓮の見学コース用に航路が開かれていて、群生の周囲から眺めるスタイルです。
そして、メオダムは毎度タレーブアデーンで心が痛むこととして、たくさんの睡蓮の花やつぼみ、葉っぱや茎が、ボートのエンジンから伸びて、回転するスクリューに蹴散らされて、水面や水中に無残な姿をさらしていることがあります。
しかし、ここワンブアデーンでは、睡蓮たちに優しい環境のままで、私たちが鑑賞できること。
これもメオダムが物理的空間として睡蓮の花との距離が近く感じること以外に、心理的にも近く感じさせてくれているように思えます。
笹船のようなボートなので、写真を撮るために立ち上がったりすることは危険ですが、たぶん立ち上がって写真を撮りたい人のために、沼の中心部に、ブイのように水面に浮かんだ展望台があって、ボートからそこに上がることができます。
ワンブアデーンはノンカーイの街から車で20分くらい。
このシーズン、まだピンク色の花を咲かせる睡蓮の群生をご覧になられてない方、まだしばらくは楽しめますよ。
それとすでにタレーブアデーンには行ったことがあるという方にも、ぜひご自身で比較してみてください。
素朴で、自然で、静かなもうひとつの紅の蓮の海、ワンブアデーン、メオダムお勧めします。
H.I.S.では、3月限定で寝台特急で行く、お得なノンカーイ・ツアーをご用意しています。
サワッディーチャオ、チェンライ支店のソムです。
ピサヌロークは北部&東北部タイの入り口で、実はほんの少しだけラオスとの国境を接しています。
ベトナム戦争当時、ラオスはホーチミンルートと呼ばれる、南北ベトナムの兵站補給路となりました。そしてラオス国内のベトナム人も、戦禍を逃れ、また南側だった人も政治的迫害を逃れ、タイに避難してきました。当初タイ政府は東北タイでは、ラオス国境県とその隣の県のみへの居住を許可しました。つまり国境県であるノンカイやウボンラチャタニー、ナコンパノムそして、国境県の隣のウドンタニーにサコンナコンの5県(+プラチンブリー、パッタルン、スラータニーの計8県)です。ピサヌロークはこの5県に含まれませんが、その後の人の移動に伴ってでしょうか、街には、川べりの屋台から少し気取ったレストランまで、ベトナムの味を楽しめるスポットがあります。
HISピサヌローク支店の記事を参考に、ナーン川までそぞろ歩き。お目当てはメオダムさんのチョイスとは少し異なり、クワイチャップ・ユアン(ベトナム式クワイチャップ)です。くるくる巻いた正方形の米麺のクワイチャップではなく、やさしいうどんのような味わいのこれが、私は大好きです。
カフェオレ色のナーン川を渡る風。甘い中国ソーセージと甘い豚肉そぼろののった、カイガタと、
ゆっくり落ちるベトナム式コーヒー。練乳が混ざらないように、そっと上澄みだけ飲みました。
2年ぶりのクワイチャップ・ユアン。
米の麺ですが、クイッティアオとはまた違った食感です。
朝粥感覚で食べてみてください。
ナーン川には家船。レストランやバー、ゲストハウスに改造された家船もありますが、まだまだ実際に人が居住し生活されている、筏の家。メオダム情報によれば、なんと正式な住所もあるそうです。
お寺と空飛ぶ空心菜だけじゃない、ピサヌローク。少し遠いですが、北から南から足を運んでみてください。