H.I.S.Tours ピサヌローク支店
昨日に引き続き、ピサヌロークよりメオダムが投稿させていただきます。
ピサヌロークの桂林と呼ばれる(?)、ヌンマプラーン村の後編です。
ヌンマプラーン村は石灰岩のニョキニョキ山がたくさんあって、風光明媚な場所として、最近タイの人たちの間で注目が集まり始めています。
前回はそのニョキニョキを中心に書かせてもらいましたが、今回はワットムンというお寺中心に展開させていただきます。
ニョキニョキ山が多く見られるムン集落にはワットムン(ムン寺)という小さな集落には不似合いなほど大きなお寺があります。
ニョキニョキ山や切り立った断崖のすぐ麓にあるお寺で、洞窟がたくさんあるようです。
ムン集落はむかしのタイの田舎の風景がそのまま残っているようで、木造の高床式の家屋が多くて、実にいい雰囲気を醸し出しています。
観光客が来はじめているといっても、悪趣味な看板などなく、メオダムの好みにマッチしてます。
集落の中を流れる用水路に取り付けられた柵には、なにやらヘンテコな黒いオブジェが乗っかっています。
よく見るとコウモリのようです。
集落の入り口にもコウモリが乱舞するデザインがあったし、この集落はコウモリと関係があるようです。
日本人にはコウモリと聞くと、黒くて夜飛び回ったりして、あんまりよいイメージがないかもしれませんが、クロネコのメオダムとしては、何となく共通点があって、憎めない存在です。
子供のころにテレビで見た(紙芝居ではありません!)「黄金バット」もちょっと不気味だったけど、正義の味方だったし、近年ではバットマンだってヒットしたそうじゃないですか。
漢字でコウモリは「蝙蝠」と書き、中国語では「ビャンフー」と発音し「福に変わる」という意味の言葉に似ていて、縁起が良いとされています。
日本だって、今はENEOSと名前が変わった元の日本石油のマークは縁起を担いでコウモリをデザインでした。
少し日が陰ってきましたが、ワットムンに到着。
広い境内にはいくつもの建物が点在しています。
そして、断崖の山が迫っているのですが、その山の下を指して「〇〇洞窟」と書かれた看板があっち向き、こっち向きとたくさんあります。
つまり、洞窟がたくさんあるということなのでしょう。
洞窟は浅いものもあれば、どこまで続いているのかわからないくらい深いものもあります。
深いものはカンテラでもかざさなければ、とても潜れそうにありません。
スマホの懐中電灯機能では、とても光が届かなくて、メオダムは怖くて先へ進めませんでした。
洞窟は石灰岩の山に空いているものだから、鍾乳洞ということになるのでしょう。
洞窟の天井から蓮の花のツボミがぶら下がったような鍾乳石が垂れてきています。
洞窟の奥にも鍾乳石による天然の芸術品がたくさんあるのですが、いかんせんメオダムのスマホは旧式なので、暗いところでは、全く用をなしてくれません。
ようやく、まだ外からの光が届く範囲のところに、鍾乳石のいいものがありました。
これなんかは、ちょっと色を付けた光でも当てたら、神秘的に見えそうです。
そして、きっとなんか名前なんかも付けてもらえるのでしょう。
私だったら、なんて名前をつけようかな。
境内には洞窟だけでなく、本堂や礼拝堂などの建物も点在しています。
こちらの建物は随分と凝った作りになっています。
入り口の両脇を固めているのは、蓮の花に乗られたお釈迦様のようですが、妻側の上部にあるレリーフは緑色の身体で、手には剣やサスマタまで携えていて、お釈迦様には見えずヒンズーの神様みたいだけれど、お釈迦様の用心棒かもしれない。
こちらのレリーフは、間違いなく仏教画で、森の動物たち相手に説法をされるお釈迦様のようだけれど、色遣いがタイよりもラオスのルアンプラバーンあたりのお寺にありそうな感じである。
このレリーフに限らないけれど、このお寺の中のお釈迦様のお顔はどこかとぼけたような感じがする。
お釈迦様に対して、とぼけたなんて言ったら罰が当たるかもしれないけど、なんとなくマンガチックな印象は否めない。
ピサヌロークにいて、ふだんイケメンの仏像を見慣れているからなおさらそう感じるのかもしれない。
こちらの座禅仏は、なかなか整ったお顔立ちをされていらっしゃる。
後ろには涅槃仏もいらっしゃる。
境内のさらに奥へと進んでみる。
奥の方の絶壁との境目にも洞窟が大きく口を開けている。
絶壁の上の方にも洞穴が開いており、そのあたりから盛んに「チチチチ、チチチ、チチー」と音がする。
たぶんこれはコウモリの声なのだろう。
コウモリの糞尿が発するアンモニア臭も漂っている。
この絶壁の洞穴や、たくさんある洞窟にはきっとたくさんのコウモリが住み着いているのだろう。
お寺の入り口まで戻り、鐘楼の近くまで来たところで、お坊さんにあったので、この集落とコウモリの話を聞いてみる。
やはりここの洞窟には「無数のコウモリたちが住み着いており、日没と同時に、まるで暮れの空に濁流が流れるかのようにコウモリたちが飛び立っていくんだ」と教えてくれた。
「この鐘楼に6時ころ登ってみれば、きっとみられるよ」とも教えてくれた。
まだ、6時までは過去時間があるが、ちょっと鐘楼に登ってみる。
鐘楼の柱で、梁を支える形をしているのは、天使なのだろうか。
ちょっとセクシーな体つきで、敬虔なお坊さんを困らせたりしないのだろうか?
日没になると、この山の洞窟からコウモリが川のように流れ出てくるのか、、楽しみである。
しかし、まだしばらく時間があるので、ムン集落の中を散策してみる。
本格的な木造家屋と言うには、質素だけれど、こうした木造の高床式の民家がこうして集まっているだけでも、この集落は訪れてみる価値があると思う。
ただ、テレビのアンテナだけは、ちょっと見苦しいかな。
雑貨屋の前には子猫たち。
雑貨屋には食料品から農機具まで取り揃えて、都会とは品ぞろえの幅が違う。
これが台所で、大きな水がめに水をためて、洗い物もここでするのだろうか。
炊事仕事をするお母さんのとなりで女の子がしゃがんで見ている姿にジーンとしたものを感じてしまう。
黄昏時も迫ってきたので、そろそろワットムンの鐘楼へ戻ってみましょう。
時刻は夕方6時を回りました。
今か今かとコウモリの登場を待ちます。
お坊さんによれば、鐘楼の南側の空をコウモリたちが流れていくと教えてくれていたので、南側ばかり見ていたら、遠くからコウモリのチチチという声が聞こえる。
そして、横を振り向いたらば、西の空に向かって、弧を描くようにコウモリの集団が飛び去って行くのが見えた。
この写真でわかってもらえるでしょうか?
木の梢の先に弧を描いているのがコウモリの集団です。
なんだ、もう行ってしまったのか、大したことないなと思っていたら、また次の一波が、さっきの何倍かの規模で飛んでいくのが「肉眼」でははっきり見えたが、写真にははっきり写らなかった。
そして、南側の空を見たらすごいことになっていた。
これはまさしく濁流のようなものすごい流れが、それもジェット噴流の流れていく。
残念ながら写真ではほとんどお分かりいただけないのが残念なのだけれど、もしこれがビデオにでも撮れれば、その迫力たるやどれほどのものか、お伝えできるのにと、臍を噛む思いです。
コウモリたちは、ものすごい高速で飛びます。
打ち振るロープのように蛇行したりしながらも、流れがひたすら続きます。
ときどき、チチチと鳴き声が聞こえたりしますが、ほとんど音を立てません。
羽音さえ、さすかに聞こえるくらいです。
15分過ぎても、まだコウモリのストリームは続いているようですが、完全な暗闇となり、もう肉眼でも見えなくなってしまいました。
もし、高性能なカメラ機能をお持ちの方がいらしたら、是非写真やビデオに撮ってご紹介していただきたいと思います。
やがて、丸いお月様が顔を見せて、コウモリたちのパレードは終わったようです。
今年一年間、どうもありがとうございました。
また来年もよろしくお願いします。
みなさまに、福が訪れますように。
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