サワディーにゃお!
ピサヌローク支店のメオダムです。
皆様お元気でお過ごしでしょうか?
今日のお話は、ピサヌローク支店近くにある南市場(タラート・ターイ)に住み着いているネコさん一家のお話です。
大きなあくびをしているブチのネコは、本日のヒロインであるお母さんネコです。
名前も年齢も不詳です。
タイの市場では、たぶんどこでもそうなんじゃないかと思いますが、たくさんのネコたちが住み着いています。
南市場にも、市場のテナントで飼われているネコから、地域ネコ、捨てネコ、ノラと色んなネコがいます。
ネコたちは、市場周辺で適当に食べものにありつき、物陰などで昼寝をし、恋をして、そして子供を産み育てます。
ヒロインのお母さんネコは、茶色と黒のブチで、あんまり美人さんではありませんが、母性愛が強く、子育て上手。
ネコ社会では、このような女性がモテモテ条件のナンバー1のようです。
性格は、ヒトに媚びを売ってスリよってくるタイプではありません。
でも、ヒトを怖がったり、威嚇するようなこともなく、市場内の「一住民」としての地位を保っています。
お母さんネコの横で寝ている薄茶色のネコは、去年生まれた子供です。
男の子です。
ちょっと気が強くて、わがままで、美味しいものがあると独り占めしようとします。
お母さんネコが、何か美味しそうなものを食べていると、お母さんにまで手を挙げて、ネコパンチの乱打を喰らわして、横取りしてしまいます。
それでも、さすがは母性愛のお母さんネコ、食べ物は薄茶の息子に譲って、息子の背中をペロペロと舐めて、毛並みを整えてあげてやります。
この薄茶ネコは、男の子の双子兄弟で、もう一匹、色柄もそっくりな男の子がいます。
お父さんネコが、市場内のどのネコなのかは、よく分からないのですが、メオダムが見ていたところ、黒に一部白い部分があるヤクザ風ネコではないかと思っています。
このネコです。
眼つきと言い、雰囲気から漂うフテブテしさと言い、ヤクザの親分みたいな貫禄があります。
ネコ社会では、やっぱりちょっとワルでも、強い男が女性のあこがれるタイプなのでしょう。
このヤクザ風ネコ、コワモテを張ってはいますが、しかし、家族を守るタイプでもあるようです。
市場にある縁台の上で、親子が揃って昼寝をしている姿をよく見かけたものです。
さすが、男っぽくて、お母さんネコがホレこむのもわかる気がします。
薄茶色の子供もパパっ子のようです。
しかし、父親であるヤクザ風ネコ、女性関係で問題を起こします。
この手の男にまとわりついてくる女性たちというのは、ヒトの社会だけではなく、ネコの社会でもあるようです。
ある日暮れ時、ヤクザ風お父さんネコは、とうとう一線を越えてしまいました。
あんなにウチでは良き父親であったヤクザ風ネコも、こうして事を起こしてしまい、もうお母さんネコと一緒に暮らすことはできなくなってしまったようです。
息子の薄茶ネコは、お母さんが引き取り、ヤクザ風ネコは住み慣れた縁台を後にして、出ていくことになりました。
その後、市場周辺から一区画離れた古い商店の前で、一度だけメオダムはヤクザ風ネコを見かけたことがありますが、いまはどうしているのかわかりません。
このお母さんネコにも、しばらくしてまた新しい彼氏ができたようです。
こんどの彼氏は、ちょっとおとなしいタイプのネコですが、やはり黒いネコです。
お母さんネコの好きな男性タイプは黒いネコなのかもしれません。
新しい彼氏ネコ、体毛の艶も良くて、いいところボンボンなのかもしれません。
でもネコ社会では、お金持ちの家柄とかは、あんまり影響力を持っていないのかもしれません。
しばらく、お母さんネコの周りをくっ付いて回っていましたが、そのうち見かけなくなりました。
そして、また時が過ぎて、、
どうしてこうなったのかわからないのですが、去年の年末も近づいたころになって、お母さんネコのお腹が少し大きくなってきました。
オッパイも張ってきたかなと思っていたら、縁台の陰でなんと黒い仔猫を3匹も生んでいました。
でも、生まれた3匹のうち、1匹は生まれつき、あまり元気がなく、自分からはオッパイに吸い付いていかないようです。
結局、縁台の裏からお母さんネコと一緒に這い出してきたのは、黒い仔猫が2匹だけでした。
この2匹とも男の子のようです。
薄茶色のネコは、この黒い仔猫たちのお兄さんになります。
お兄さんとして、弟たちの面倒をしっかり見るべきなのでしょうけれど、どうもお兄さんは相変わらず、マイウェイな性格のようです。
それでも、仔猫たちはお兄さんをしたっているように見えます。
そのうちに、この黒い仔猫たちのお父さんと思われるネコも、縁台に姿を現すようになりました。
仔猫たちと同じような黒いネコです。
たぶん、このオスの黒ネコが、仔猫たちの父親なのでしょう。
性格はおっとり型です。
飼いネコではなく、市場に住み着いた地域ネコなのでしょう。
仔猫たちのお兄さん、つまりブチのお母さんネコの連れ子ということになる薄茶色のネコとの関係も悪くないようです。
これでもうネコのお母さんも安心。
子供たちもスクスクと育って、やがては巣立ち、市場のどこかで青春を謳歌していくのでしょう。
しかし、ネコのお母さんは、突然姿が見えなくなってしまいました。
子供たちを残したまま、もう1か月くらい音信不通です。
薄茶のお兄さんたち2匹、黒い子供たちも2匹、そして新しいお父さんである黒いネコは縁台の周辺にいつもたむろっているのに、お母さんの姿が見えません。
交通事故や伝染病で倒れてしまっていることが考えられます。
そして路上を徘徊する犬に噛まれて命を落としてしまうこともタイではよくあることです。
それとも、お母さんは、子供たちが健やかに育っていく姿を見届け、安心して、どこか遠くへ行ってしまったのでしょうか。
新しいお父さんネコ、お兄さんネコ、仔猫と、男ばかり3匹そろって昼寝しています。
お母さんネコが、いなくなってしまったというのに、男たちはノン気なものです。
でも、これがネコの社会なのでしょう。
ネコには記憶と言う過去はなく、未来を考えることもありません。
あるのは「今」という現在進行形のみ。
ピサヌローク、南市場の縁台では「今」を生きているネコたちがいます。