1966年にハワイ市議会に初めて提案されて以降、住民の反対や財政難などなかなか具現化しなかったハワイレイルトランジットプロジェクト(以下ハワイ高架鉄道計画と表記)ですが、長年の紆余曲折を経てなんと初提案から45年後の2011年2月22日よりようやく着工されました。予算が承認されたのは2005年でしたが、2008年のホノルル総選挙でもこの鉄道計画は大きな争点となりました。結局オアフ島の住民投票により53%の賛成を得て可決となりました。今回は工事開始より約5年後の進捗状況をお伝えします。
ハワイ高架鉄道のルートは下記の予定です。
HONOLULU RAIL TRANSIT WEB SITEより引用
2016年3月時点では①EAST KAPOLEI地点と②UH WEST OAHU地点の中間辺りから⑧PEARL RIDGE CENTER地点付近まで高架の建設が進んでおります。始発となるEAST KAPOLEIは駅の建物も出来ておりませんが駅が出来る予定の地区では商業施設を含めて開発が進められております。
①EAST KAPOLEI地点と②UH WEST OAHU地点の中間辺りから撮影
ここから手前に延びてカポレイ駅に繋げられる。
②UH WEST OAHU地区から③HOOPILI地区の間
③HOOPILI地区から④WEST LOCH地区へ
④WEST LOCH地区から⑤WAIHAHU TRANSIT SENTER地区の間
⑥LEEWARD COMMUNITY COLLEGE地区 ハワイ高架鉄道の拠点(操車場等)
詳細はハワイの鉄道 ホノルルレイルトランジット情報2016.03 ご参照ください
⑦PEARL HIGHLANDS地区から⑧PERL RODGE CNTER地区へ
橋脚を作る為の金型を埋めてる処
車両の模型写真
列車は最新のリニアではなくまた東京の「ゆりかもめ」の様はタイヤ式でもなく通常のレール式
但し「ゆりかもめ.」同様の無人走行。コンピユーター制御の完全自動化です。パンタグラフからではなく線路から電気を供給するシステムだそうです。
時速は最高55マイル(約88KM=H1フリーウエーの車速とほぼ同じ)ですが平均は30マイル(約48KM)
駅の完成予定模型
HART(HONOLULU AUTHORITY OF RAPID TRANSPORTATION=ホノルル高速鉄道輸送機構)によると試算当初の予算は52億ドル、カポレイからアロハスタジアムまでの区間は2017年開業、アロハスタジアムからアラモアナまでの区間は2019年に開業する見込みでスタートしたものの、既に予算不足も露呈し、更には一部区間ではいまだ鉄道を引くための土地の買収も出来ていないとの事で当初予定の期日までには完成しないだろうともいわれています。
オアフ島以外のハワイ州の島へ行かれた事のある方ならご存じでしょうがオアフ島の消費税(注1)は他の島より0.546%高いのです。(オアフ島は4.712% オアフ島以外の島は4.166%)
オアフ島も以前は他島と同様4.166%でしたが2007年1月1日より値上げされました。これは高架鉄道用の特定財源とする為で期間限定の予定でしたが、既に完成までの財源の不足や完成後の保守点検維持費に充てる為に税率は恒久的に上げたまましなければならないのではないかとも考えられております。
工事中にも関わらず、いっそ今工事を止めてしまった方が結果的に金を無駄にしないで済むなどという話もでておりますし、ハワイに住む人々は子供を車で学校へ送ってから出勤、退社後、子供を迎えに行ってから買い物をして帰宅するという生活は鉄道ではなく車でしかできないと考えてる人も多く、鉄道が完成してもどれほどの人たちが利用するのか疑問の声も多数上がっているようです。
果たしてこの先ハワイ高架鉄道計画はどうなっていくのか機会があればまたご紹介させていただきます。
(注意1) 正確にはハワイ州は消費税ではく売上税です。
OTTO@GR