サワディーカップ、メオダムです。

ピサヌローク市内にはいくつものホテルがあります。

その中で、もっともコストパフォーマンスが高いと思っていたホテルが、本日閉館してしまいました。アマリンナコーンホテルです。

ピサヌローク駅前にあって、エアコンもバスタブも、冷蔵庫もちゃんとあって、ゲストハウス並みの宿泊料で、日本人旅行者の方も良く宿泊されていました。

古いホテルで、部屋や廊下は薄暗かったりしましたが、シーツやタオルなどは純白で、よく選択されていて、まずまず快適な滞在ができました。

メオダムも去年は何度も宿泊させてもらっていました。

朝もコーヒーショップが解放されて、セルフサービスでコーヒーやビスケットをいただくことができました。

今から30年ほど前、ピサヌローク市内でホテルと言ったら、このアマリンナコーンホテルとパイリンピサヌロークホテルくらいでした。

パイリンピサヌロークホテルは今でも改装するなどしながら営業しています。

いまさら紹介しても何の役にも立たないかもしれませんが、昨晩このホテルの最後の宿泊客になってみましたので、写真を添えてご案内してみます。

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11階建ての大きなホテルです。

部屋数も多く、大人数を収容できるセミナールームなどもありました。

しかし、去年あたりから客室は8階と9階くらいしか使われておらず、夜もほとんど部屋の明かりが見えない状態でした。

窓枠もアルミサッシではなく、木製で「昔のホテル」を感じさせます。

プールなどもありませんし、レストランも営業しているのかしていないのかわからないような状態でした。

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レセプションはかつての老舗ホテルを感じされる世界各地の時刻をアナログ時計が示していますが、その時計の分針も時刻がマチマチになっています。

かつては街を代表するホテルとして、外国からのビジネスマンの利用もあったのでしょう。

電気代の節約のためか、レセプションやロビー周辺にはエアコンがは入っていません。

キャッシャーでは外貨からの両替サービスも行っていませんが、クレジットカードはちゃんと使えます。

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エレベーターは2基あって、きちんと動いています。

エレベーターの両脇には木製のガラス棚があって、陶器などの置物が展示されていますが、説明書きもなく、何のために飾られているのかよくわかりません。

彫刻の施された掛け時計もアンティーク感がいっぱいです。

ここまで来るとヨーロッパの古いホテルのような感じがします。

これでエレベーターの扉が手動式、階数表示が半円形に針がさすようだったら、ビンテージホテル感満載で、涙まで出てきてしまうのですが、エレベーターはただの旧型です。

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部屋はシングルベッドが二台並ぶツインルーム。

このホテルはダブルベッドの部屋よりもツインベッドの部屋の方が多いのは、タイの役所や企業がよくセミナーで利用していたからでしょう。

シーツやタオルは真っ白で、安いホテルにありがちないつ選択したかわからないような柄物ではありません。

床はだいぶくたびれたカーペットですが、掃除はちゃんとしてあります。

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薄型テレビもあれば、部屋にはWiFiも飛んでます。

テレビの台の下にはグラス類があって、扉を開くと冷蔵庫です。

椅子と小さなテーブル、鏡台もあります。

くたびれているとはいえ、格式あるホテルとしての体裁は何とか保っています。

家具も古くても、最近の安ホテルにありがちなディスカウントストアで売っているような安物の家具ではありません。

壁にはゾウが森で働いている様子を描いたレリーフもかかっています。

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洗面所はもう少しメンテナンスしてあっても良さそうな気もしますが、アメニティーはシャンプーとバスジェルのみ。

写真には写っていませんが、大きなバスタブもあり、熱い湯がふんだんに出ます。

このレベルの宿でバスタブに熱い湯をためて入れるのは、なかなか他にはありません。

でも、バスタブも清掃はしっかりしてあり浴槽のふちに垢がこびりついているようなことはありませんが、傷は目立ち、錆が浮いたり、タイルも割れていたりします。


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クローゼットもしっかりしたものがあり、ハンガーは数年前にクローズして現在マリオットマーキースになっているインペリアルクイーンズパークのハンガーが流用されていました。

同じオーナーのホテルですから、こうした使い道もあるのでしょう。

これなども安ホテルのプラスチック製ハンガーなんかと比べて、古くてもしっかりしていますし、ジャケット掛け(スーツスタンド)も別にしっかりしたものがあります。

同じオーナーと書きましたが、ここのオーナーはゾウが描かれた緑色のラベルのビールで知られるビアチャーンを系列に持つ大財閥TCCグループで、タイだけではなく世界中の高級ホテルを所有しています。

ピサヌロークにはもう一軒、同じ系列のホテルでアマリンラグーンホテルというホテルがあり、かつて秋篠宮殿下がナマズ研究でピサヌロークへいらしたときの定宿でした。

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秋篠宮殿下はかつてタイのメコンウイスキーをお好みになられたとお話になられていましたが、メコンウイスキーもTCCグループの一つです。

殿下もピサヌロークでメコンのソーダ割りなんかを楽しまれたのでしょうか?

昔はメコンと言えは安酒でしたが、今では輸入洋酒並みの高級酒になってしまいメオダムなどはおいそれと飲めなくなってしまいました。

アマリンラグーンホテルは現在も健在ですが、7月には改装工事が完了して、インペリアル・ピサヌローク・アンド・コンベンションセンターと言うたいそうな名前のホテルに改称するそうです。

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朝はこのロビー奥にあるコーヒーショップで無料のコーヒーとビスケットのサービスがあります。

セルフサービスでコーヒーもインスタントではありますが、うれしいサービスです。

このホテルの最後の晩ではありましたが、ほとんど宿泊客はなかったようで、このコーヒーショップを利用している人は誰もおらず、誰も見ていないテレビが勝手にタイ語をのべつ幕なししゃべり続けていました。

聾唖のスタッフはたぶん最後の客である私のために、冷たい氷入りの水を用意してくれました。


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がらんとしたコーヒーショップの静寂を破るのはテレビだけ。

タイのローカルホテルやレストランでは、食事時にテレビをつけるのはサービスと心得ている節があります。

メオダムはふだんからテレビを見ないので、できれば静かにインスタントコーヒーを飲みたいのですが、それを聾唖のスタッフに伝えるのは、ちょっと難しい。

しかし、彼はちゃんと仕事をしていてテーブルクロスもきれいで、ピシッとしています。

最後まで良い仕事をしてくれているようです。

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このコーヒーとビスケットをいただいたらチェックアウトをします。

ここの従業員に、このあと系列のホテルへ移るのかと尋ねたらば、半年間の給料補償を受けて解雇になるそうです。

ピサヌロークは田舎町なので、なかなか仕事を捜すのは大変です。

でもみんな悲壮感はなく、給与補償が楽しみと言った感じで明るく話してくれました。

さようなら、アマリン・ナコーンホテル。

また新しいホテルになって戻ってきたらば、仲よくしよう。

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