サワディーカップ
ピサヌローク支店のメオダムです。
今年は新型コロナ・ウイルスの影響で、タイでも様々な行事が中止になったり、延期になったりしています。
タイでは、もう一か月以上も国内感染者が出ていないということで、感染予防のための規制もだいぶ緩和されてきてますが、それでもまだ大勢の人が集まるようなイベントは自粛が求められています。
本日のお話はピーターコン祭りです。
ピーターコンとは、ピサヌロークから150kmほど、東北へ向かったルーイ県ダンサイ村で行われている奇祭です。
毎年6月から7月にかけて、村人たちがオバケに扮して、踊ったり、村の中を練り歩いたりするお祭りがおこなわれてきました。
オバケに扮する村人は、地元の人たちの主食であるもち米を蒸かすザルで作ったおどろおどろしいお面をかぶり、奇抜なスタイルをします。
その祭りの日付は、オバケの気分次第で決まるそうで、以前は間際までいつ行われるかはっきりしませんでしたが、最近は地元の観光振興にオバケたちも協力的で、数か月前には預言者に日付を伝えてくれるようになったようです。しかも、ちゃんと週末に行われています。
しかし、今年は年明けにオバケたちより「6月27-28日にピーターコン祭りをやるよ」とお告げがあったものの、オバケには感染しないと思われる新型コロナ・ウイルスの関係で、先月末に村役場より「今年の祭りは中止する」との発表がありました。
メオダムも「ピーターコン祭り」を楽しみに行くツアーを準備していたのですが、あえなく「没」っしてしまいました。
ツアーは中止になり、村でも祭りの開催を中止したと言っても、それは人間社会でのことで、本来オバケには関係ないことです。
きっと、「オバケたちは村の中を徘徊しているはず」と考えて、メオダムは土曜日にダンサイ村へ行ってきました。
例年なら世界中から奇祭を見ようとたくさんの観光客が押しかけて来るのですが、今年の村は静まり返っています。
でも、オバケ、いましたよ。
村の中を歩いている姿も目撃したし、お寺の中では村人と一緒に踊ったりしていました。
お寺の中では、ケーンと呼ばれる雅楽で使われる邦楽器の「笙」に似た楽器を吹き鳴らし、白装束の村人たちが踊っています。
オバケも一緒に踊っています。
踊っている女性は、フェイス・シールドを付けてますが、オバケはマスクも付けていません。
例年に比べて、観光客はほとんどいませんし、オバケの数も少ないのですが、なんとなく観光目的で俗化してしまう前の素朴な「オバケ祭り」とは、こんなものだったのではないかと思いました。
村人が熱心に拝んでいるのは、仏像ではなく、花をレースのように飾った木片のようです。
きっと村に伝わる何かのご聖体なんでしょうね。
全体として静かなお祭りでしたが、お寺の前の通りで大きな音楽が響いてきました。
何事かと思ったら、ピックアップトラックに大きなスピーカーを積み込んで、小さなオバケのパレードでした。
村でのイベントは中止になっても、有志かなんかで、自主的にでもオバケパレードをしなくては気が済まないオバケも中にはいるのでしょう。
白いお面のオバケの額には"Asahi"と、日本のビールメーカーのロゴが付いているけど、協賛でもしているのかな?
オバケたち、とってもお茶目です。
きっと来年は盛大なパレードが復活することでしょう。
こんなピーターコン祭りでしたけれど、素朴な村祭りで、ほのぼのとしてピサヌロークから足伸ばして言ってきてよかったと思っています。
去年までの様子はメオダムクラブのページの中で、少し紹介しています。
http://www.meodam.club/ss_spot.php#NCA
来年はちゃんとツアーを組んで、お手軽にお楽しみいただけるようにするつもりです。