サワディーカップ、ピサヌロークのメオダムです。
今回もまたタイ東北部、イサーン地方のそのまた東北のはずれにありますブンカーン県の絶景ポイントをご紹介します。
「クジラ岩」って聞いたことありますか?
タイ語では、ヒン・サーム・ワン(หินสามวาฬ)と言います。
タイ語での意味は、「3頭のクジラの岩」ということになります。
このクジラ岩はプー・シン(=獅子山)という山の中にあります。
ブンカーンの街から、車で30分ほど。
ウドンタニからだと200kmほどの距離があって、3時間以上かかります。
ブンカーン周辺は何千万年も昔、メコン川の浸食によって削られた砂岩の巨大な岩山が点在しています。
このクジラ岩もそうしてできたものと考えられていますが、果てしなく巨大な岩山です。
岩山全体は森に覆われていますが、あちこちに岩肌が露出しており、またその岩がまさに奇岩なんです。
変わった形の岩なら、世界中にたくさんあって、サル岩だの、ライオン岩だので珍しくもないでしょう。
クジラ岩だって、「まぁ、そんなクジラに似た岩だってあるだろう」と思われてしまうかもしれませんが、ここのクジラ岩は岩の形がクジラに似ているから凄いのではなく、その超巨大なクジラの背に立つことができるんです。
そして、その背に立つと絶景と言えるような景観が広がっているのを眺められるんです。
では、前置きが長くなりましたが、クジラ岩へご案内してまいりましょう。
プーシン森林保護区の北側がクジラ岩へのゲートウェイとなっています。
森林保護区内での移動には、専用のトラックを雇うことになります。
日本では考えられないことですが、タイではトラックをバスのように使うのは日常茶飯事で、小型トラックの荷台に乗り込みます。
10人まで乗れるということですから、ミニバスですね。
このトラックで山道を登っていきます。
道は最初の部分こそ舗装されていますが、すぐに未舗装の土の道となります。
乾季まっ最中の今、トラックが走ると猛然と土煙が上がります。
ときどき山から下りてくるトラックに出くわします。
狭い道なので、どちらかが道の端に避けて、やり過ごします。
そんなとき対向車が巻き上げた土埃を浴びてしまうかもしれませんから、帽子をかぶるとかスカーフなどでほっかむりするとかした方が良いかもしれません。
そうして20分くらい走った、一番奥にクジラ岩があります。
これがクジラ岩への入り口です。
ここを抜けて100メートルほど先に行くと、クジラの背に出ます。
3頭のクジラと言うのは、クジラのような岩が三つのあるからで、一番大きいのが「おとうさんクジラ」。
そして、それより小ぶりなのが「お母さんクジラ」で、一番小さいのが「こどもクジラ」と言うことらしいです。
最初は「おとうさんクジラ」。
森の中を抜けたところで、突然視界が開けます。
ちょうど、クジラの尻尾の方からアプローチしてきて、クジラが潮吹きのために水面に背中を出したような感じで、ドーンと背中の上に立っていることを実感できます。
クジラの背は比較的平らで、起伏はほとんどありません。
そのため、クジラ岩の側面は断崖になっています。
転落防止のための柵などはなく、「これ以上先は危険、出るな」と地下鉄のホームのように、黄色い破線が足元に引かれています。
もちろん、そんな感じですから、端の方へ行くと足がすくんでしまいます。
とにかく、眺望はとても良いのですが、とても高い場所なので、パラシュートでも背負わないと、怖くてクジラの背の端には近づけません。
「この先、落ちたら死ぬぞ、早まるな」とどこかから声が聞こえてきそうだけど、それでもちょっと下を覗いてみたい好奇心は抑えられません。
抜き足、差し足、忍び足で前進を試みます。
あぁ、もうこれ以上ダメ、ムリ、、、ほふく前進しかないか。
そんなへっぴり腰のメオダムをしり目に、タイ人観光客たちは記念撮影に大忙しの模様です。
ジャンプをしてみたりバンザイしてみたり、様々なポーズを決めています。
みなさんラインダンスよろしく一列に並び、片足上げて、ハイポーズ。
「お父さんクジラ」と並行して並ぶ「お母さんクジラ」の背中から、お父さんクジラの上でポーズを決めてる仲間の写真を撮るのも人気のようです。
二頭のクジラの間隔は30メートルくらいでしょうか、お母さんクジラの方が少し前を泳いでいる感じです。
ここでドローンでも飛ばして、上空から写真撮ったら面白い写真が取れそうだと思うのは私だけではないようで、ウーーーンという唸り声が響いてドローンが飛んでいました。
観光客がたくさん集まっているところなんで、ちょっと危険かなとも思いましたが、飛ばしたい心理には勝てなかったのでしょう。
で、メオダムもドローンを飛ばしたい心理に勝てそうもないけれど、そもそもドローンなんて持っていないし。
でも、このブログにもクジラ岩の上空から撮影した写真入れたいし、、、ということで安直にGoogle Mapの衛星写真を貼り付けてみることにしました。
一番右側がお父さん、順番にお母さんクジラとこどもクジラです。
クジラが泳いでいるように見えますか?
お母さんクジラは、上から見るとちょっとメタボっぽいかな。
このクジラたち、額の部分が角ばっているからマッコウクジラでしょうか?
それにしても、こんな危なっかしい場所が人気になるんですね。
落ちる人とかはいないのでしょうか?
例えば、雨の日とか、風の強い日とか、、。
背中に乗れるクジラは「お父さんクジラ」と「お母さんクジラ」だけで、「子供のクジラ」には乗れません。
これが「こどもクジラ」です。
まだ子供だから背中に乗せないのかとも思えますが、またところ、背中の形状が両親と違って平らになっていません。
背中に丸みがあるから、乗ると滑って落ちやすいからかもしれません。
それに、頭の方は樹海と言う緑の海の中に半分突っ込んだ形になっているので、仮に背中に乗っても、眺望はあまり期待できそうにありません。
このクジラの背中は背中に乗れる人数が制限されています。
たとえば「お母さんクジラ」の場合は50人までくなっています。
これは新型コロナウイルスの感染症対策で三密を避けるためだからなのでしょうか?
それとも、制限しないと過密になって、クジラ岩から落ちる人が出るからでしょうか?
まさか、50人以上だとクジラも重くて耐えられないなんてことはないでしょうね。
以上がクジラ岩なのですが、ここのトラックはクジラ岩以外にも、「ゾウ岩」とか「門岩」とや「百の穴が開いた岩」などへも案内してくれます。
しかし、やっぱりクジラが一番人気。
あー、タイだしぃ、ありがちだよねって感じで、これが「ゾウ岩」です。
確かにゾウに見えますが、「ゴリラ岩だよ」って言われたら、なるほどぉと思ってしまいそうです。
これが「門岩」。
巨大な二つの岩が、門のように並んでいます。
はい、まぁ、それだけなんです。
「百の穴が開いた岩」です。
大きな岩の表面に大小さまざまなサイズの丸い穴がたくさん開いています。
で、ここには転落防止のための柵がありました。
穴でつまづいて転落する可能性があるんでしょうね。
しかし、どこから見ても、周りは大平原(ゴムのプランテーション)。
地平線がくっきり見えます。
こんな真っ平らな地平線を見ていると、本当のところ地球は丸くないんじゃないか?
あの地平線の端のところは、クジラ岩とおんなじで超巨大な崖になっているんじゃないのかと思われてきます。
およそ2時間ほどのプーシン、ヒンサームワンのツアーでした。
メオダムは、ずいぶんと写真をいっぱい撮ってしまいました。
だって、あまりにも絶景ばかり、迫力ありすぎ。
でも、これらも3Dとかで立体的に写せればいいのですが、大迫力の景観も写真だと平面的で迫力が伝わりにくいですね。
やっぱり、みなさん実際にブンカーンまで来て体験してみてください。
メオダムたちは、そのお手伝いとして、ツアーをご用意しております。
大注目ブンカーンのクジラ岩と絶叫寺院!?北イサーン絶景ツアー1泊2日
このツアー、2月までならタレーブアデーンの「紅い睡蓮の湖」にも立ち寄りますよ。
メオダムからはこれが今年最後のブログになるかと思います。
1年間お世話になりました。
また、来年もよろしくお願いいたします。
良いお年を!