サワディーにゃお!
ピサヌローク支店のメオダムです。
3月も半ばとなり、もう夏本番です。
気温はどんどんと上がって、連日最高気温は35℃を越えるようになってきました。
たぶん、近日中に40℃まで行きそうです。
本日ご案内するのはブンボーラペットというナコンサワン県にある湖沼です。
淡水の湖沼としてはタイ最大と言われています。
この写真は6年前に撮影したものですが、小舟を雇って湖の中を進むと、たくさんの水鳥たちがいて、水面には薄桃色の蓮の花が咲いていました。
なかなか景色も良かったので、再訪してみたのですが、、、。
前回雇ったような小舟は見つからず、10人くらい乗れる遊覧ボートを借り上げました。
剥き出しのトラックの中古エンジンの先にスクリューを取り付けたボートで出発です。
このブンボーラペット、渡り鳥の越冬地として有名だし、タイではこの湖にしかいない鳥や魚も多いそうなんだけれど、メオダム鳥の名前には疎いし、茶色い水の中など、全く見えないのでどんな魚がいるのかも分からない。
しかし、前回来た時はとにかく自然が豊かで、静かで、楽しい舟遊びを体験できた印象が残っている。
タイも水辺と湿地保全の国際条約であるラムサール条約に加盟しているし、このブンボーラペットも条約のリストにノミネートされているという。
2000年には、タイ政府によって国際的に重要な湿地に指定されましたはずなんだけれど、どうも様子がおかしい。
ダンプカーが走り回り、干拓工事の真っただ中の様相。
メオダムが乗った遊覧ボートも干拓で埋め立てられつつある湖の中を、エンジン音を響かせながら、進んでいく。
しかし、進んでも進んでも、重機が視界から消えない。
埋めるだけではなく、水底の掘り起こしなどもしている。
とんでもない自然破壊ではないかとメオダムは悲しくなってくる。
この黄色い船は、水底から土砂を吸い上げて、船の後ろにつながったパイプを使って土砂を水ごと送り出して島を造成していた。
パイプから噴出される土砂。
こうして島がどんどん拡張されていく。
こんな光景は、6年前には見られなかった。
こうして埋め立てていたら、タイ最大の淡水湖沼もランクを落としてしまうのではないだろうか。
それでも、このブンボーラペットには、ここで魚を獲って暮らしている漁師たちがいる。
大きな重機とは対照的な、蘆のような小舟で網を引いている。
ブンボーラペットで暮らしているのは漁師だけではなく、水辺の生き物たちも、生活環境が狭められながらも、生きている。
この写真はカワウだと思います。
長良川の鵜飼いで活躍する鵜なんですけど、ここでは野生です。
こちらはコウノトリ。
日本では珍しいコウノトリですが、タイではありきたりの鳥で、バンコク近郊でも空を怪鳥のように悠々と飛んでいる姿を見かけます。
鳥たちだけではなく、蓮も咲いています。薄桃色の花を咲かせています。
船頭さんが、蓮を一輪手折ってくれました。
仏教国タイには蓮の花は良く似合います。
白い蓮よりも薄桃色の蓮が好まれるのか、ちょっと艶めかしい色に感じますけど、きらびやかなタイのお寺で仏前にお供えするには、このくらいの色の方が良いのでしょう。
ブンボーラペットはピサヌロークを流れるナーン川が、チェンマイから流れてくるピン川と合流する地点の手前に位置しています。
雨期など川の水量が多い時には川からブンボーラペットへ水が流れ込み、乾季で川の水量が減るとブーンボーラペットから水が川へ流れだします。
そのため季節によってブーンボーラペットは大きくなったり、小さくなったりします。
岸辺に這い上がってきたのは、ミズオオトカゲです。
体長が2メートルくらいにもなる巨大なトカゲですが、これもタイでは珍しくなく、ピサヌロークでも水辺ではよく見かけますし、バンコクでも公園の池に棲んでいたりします。
タイの人たちは、このトカゲは縁起が良いと言ってイジメないそうです。
こんな大きなトカゲを見慣れていない日本人だったら、ワニが出没したと勘違いしてびっくりするかもしれませんね。
でも、ブーンボーラペット、環境破壊が進んでいるけど、それでも大きな湖沼だけあって、まだまだワイルドな部分が残っているようです。
遊覧ボートの上から、干拓で狭められた水路から、泥の岸辺を眺めていたら、本物のワイルダーがいました。
ホンモノのワニです。
大きさは1メートル少々くらいですが、野生のワニです。
まだタイにも野生のワニがいるんですね。
メオダム、興奮してしまいました。
ワニはボートのエンジン音に驚いたのか、そのまま濁った水の中に飛び込んでしまいました。
船頭さんによれば、まだ何匹か生息していて、この間は4メートルくらいあるのが大口開いて昼寝をしていたそうです。
でも、このまま干拓工事が進んで行ったら、ワニも絶滅してしまうかもしれませんね。
2時間近くの湖上遊覧でしたが、以前のような美しい景色はあまり見られなかったけれど、メオダムは野生のワニを目撃できただけで満足してしまいました。
ボートの代金は600バーツ。