サワディーにゃお!
ピサヌローク支店のメオダムです。
オリンピック、日本選手なかなか活躍してますね。
タイの田舎町にいるとオリンピックがとても遠い世界のように感じます。
タイ人の選手もメダルをとったりして、活躍してるのに、田舎の人の関心は今一つのようです。
そんな田舎のピサヌロークですが、それでもこの地方での中心都市ということになっています。
街の中心部には華僑系の人たちが多く住んで、経済活動を担っています。
これら華僑系の人たちも、この地へ移民してきて何世代ともなり、すっかりタイ人化してしまっていますが、それでも食べ物にうるさい中国人の血が流れているのか、タイ料理とはちょっと異なる彼らの味をピサヌロークでも楽しむことができます。
日本のラーメン屋や中華料理店の味ともちょっと違った、華僑たちの家庭料理といった感じの食べ物です。
本日ご紹介しますのは、メオダムの好物でもある"ゴイシーミー(โกยซีหมี่)"です。
たぶん漢字で書くと"鷄絲麵"となるのだと思いますが、台湾あたりで"鷄絲麵"というとたぶんスープ入りの"トリそば"のイメージになってしまうかと思いますが、タイの場合は汁そばではなく、焼きそばです。
それも餡かけ焼きそば。
たっぷりの餡には、鶏肉の細切り、タケノコ、ワケギなどが入っています。
メオダムはこれに唐辛子少々とちょっと甘みのある中国式の黒酢を垂らしていただくのが大好きです。
上の写真は、ピサヌロークよりバンコクへ130キロほど下ったところにある、やはり華僑の街として有名なナコンサワンの食堂で食べた時のモノです。
ゴイシーミーを提供している食堂は、基本的に中国料理系の食堂です。
このゴイシーミーによく似た餡かけヌードルとして、タイではラートナー(ราดหน้า)というクイティアオという米から作ったヌードルの餡かけ焼きそばがあります。
このラートナーの方がゴイシーミーよりもタイ料理化が進んでいて、タイ料理食堂でも食べられることが多いです。
ピサヌローク支店のすぐ近くにある中国料理食堂があります。
※ラーン・スンハフアト(ร้าน ซุ่นฮะฮวด=順合発)
この食堂は、飲茶を中心にしたメニューを出しているのですが、ゴイシーミーも食べることができます。
飲茶は潮州風の点心が中心です。
蒸し物が中心で、揚げ物はあまりありません。
そういえば、香港で観光ツアーに参加して、昼食の飲茶の締めには、たいてい餡かけ焼きそばかチャーハンが出てきていたような気がしますから、飲茶とゴイシーミーの愛称は良いのかもしれません。
そして、下の写真がこの中国料理食堂のゴイシーミーです。
具材の色どりが綺麗です。
エビとニンジンの赤、
ヤングコーンの黄色、
シイタケの黒、
パクチー(香菜)の緑、
餡はグレイビーだけど、色は薄くて上品です。
エノキも歯ざわりよく、食べてて楽しい一皿でした。
お値段はちょっと高めで70バーツ(250円くらい)ですが、それだけの値打ちはしっかりあります。
次にご紹介するのは、ぐっと庶民的な食堂で提供しているゴイシーミーです。
先に紹介したゴイシーミーと比べると、彩が単色で、華やかさがありません。
視覚的には、今ひとつ残念。
パクチーの葉でもパラリと乗せてくれるだけで、イメージも変わると思うのですが、、。
こちらのお店は、ピサヌロークの新市街ともいえる場所に位置して、やはり飲茶を中心にした食堂です。
しかし、エアコンもない開放的な食堂で、店先に点心の入った蒸籠を積み上げてるような店です。
飲茶の価格も良心的で、蒸籠はひとつ25バーツ(約90円)で、どれも手作りで美味しそうです。
店内で食べる人以外にも、デリバリーの注文が次々に入ってきています。
※ヌアン・シー・ポーチャナ(นวลศรีโภชนา)
漢字での店名もありそうな気がするのですが、店内を見回しても見つけられませんでした。
ポーチャナと言うのは「食堂」といった意味のタイ語ですが、食堂を意味するタイ語には何種類かありまして、その中でもポーチャナと言うのは、日本語のニュアンスだと「料理店」といった感じで、ちょっと美味しいものを食べさせる店と言ったイメージがメオダムにはあります。
シーと言うのは「吉祥な」といった感じの縁起の良い言葉で、中国系の人たちが好きそうな言葉ですね。
で、ヌアンですが、メオダムの知らない単語だったので、辞書(簡約タイ語辞典松山納著/大学書林)を引いてみると"นวล nuan [名]淡黄色、クリーム色 [修]①クリーム色の、柔らかい色の ②清らかな、明るい、美しい、純潔な、潤いのある、、、"となっています。
確かに、ここのゴイシーミーは淡黄色っぽいかな?
少なくとも色使いに派手さは感じません。
しかし、餡の下に隠れている麵は、濃い茶色をしています。
焦げ付かないように、中華鍋でまんべんなく焼き色を付けてあります。
平打ち麺で、太さに若干のばらつきがあるので、自家製麺なのかもしれません。
麵の色は濃いのですが、平打ちのちぢれ面が餡と良く絡んで、しつこさは感じず、陰陽のある食感を演出してます。
餡の具材は、鶏肉り細切り、タケノコ、フクロダケで構成されていますが、タケノコと鶏肉は太さと長さが均一にそろえられており、タケノコのサクサクした歯ざわり、弾力のある鶏肉と、こちらも陰陽があるようです。
さらにシャリシャリとした食感もあり、シャリシャリに続いてちょっと香ばしさも感じます。
なにかが隠されていそうだと思って、餡の中をつついてみたらば、、、、
このレンゲに乗っているのがシャリシャリの正体です。
はて、これはいったい何だろうかと店の人に聞いてみたらば「黄ニラ」だそうです。
これも太さと長さをそろえてあり、なかなかいい仕事をしています。
いやはや、見た目の第一印象とは異なり、なかなかの逸品でした。
これでお値段50バーツ(約180円)
最後にご紹介するのは、ピサヌロークの一般的大衆食堂でのゴイシーミーです。
トタン屋根、吹き抜けの壁、飾りっけまるでなし。
ピサヌロークの大衆食堂の典型のような店で、店名はメーン・ラートナー(เม่นราดหน้า)と言います。
メーンとは「ヤマアラシ」と言った意味だったと思います。
たぶん、ここのオーナーのあだ名なんでしょう。
ラートナーは先に紹介した米粉のヌードル、クイティオの餡かけウドンです。
店内の感じも、超ローカル。
ヌードルだけではなく、ガパオライスなどもメニューに載せています。
飲物の入った冷蔵庫の上に掲げられたボードには「クノールと化学調味料は入れてません」と書かれてあります。
クノールと言うのは、スープの素のことでしょう。
タイの食堂では、スープを粉末や固形のインスタントで済ませてしまうケースがよくありますし、どこの店も大量のアジノモトを使っています。
この店は、そうしたものを使っていないということを宣言しているタイでは珍しい店のようです。
では、さっそくゴイシーミーを注文してみましょう。
ここのゴイシーミーは、前出の麺と違ってタイでミークロープと呼ばれる「揚げ焼きそば」を使っています。
しかも、餡かけではなく、緬が餡の上に乗っかっています。
餡の色は少し濃いめの茶色。
鶏肉は細切りと言うより、ちょっと大きめにスライスした感じ。
タケノコもメンマと同じくらいのサイズになっています。
いえ、よくよく見てみますと、タケノコは二種類が入っているようです。
メンマみたいなものと、モヤシのように細いものも。
キノコは黒いキクラゲが刻まれてます。
緑色のニラとワケギも。
カリカリの「揚げ焼きそば」も食べていくうちに、餡がしみ込んでフニャフニャの食感に変化していきます。
餡の味付けはしっかりしており、またたっぷりのボリュームがあったものですから、メオダムはライスも追加注文して、丼に残った案の中に投入。
なんとなく中華丼みたいな感じになりました。
こちらのゴイシーミーもお値段50バーツ(約180円)でした。
以上、ピサヌロークのゴイシーミーを食べ歩いてみましたが、どの店も個性があって、美味しかったです。
明日もしまたゴイシーミーを食べるとしたら、二番目のヌアン・シー・ポーチャナかな。
ピサヌロークでは、他にもゴイシーミーを食べさせてくれる食堂があります。
トップランドホテルの地下にある中華レストランで北京ダックを注文すると、皮を剥いだアヒルのローストを使ったゴイシーミーを作ってくれます。
これもとっても美味しいです。