サワディーにゃお

ピサヌローク支店のメオダムです。

今日はピサヌロークの隣町(隣県)ピチットへのショートトリップをご紹介します。

ピサヌローク県の南にはピチットという小さな県があります。

ピサヌロークと同じようにナーン川が流れており、昔から川を使た物流が盛んにおこなわれてきたところです。

ちょっと時間があったので、ピサヌロークからフラリとピチットまで鉄道に乗って出かけてみました。

ピチットには町中に湖のように大きな池があり、水族館もあるということなのでそこへも行ってみたいと思っていたのですが、実はピチットでの滞在時間は1時間ほどしかなくて、町の見どころらしいところはほとんど見れていません。

それと言うのも、乗ろうと思って買った切符の列車が2時間以上も遅れてんです。

列車に乗ってしまえば1時間足らずの距離なのに、ピサヌローク駅のホームで長い時間待たされました。

日本の電車と違って頻繁な運行なんてしてないんです。

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ようやく乗り込んだ列車の車内はこんな感じ。

なんだか昭和30年代の客車みたいな感じですよね。

それもそのはずで、今から半世紀も前に日本で作られた車両なんです。

列車が遅れたので、そろそろお昼時になりました。

ちょうど車内販売で弁当を売っていましたのでひとつ購入。

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これで20バーツですから、日本円で70円ほどと随分とお値打ち価格でした。

 

ピチット駅はピチット県の県庁所在地ピチット市街とはナーン川を挟んだ対岸にあります。

県庁所在地の駅ではありますが、小さな駅です。

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駅舎はイギリスの田舎町にでもありそうな風格のある建物です。

日本の駅とはちょっとイメージが違いますね。

日に数本しか列車が来ないので、駅前ものどかなもので、駅前商店街みたいなものさえありません。

でも、駅のはずれにちょっとした公園がありました。

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公園の名前は"チャラワン・ステーション(Chalawan Station)"となっています。

チャラワンはピチット県に伝わる民話に出てくるワニの名前です。

この民話の主人公は悪いワニを退治する「クライトーン」という青年なのですが、どうしたわけかタイでは、悪役のチャラワンの方が人気があり、「ピチットと言えばチャラワン」といった感じになっています。

で、この公園には枝を広げた大きな木が何本もあり、そのな大木を結ぶように橋がかけられています。

ちょうど木の幹を結んで、中空に歩道が伸びいてる感じです。

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たぶん、インスタスポットになることをもくろんで作られたものなんだろうと思います。

最近、タイではこの手の空中歩道があちこちに作られておりスカイウォークなどと呼ばれています。

せっかくだから、橋の上にちょっとしたアートを感じさせるオブジェなど配置すれば、もうちょっと雰囲気もアップしそうなのに、残念です。

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駅前からはこんな細い道が100メートルくらい続いています。

駅前通りと言うよりも、裏通りみたいな感じの道ですが、この道が市街地へつながっているんです。

その市街地へは大きな吊り橋を渡っていくことになります。

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自動車で吊り橋を渡ることは禁止されていますがオートバイはふつう橋を渡っていきます。

橋のたもとの赤い看板は「各種車両は橋の通行禁止」と書かれています。

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吊り橋の下を流れるナーン川です。

川の色はミルクコーヒーみたいです。

川岸は植物が茂り、まだまだ自然が豊かなことを感じさせます。

昔はバンコクやアユタヤから船が通っていたそうです。

今から150年前には当時のタイ国王ラーマ5世が蒸気船でバンコクから行幸されています。

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川面を眺めていたら1メートル以上もある大きな生物がクネクネと泳いでいきます。

チャラワンの民話の世界でワニのことが頭に残っているので、一瞬「ワニか!」と思いましたけれど、ワニとよく似ていますが、ワニよりかは口が小さくて、これはオオミズトカゲと呼ばれる巨大なトカゲです。

タイではバンコクの運河などでも見かける別に珍しくもない生物です。

吊り橋を渡り終えると、ようやく町らしくなってきます。

道の両側には商店があります。

雑貨屋、間口を開け放った食堂、薬屋、クリニック、何を売っているのかよくわからない店など、でも半分以上はシャッターを閉じています。

このあたりの店のシャッターはシャッターが上から下へ降りてくるタイプではなく、左右から引き戸のように金属製の蛇腹のようなシャッターをスライドさせて閉じるタイプです。

建物は2階建てまたは3階建てで、1階部分が店舗になっていて、上が住居と言うタイでよく見かけるスタイルです。

少し歩いたところに中国風のお堂がありました。

ピチットもピサヌロークなど地方の町同様に、町の中心部は華僑系の人たちが多いので、そうした人たちの中国風寺廟があるようです。

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お堂には漢字で「報恩寺」と掲げられています。

つまりここはお寺なんですね。

屋根の上には2匹の竜がくねっており、壁の窓は丸くて、なんとなく浦島太郎の物語に出てくる竜宮城のイメージと重なります。

中ではタイやヒラメが舞い踊って、乙姫様がいらっしゃるのでしょうか、、。

内部をのぞかせていただきました。

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残念ながら乙姫様はいらっしゃりませんでした。

そのかわり、「富貴仏」と言う金色した出っ腹の像が祭られていました。

台座は蓮の花をかたどっていますし、名前も「仏」となっているので、仏像なんでしょうけれど、しかし、メオダムとしては、両手合わせて拝みたくなるようなイメージではありません。

お顔の表情が、なんとなく成金オヤジ的で、失礼ながらあんまり知性を感じさせません。

それに、「どてーん」と座り込んでいる姿勢もなんと申しますか、、。

ピチットあたりの華僑の人たちには、このようなお姿が神々しく見えるのかもしれません。

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お堂の中には、ほかにも像がありまして、孫悟空も祭られていましたし、右側は如来像でしょうか?

中央ながら、色的に目立たない存在のブロンズ像は、頭の上にラッサミーの炎をいただいたスコータイ仏のようです。

ゾウもいます。

乙姫様にお会いできなかったので、この報恩寺からさらに先へ歩きましたらまたも中国風の寺廟がありました。

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こちらの方が派手です。

赤い大きな柱には竜が巻き付いてます。

奥の建物はお寺と言うより集会所(ホール)のような感じになっています。

建物右手には観音様の像があります。

なんとなく、メオダムの経験からして、ここは普通の中国系人たちが参拝するお寺と言うよりも、お葬式のためのセレモニーホールのような感じがします。

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通りを先に進むと、なんだか倉庫のような建物に派手な日よけを伸ばした店がありました。

なんとなく旭日旗をイメージした看板もあります。

最近、タイの田舎でよく見かける「ムーソーン・イーブン」のお店のようです。

ムーソーン・イーブン(มือสองญี่ปุ่น)と言うのは、日本の中古品という意味で、日本で使われてた家庭雑貨などをタイへ持ち込んで販売しています。

粗大ごみのような家具から、未使用と思われる売れ残りのぬいぐるみ、引っ越しで処分されたと思われる茶碗などまで、いろんなものが所狭しと並んでいます。

タイの田舎では、このような「ムーソーン・イーブン」の店がだいたいどこの町にも一つはあるようです。

店の中を覗いてみると意外な掘り出し物があったり、ちょっと懐かしくなるような玩具なんかも無造作に積まれていたりします。

歩き始めて約30分。

距離にして1.5キロほどのところまで歩いてきて、公立のピチット病院までたどり着いたけど、そろそろまた駅へ戻らないと、ピサヌロークへ帰る列車に乗り遅れてしまう。

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ピチット病院と通りを挟んだ向かい側にはワニのオブジェ。

このオブジェのある店は、土産物屋で「マカーム・ケーオ」というお菓子を売っているらしい。

マカームと言うのは英語でタマリンドと呼ばれるマメ科の植物で、実である鞘の中の種の周りに甘酸っぱいジャムのような果肉がある。

タイではこのタマリンドを使ったお菓子がいろいろとあるし、その酸味から料理に使う調味料などにもなっている。

身近なところでは、タイ風焼きそばとして人気のあるパッタイを作るときのソースにも入っている。

で、この店で売られているタマリンドのお菓子と言うのは、キャンディーのようなものらしい。

ワニが立っている台には"マカーム・ケーオ・シーロット・ピチット"と書かれている。

シーロットとは「4つの味」という意味なので、このタマリンドキャンディーには4つのフレーバーがあるのかもしれない。

ピチットはタイの民話に出てくる悪役ワニ、チャラワーンの故郷であり、またチャラワーンと言うワニは悪役でありながら、主人公を差し置いて人気があるという、ちょっと訳のわからない町なのでありました。

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ということで、ピチット駅へ急いで戻り、ピサヌローク行きの列車に乗り込みました。

もしピサヌロークに数日滞在される機会があって、ちょっとどこかへ行きたいなと思ったときに、ピチットまでのショートトリップなんて如何でしょうか?

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