レアレアウェブ、H.I.S. ハワイのスタッフブログ読者の皆さん、アロハ。ご愛読ありがとうございます。
ハワイ州都、ホノルル市のあるオアフ島には五つも植物園があって、うち四つは無料で開放されています。今回はそのうちの一つ、オアフ島中央に位置する「ワヒアワ植物園」へ出かけてみました。
日本と異なり、米国の市町村制定の制度は州により違いがあって結構複雑で、ワヒアワはホノルル市の外、ホノルル郡に属する地区名で、正確には独立した市町村名ではなく、十年に一度実施される米国人口国勢調査の単位、また、ワヒアワ郵便局の管轄区域を指しています。
オアフ島は行政上全島が「ホノルル市ならびにホノルル郡」とされているので、ワヒアワの行政のトップもホノルル市(郡)長となっています。皆さんもよく聞かれると思いますが、カイルア・タウンとか、ノースショアのハレイワ・タウン、パール・ハーバーのパール・シティーなども、実はワヒアワと同格です。
ホノルル市外というだけあって、約一時間に一本の市バス、TheBus、62番で市内ダウンタウンからワヒアワへ出かければ、片道90分もかかり、見学と往復でほぼ一日、レンタカーでも半日がかりとなってしまいますので、あまり滞在期間に余裕がない方々にはなかなか出かけづらいとは思われますが、たとえばパイナップルで有名なドール・プランテーションはワヒアワ植物園から5km強、車なら十分弱の近距離、またワヒアワを貫いてオアフ島の南北を結ぶカメハメハ・ハイウェイに、ロースト・チキンで有名な「マウイマイクス」もあるので、それらのスポットとあわせて、ワヒアワ植物園をたずねられてみてはいかがでしょうか。
植物園を擁するワヒアワは、標高300mほどの高台に位置し、昔から王侯貴族が詣で王子、王女を出産した岩、「バースストーン」があったり、米国陸軍も20世紀初頭から軍事基地を置いていることからも明らかなように要衝の地、また早くからパイナップルやサトウキビのプランテーションが置かれたところでもあります。
それらプランテーションのオーナーたちが作物の実験用に1920、1930年代に築いた27エーカー、約110㎢の樹木園をホノルル郡へ譲渡寄付したものを改築し、1957年にワヒアワ植物園が開園しました。
オアフ島中央のワヒアワとその近辺には海へと注ぐ天然の「川」がなく、雨量の多い東側のコオラウ山脈からの小川を利用してため池を作り、飲料、農業用水としています。
ワヒアワ植物園はこの用水路跡地を利用して築いたちょっとした谷間、渓谷を利用して造園されていて、海辺より標高が高く、乾燥地帯とも比べて冷涼で、日陰や湿度を好む植物群を蒐集しているとのことながら、残念なことに、バリアフリーでアクセスできる植物園事務所入り口近辺のきわめて狭いエリアのみに、植物の名前の表示があるだけで、渓谷沿いと、谷間の窪地には名札がほとんどなく、名前を知ることが容易ではありません。
また、筆者訪問時には幸運にも遭遇しなかったのですが、多くの訪問者が蚊に刺される被害にあっていますので、お出かけの際には虫除けスプレーを、サンスクリーン、汗拭き用タオルともども必携ください。さらに、寒さよけにもなる着替えやカッパ、折り畳み傘などを、また園内に飲み水用の設備(ウォーターファウンテン)はありますが、ボトルウォーターや水筒などの持参もおすすめします。
ワヒアワ植物園には売店はありませんが、有人の事務所と、整備されたトイレがあること、また宴会や挙式ができる設備もある点が、唯一有料のフォスター植物園と同じで、リリウオカラニ植物園や、ココクレーター植物園の不便さはありません。
うっそうとした半ばジャングルのようなワヒアワ植物園で、静かな半日を、のんびり過ごしてみるのもよいかもしれません。
住所: 1396 California Avenue, Wahiawa, HI 96786
入園時間: 毎日、9時から16時まで (クリスマスと元旦を除く)
入場料:無料
禁止事項:飲酒、犬などペット持ち込み、自転車類、キャンプ、焚火、ごみ捨て、植物に触ること
ワイキキから車で約40分、ダウンタウン(Alapai Transit CenterまたはAla Moana Center)から市バス(The Bus)で90分、WahiawaHeights行き62番バス
California Avenue at Makaweo Avenue 停留所下車
(注意:バスが植物園をアナウンスする停留所では降りないこと)、片道2ドル50セント
マハロ。ACC – TJH