乗り物 2016.07.07

レアレアウェブ、H.I.S. ハワイのスタッフブログ読者の皆さん、アロハ。ご愛読ありがとうございます。

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「現代クルマ社会」のはじまりを興した米国でも鉄道の効用の見直しがすすんでいて、全米で最悪の交通渋滞都市のひとつとして数えられる当地ホノルルでも、新交通システム「HART(ハート)」の建設が、さまざまな問題を抱えながらも2018年末の一部開業予定へ向けて進行している今日この頃、ハワイ州都ホノルル市を有するオアフ島の鉄道の歴史を調べてみたところ、最後に旅客車が利用されたのは1947(昭和22)年、貨物列車は1971(昭和46)年と、当地では半世紀近く鉄道が利用されていないことを知ると同時に、洋の東西を問わず「ダイ・ハード」な鉄道ファンが当地にもたくさんいて、貨物列車の廃業に合わせて鉄道保存協会「The Hawaiian Railway Society」が創設され、週末限定ながら今も残る線路を利用して、有志が一般用に観光列車を運行していることを発見、そこで、見学乗車に出かけてみました。

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駅舎、車庫、博物館(というよりは「小屋」)の全てをかねる乗降場所は、真珠湾の西側、Ewa(エヴァ)と呼ばれる地域にあって、周囲には観光客はおろか地域住民(ロコ/ローカル)用のお店も何もないところにあり、それはまさにその場所がサトウキビのプランテーションだったことと、鉄道線路はサトウキビの運搬用に敷かれたものだったことを物語っています。

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H.I.S.だけの入り江のビーチ、LeaLeaタートル・ラグーンや、ディズニー・アウラ二、マリオット・コオリナ・ビーチ・クラブを訪れた皆さんにはおなじみのとおり、オアフ島西へ向けてワイキキやホノルル国際空港を出発しハイウェイを走行、真珠湾を見過ごしてからMakai/マカイ(海側)を眺めると、何もない平地が海岸まで広がっている光景をご覧いただけたことと思いますが、その一帯が以前はサトウキビ畑で、畑の中をサトウキビ運搬用の貨物列車や客車が走っていたそうです。

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ハワイ王国が米国へ併合された後の鉄道最盛期の頃、すなわち19世紀末から20世紀初頭にかけては、オアフ島最西端のカエナ岬を回って、ノースショアのハレイワ、さらには島最北端のカフクまで線路が施設されていたこともあって、今日でもなお、あちらこちらで廃線跡を見つけることが可能、廃線マニアの皆さんにとっては興味深い発見の旅ができるかもしれませんが、その話題はまた別の機会にゆずりましょう。

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2016年六月現在、観光列車は毎週日曜日の午後一時と、土、日曜両日の午後三時に運行、小振りなディーゼル機関車が客車を牽引し、平均時速24Km(15マイル)程度、片道45分をかけて、ディズニー・アウラ二を少し過ぎた「カヘ・ポイント」で停車し、もと来た線路を戻り、所要時間往復90分の小旅行となります。

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折り返し点の「カヘ・ポイント」は海岸沿いに線路が敷かれ、その反対のMauka/マウカ(山側)はハワイ州道93号線のファーリントン・ハイウェイをはさみ、電力会社ハワイアン・エレクトリック社の巨大なカヘ・ポイント火力発電所が崖に沿ってそそり立つ異様な光景が眼前に広がります。

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土、日曜両日の午後三時出発便は、途中コオリナのアイスクリーム屋さん、「Two Scoops」前で臨時停車、お好みの皆さんにはアイスクリームを楽しんでいただけますが、原則、折り返し点のカヘ・ポイントでも、アイスクリーム屋さんでも、降車してのトイレ休憩や飲み物の購入などはできませんので、ご乗車前にご用を済ませ、水筒やボトル・ウォーター、スナックの持参をすすめます。

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また、写真でご覧のとおり窓のない客車のため、眺めのよいMakai/マカイ(海側、出発進行方向左手)に座ると、午後の強い日差しをさえぎることができませんので、日焼けに敏感な皆さんは眺めは悪くなるものの逆のMauka/マウカ(山側)に座られるようすすめます。

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なお毎月第二日曜日のみ、「パーラー・カー64」と名づけられた1900(明治33)年製の特別豪華客車(クーラーはついていないですが・・・)が牽引され、一回あたり14名までの乗客予約が受け付けられています。

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駅舎への行き方は、周囲に買い物をするお店すらない不便な場所であるためお車でのお出かけをすすめますが、市バスでワイキキ方面からのお出かけなら、Ewa Beach行きEか42番でWaipahu Town Center下車、Ewa Beach行き44番へ乗り換えか、アラモアナ・ショッピング・センター発C、Makaha行きでKapolei Transit Center下車、Ewa Beach行き41番へ乗り換え、それぞれThe Hawaiian Railway Society前で下車となります(最初のバス乗車の際にTransfer Ticket Pleaseと運転手に伝えて忘れずにもらい、乗り換えバスの運転手に見せるか手渡す(指示に従う)こと)。

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週末でバスの便数も少なく、乗り継ぎも決してよいタイミングではないので、ワイキキから駅舎まで二時間程度、お帰りも含めれば移動時間で四時間程度はかかってしまうことを覚悟のうえ、乗り換えのバス41番や44番の運転手に「Please let me know at the Hawaiian Railway Society where I’m getting off」などと、乗車の際に伝えられることをすすめます。

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筆者は予備知識を持たず日曜午後一時出発便に乗車すべく市バスで出かけ、結果弁当も水も買えずとても辛かったので、皆さんがお出かけの際には飲み物や食べ物の持参を忘れないよう、またお手洗いを済ませてから列車に乗られるよう、さらに、エヴァやコオリナは少雨乾燥地帯、ハワイの雨は濡れても暖かいとはいえ、乗り換えや駅舎では雨宿りができないことを覚悟の上、念のため雨合羽などを持参されるようご注意ください。

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最後に、Hawaiian Railway Society駅舎の近所、線路のそばで列車からよく見えるすぐ近くのMauka/マウカ(山側)で「カ・マカナ・アリイ/KA MAKANA ALI'I」と呼ばれる(またもや!?)大きなショッピングセンターが2016年今秋のオープンを目指して建設途上、これは上記の新交通システム、HARTともども、オアフ島西の「ニュータウン」、カポレイを支える大きな開発プロジェクトの一環で、開業のあかつきにはHawaiian Railway Societyを含め周囲にさまざまな変化がおこることが予想され、従いおってまた情報を更新したいと思っています。

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The Hawaiian Railway Society

住所: 91-1001 Renton Road, Ewa, Hawaii 96706

電話番号: (808) 681-5461

http://www.hawaiianrailway.com

 

*大人$12米ドル、子供(12歳以下)とシニア(62歳以上)$8米ドル、二歳未満無料

*予約不用座席指定なし、ただし一回180名まで、英語解説付き、

*チケットは日曜日当日午前11時30分から、土曜日当日午後一時から販売開始、

*発車時間の午後一時、午後三時それぞれの30分から40分前には現地へ到着されるようにお出かけください。

*特別豪華客車「パーラー・カー64」$25米ドル、毎月第二日曜日のみ運行、一回14名限定、要予約

*団体用特別臨時運行も可能、要相談、

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マハロ

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TJH@ACC

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