HISカンクン支店で書いたチチェンイッツア・ククルカン降臨記事が
アメリカの日本語新聞『ニューヨーク生活2/11号』 に紹介されました。(12-13面)

かなり好評のようなので調子に乗ってブログにも原文で紹介します。
↓↓ 長いですが根気のある方は是非読んでください。

『エキノクシオ ~カンクン・チチェンイッツア遺跡に現るククルカン降臨現象~』

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04:45PM頃の ククルカン(羽毛の蛇)の降臨現象


メキシコ、ユカタン州の州都メリダと、国際的なリゾート地で知られるカンクンの間に位置するチチェンイッツア遺跡では、毎年3月と9 月の春分、秋分の日はエキノクシオ(EQUINOCCIO)と呼ばれ、貴重な自然現象を体験できる日として世界中から注目を浴びている。
 世界遺産にも指定されているこの遺跡は、普段なら約2000~3000名程の観光客だが、この日に限ってはなんと約10万人を超える人々が集まるという。特にお目当てはピラミッドに映し出される自然現象“ククルカンの降臨”だ。
それはピラミッド北面階段の最下段に神として崇められた羽毛の蛇(ククルカン)の頭部の彫刻があり、太陽が沈む時、ピラミッドは真西から太陽光に照らされ階段の西側にククルカンの胴体(羽の生えた大蛇が身をくねらせた姿)が現れ、その現象が天から降りてくるように見えることから“ククルカンの降臨”と呼ばれている。このククルカンは「豊穣の神」とも言われており、ククルカンが降臨すると、それから1ヶ月後に雨期が始まる事から、ククルカンの出現は大事な農作業を始めるタイミングを教えていたと考えられている。数学と天文学の知識が飛びぬけて発達していた古代マヤ人はピラミッド設計に於いて、高さ24M、傾斜45度、東西南北に対し22度方角をずらすなどによってこの現象が成立することを計算して盛り込んだというから驚きである。

さてこの現象を見に行くわけだが、事前に予約準備をしていかないと大変なことになる。普段ならバスも格段に込むことはなく簡単に遺跡に到達できるのだが、この日のバスは予約が取れない、周辺のホテルも予約が取れないで、間際の思いつき程度ではまず不可能と考えねばならない。又、運よく車、バスを調達し、遺跡付近まで到達できたとしても、交通制限にて遙か後方で下車を強いられる。そこから長蛇の列を並んでピストン輸送のバスを捕まえるか、徒歩で45~60分ほどかけて行くかの選択となるだろう。遺跡に到着しても場所の確保をしておかないとピラミッドより遥か後方の余りエリアに追い込まれるので、敷物を用意してじっくりその時を待つことが正攻法と言える。特に席の指定は無いので早い者勝ちとなる。

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正装で祈りをささげる人たち

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降臨現象を待ち構える人々

ククルカンの降臨現象を見ることができる時間帯は、4:45PMから5:00PMにかけての夕日が沈みかけるその瞬間だ。午後から待っていれば、時間をかなり持て余してしまうが、その時間は周辺の人々を観察してみよう。神に祈りを捧げている人、ヨガに耽る人など世界中の聖地を雑に集めた雰囲気を醸しだしていて大変興味深い。そしてとり分け、白い服を着ている人が多いことに気付く。このエキノクシオ時期に降り注ぐ太陽エネルギーは、最も神聖でご利益があると言い伝えられており、最も神聖でご利益があると言い伝えられており、純粋かつ清廉潔白を表現する白服を纏うことで、それらをより多く吸収できるという意味があるそうだ。   
間もなく、ククルカンの頭が階段の蛇の形として見えてくる。座ってじっくり見るものだが、焦って思わず立ち上がりシャッターを切ろうものなら、後ろから『Sentado!Sentado!(座れ、座れ) 』と大勢の人から容赦のない罵声に打ちのめされる。ククルカンの形として完全に見えたその時、周りから拍手、喝采が一斉に沸き起こり、しばし神聖なムードに包まれる。とても幸せな瞬間だ。ちなみに正しい鑑賞の仕方はククルカンの方向に向けて万歳の格好をすること。こうすることで神聖なエネルギーをさらに多く取り入れることができるらしい。
ご存知の方もいるかと思うが、2012年はマヤ長期歴の最終年にあたる。そもそもマヤ人が使っていた暦は、現代の暦よりも正確に計算されていることが分かっており、それが何を指すのかは世界中で憶測を立てられ、話題を生み、各地のマヤ遺跡がパワースポットとして注目を集めている。ここメキシコではこの最終年に対する考え方として、新しい時代へ生まれ変わり、今後ますます飛躍ができるものと大半が信じて疑わない。だからこそ今年のエキノクシオに起こる神秘の自然現象は、そこにあやかりたいと願う多くの人々の集いによってより一層の盛り上がりをみせるだろう。

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“人類(人生)最後の年を迎える” 2012年1月15日発行の地元新聞より

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