一見、倉庫街のような飾り気のないショッピングセンター。
ホノルル郊外、アイエア地区にあるワイマル・ショッピングセンター(Waimalu Shopping Center)です。パールリッジ・センターから車で5分ほどのカメハメハ・ハイウェイ沿い。
どローカルな雰囲気がただよっています・・・。
今日のお目当ては、「シローズ・サイミン・ヘブン(Shiro's Saimin Heaven)」。
サイミンって何? ハワイ通の皆さんはご存知だと思いますが、基本的に干しエビでだしをとったスープに入った細麺。
日本のラーメンのようなハッキリクッキリしたおいしさはなく、よくいえば優しい味。
率直にいうと、やや薄ぼんやりした味と申しますか。(オイオイ)。
プレートランチ屋や、日系食堂、ハワイのファミレス「ジッピーズ」、そしてマクドナルドのメニューにもあるサイミン。数はそう多くないものの、サイミンの専門店もあるんです。
ちなみに初めてアメリカ本土を訪れて、「マクドナルドにサイミンがない!」と驚く――というのが、ハワイ育ちのキッズのお約束になっています。
サイミンはマクドナルド・ハワイだけのメニューなんです。
ハワイには、ローカルなら誰でも知っているといっても過言ではない、世代を越えて愛されてきた名物レストランがありますが、こちらもそのひとつ。
わずか85ドルの預金をもとに、創業者のシロー・マツオさんがお店をオープンしたのは、1969年。お店の名物メニューをサイミンにすると決めたとき、周りからは、「サイミン!? 誰がサイミンなんて食べに来るんだ!?」と、言われたそう。
けれど、「人々は途切れることなくサイミンを食べに訪れたよ」と、シローさんは地元紙のインタビューに答えています。
こちらのサイミンは・・・なんと60種類以上もあるんです!
ハワイの名物レストランの創業者というのはたいていそうなんですが、シローさんも町の名物男でした。ウクレレを弾き語りさせれば玄人はだし。
ほとんどのローカル家庭に届くフリーペーパー、「MidWeek」紙には、毎週、「シローズ・サイミン・ヘブン」の広告が掲載されていましたが、その広告というのがユニークで、毎回「Dear Hearts」ではじまるシローさんの書いたポエトリー(詩)。
決して上手いとか、深遠、といった詩ではありませんでしたが、なんとなく愛嬌があり、毎週、彼の詩を読まないことには落ち着かないロコもいたとかいないとか!?
店内にはそうした彼の詩がフレーム入りで飾られています。
さて、60種類以上の中から選びに選んだ(?)この一品。
「Fried Shrimp Saimin with WunTun, Vegetables & Garnishes(揚げエビサイミン、ワンタンと野菜、ほか付け合わせ添え)」
さすがサイミン専門店。ココの味は、薄ぼんやりしてませ~ん。
あっさりしているからこそ、どこかあとを引く味。
こちらは揚げエビ。タルタルソースをつけてそのまま食べてもよし。
サイミンに入れてもよし。
実はシローさんは、今年(2012年)の5月に93歳で旅立たれてしまったんですけど・・・。
(地元紙には大きな追悼記事も掲載されました)
いまも変わらぬ家族経営。
シローさんのヘブンリーなサイミンの味は健在です。
ハイハイ、これを忘れちゃいけません。カラシ。
サイミンにはカラシを入れて食べるのが、ローカルスタイル。
Shiro's Saimin Heaven ワイマル店
住所 98-020 Kamehameha Hwy, Aiea, HI 96701
電話 (808) 448-8824
営業時間 日~木 7:00 - 22:30 / 金・土 7:00 - 23:30
*サイミン以外のメニューもあります。
*ほかにワイパフ店、エヴァ店もあります。詳細はホームページをご参照ください。
Shiro's Saimin Heaven のホームページはこちらから。
ORIOでした。