ハリケーン・ディーンがカンクン時間の8月21日深夜から朝方にかけてやって来ました。
結論から言えば、幸運なことに、ディーンはカンクンには直接的にはヒットせず、被害もほとんどありませんでした。
本当に本当に良かった!!
しかし、前々の情報では、カテゴリー4という大きなものだったこと、ハリケーンの進路がカンクンにかぶっていたこと、そしてカンクンに到着する頃にはカテゴリー5になっているかもしれないなどということでした。
さらに、ハリケーン(台風)の目がコスメル島よりも大きくて、その大きさに衝撃を受けました!
そんなニュースと2年前のウィルマの経験からか、多くの人々が早くから警戒し、さまざまな対策をしていました。
その1・建物などへの対策。
まずは、お店やオフィスのビル、各家庭では、窓ガラスが割れないようにあるいは飛び散らないように、
こんな作業中の様子が、町のあちらこちらで見られました。
ちなみにわたしたちのHISオフィスも、ガラスがばらばらに割れないように、補強しました。
てゆか、ガムテープって・・・!!
なんとも原始的ですか、まあそれはそれってことで。
おもしろいのはお店。
窓をふさいでしまっているので、営業しているかあるいはしていないのか外から一見しただけではわかりにくくなっています。
そこで、営業中のお店では「ABIERTO開いています」とベニア板に書いてあったり、横断幕が出ていたりしていました。
そして、いくつかのお店では看板をはずしていました。
これは吹き飛んでしまったら危ないからということもありますが、
なくなってしまったらまた作るのにお金がかかるからということもあるようです。
さすがメキシコ!!
車優位社会であるカンクン。
普段からただでさえかなり車の運転があらく、信号があっても信号を守らない車も頻繁に見られるので、信号を取り外してしまって大丈夫かなあ?と思っていましたが、
信号がないならないで、逆に慎重になるようで、多くの車が速度を落として気をつけて走っているように感じました。
それならば、これからも信号があっても安全運転を心がけていただきたいものです!
もちろんセントロだけだけではなく、ホテルゾーンでも様々な対策をしていました。
ジャングルツアーなどで使っている小型ボートは、通常は海に停留してありますが、陸に揚げて並べられていました。
なかなかこんな光景は見られません。
ブランド物のお店では、商品がすべてお店から撤去されていました。
カリブ海に面したククルカンプラザなので、商品を海水の浸水から守るためだけでなく、
ハリケーン後の混乱に紛れて襲撃されて奪われないようにするためでしょうね。
てゆうか、こんな閑散としているホテルゾーンなんて見たことない!
そんな静けさが、ハリケーンへの恐怖感に拍車をかけます。
そして対策その2・非常食の買出し。
スーパーは人・人・人!ちょうど週末でもあったためか、家族総出でのお買い物です。
非常食ですので、火や水を使わずに食べられるものが売れています。したがって、缶詰やパンの売り場はこんな感じです。
このガランとした棚にビックリ!そして、この棚が非常事態という危機感をさらに煽ります。
そしてお買い物をしたカートはこんなふうに山盛りです。すごすぎ!!
このご家族、一つのカートには収まりきらず、二つのカートを押してます。
そんなわけで、もちろん、レジには長ーい列。わたしも30分以上並びました。
いずれにしても、大事なくハリケーン・ディーンが過ぎ去って、本当に安心しました。
無事を祝って乾杯です。
そうそう!
ハリケーン接近中は、一切のアルコールの販売が中止されます。
レストランでは提供されず(注文しても「無理です」と言って断られます)、スーパーには置いてはありますが購入できず、小さな商店などでは卸元が撤去していってしまって置いてもありません。
この法律は、「レイセカ LEY SECA」と呼ばれます。
SECAとはスペイン語で「乾いた」という意味で主に用いられますが、その他に「厳しい」という意味も持っています。
アルコールがないと喉が渇きます。だからSECAなのか。
あるいは、ビールは水のようなものだといわれるメキシコ人にとって、アルコール抜きはありえないほど厳しすぎるからSECAなのか。
名前の由来の真相はわかりませんが、非常時なので、
正しい判断をさせるためと、暴動などの危険性を回避するための法律だということです。
そんなこんなで、カンクン&自分たちの無事と、アルコールの解禁。
カンクン中の人々が、このダブルの喜びで乾杯しているに違いありません! ag