2010.01.27
前回の話題はメキシコオリンピック。
オリンピックといえば「平和の祭典」ですね。
さらに中南米で初めて、非先進国でも初めてのオリンピック開催となりました。
しかし、そのメキシコオリンピック開催の裏には、残虐な血塗られた歴史があるのでした。
1960年は世界的に学生運動が盛んに行われていた時代。
メキシコもそのうちの一つで、グスタボ ディアス オルダス政権の権威主義的な政治に対し、民主化を求める学生が抗議をしていたのでした。
そして、1968年10月2日、メキシコオリンピックの10日前のこと。
メキシコシティのトラテロルコ地区にある三文化広場で、約1万人の老若男女が民主主義を主張し、政府との対話を求めて集会を開いておりました。
その集会を中止させるために政府が取った行動は、警察、軍、機動隊を派遣し集会を開いていた人たちに無差別に発砲し、無差別殺戮を行うのであった。
この殺戮による一般市民の死者は約300人と言われておりますが、政府の公式発表では死者約30人。
政府からの圧力により、新聞各紙には有無をいわせぬ命令が下った。「これ以上の報道は無用。」
世界的にみてもこれほどの虐殺は例が無い。
オリンピックを成功させるために行われた国家犯罪である。
40年経った今も、その事件の真相、首謀者は、何名の死亡者が、死亡者の名前は、遺体は何処に、といったことは何も明らかにされていない。
この事件は「トラテロルコ事件」と呼ばれている。
この事件を扱った本は、
「トラテロルコの夜」 エレナ ポニアトウスカ著
映画
「ROJO AMANECER(ロホ アマネセル)」
へ~
へ~
へ~
また、悲しい史実に出会ってしまった。