知床 2011.05.24

いつもご覧頂きありがとうございます。green traveler編集長の鮫島です。


昨日のクイズ問題、知床野生動物クイズの答えです。
下記の野生動物は知床半島に生息しているか?いないか? さあドッチ?

①ヒグマ
【答】います。

“自然を楽しむ”エコなブログ-ヒグマ
はい、これは皆さんわかりますよね。北海道といえば、ヒグマですよね。夏は森の木々に巣を作ったアリたちが大好物。秋になると川でサケやマスを食べます。ヒグマは、人間を襲う恐ろしい存在と見られがちですが、実はとても臆病な性格です。しかし、驚かせてしまうと本能的に攻撃的な行動となります。知床半島は、ヒグマにとって良好な生息地であって、私たち人間がヒグマの世界にお邪魔させていただいているという謙虚さを持つことが大切です。最近、ツアーによっては「ヒグマの冬眠穴見学」と銘打って募集して人気を集めるツアーがありますが、こうしたことは本当にいいことなのでしょうか?土足でヅカズカと踏み入れれば、熊だっていい気はしないはず。まして、ヒグマはアイヌ先住民にとって「山の神」なのです。そのねぐらは神聖な場所。そうしたところに足を踏み入れることには、私たちは一線を画して、自然に対し謙虚でありたいと思います。なので、そうしたツアーはあえて行いません。


②キツネ

【答】います。
“自然を楽しむ”エコなブログ-キタキツネ
キタキツネは北海道に広く分布していますが、本州のキツネとは少し異なります。全体的にやや大きく、耳の裏と四肢の足首の部分が黒いんです。普段は、ネズミ、ユキウサギ、鳥類、昆虫を食べて暮らし、秋には木の実も食べる。本来ならば人間から食べ物を与えられない状態で頭数のバランスがとれており、人間が干渉することでキタキツネのみならず、その生息環境に悪影響が出ると考えられています。


③シカ

【答】います。

“自然を楽しむ”エコなブログ-エジジカ
エゾジカは、知床を訪れるとほぼ100%遭遇できるほど数が増え続けています。増えすぎで、農作物への被害や冬場のミズナラの木の皮を食べてしまうため木が枯れ、知床の森の生態系が崩れる原因にもなっているので、現在では人為的に間引きしているのが実態なのです。かわいそう!と思われる方もいらっしゃいますが、生活している方にとっては死活問題なのです。


④タヌキ

【答】います。
エゾタヌキという種類がありますが、数は少ないです。本州ではメジャーですが、北海道では希少種。



⑤モモンガ

【答】います。

“自然を楽しむ”エコなブログ-モモンガ
知床の森の象徴といってもいいかもしれない存在です。モモンガはムササビのように飛幕を広げて滑空しますが、ムササビよりひとまわり小さく、目がクルクリでとてもかわいらしいsign01実はリスの仲間なんですね。アイヌの人々にとって「子守の神」。
“自然を楽しむ”エコなブログ-エゾリス
知床の森にはエゾリスもしばしば見かけます。ただ動きが早いのでよく観察しないと気付きません。シマリスもいますよ。


⑥ウマ

【答】いません。sweat01
野生のウマは残念ながらいません。競馬の調教は同じ北海道の日高地方が有名ですよね。


⑦クジラ

【答】います。
“自然を楽しむ”エコなブログ-マッコウクジラ
マッコウクジラです。根室海峡に夏場現れます。四角い頭が特徴で体長は16~20mにもなる巨大なクジラ。ザトウクジラなどと比べて、潜水が得意で軽く2000mくらいはもぐることができるんです。ではどれくらいの時間、息を止めて潜ることができるのでしょうか??? なんと!1時間以上も呼吸なしで潜水できることがわかっています!
“自然を楽しむ”エコなブログ-マッコウクジラ
マッコウクジラのレインボーフロー(潮吹きでできた虹)

⑧イルカ

【答】います。

“自然を楽しむ”エコなブログ-イシイルカ
羅臼側の国後島との間の根室海峡でイシイルカという種類が群れで見られます。


⑨シャチ

【答】います。
いるんです!シャチ!知床の海にシャチがいることをはじめて聞いたとき、飛び上がるように驚いたのを今でも覚えています!シャチが住む海・・・。海の食物連鎖の頂点であるシャチが住む海とはそれだけ豊かな海である証です。海洋生物とってのこれだけのサンクチュアリは世界的にも本当に稀だと思います。

“自然を楽しむ”エコなブログ-シャチ

羅臼発のクルーズ船で、例年3~6月にかけて観察できます。
“自然を楽しむ”エコなブログ-シャチ



⑩アザラシ

【答】います。

知床半島では、①ゴマフアザラシ、②クラカケアザラシ、③ワモンアザラシの3種類がいます。

“自然を楽しむ”エコなブログ-アザラシ
最も多いのは①のゴマフアザラシ。利尻礼文でも見かけます。4月に流氷上で出産し、生まれたばかりの子供は「パップ」と呼ばれ全身真っ白な産毛におおわれています。まさに「ゴマちゃん」。

“自然を楽しむ”エコなブログ-クラカケアザラシ
②のクラカケアザラシは、沖合いにいることが多く、岸にはあまり近づきません。流氷時期にはかわいい白い赤ちゃんアザラシを撮影に訪れる方も多いです。


⑪ワシ

【答】います。

オオワシ、オジロワシの2種類のワシが実に数多く見られます。大型の猛禽類。翼を広げると2m以上にもなり、でかい!カムチャッカ半島やサハリン北部のロシア極東地域で繁殖し、流氷の季節と共に数多く飛来してきます。流氷シーズンにはその数は大変なもので、世界的にも希少なサンクチュアリと言えるでしょう。空の食物連鎖の頂点なのですが、その生息数も減ってきており、準絶滅危惧種の天然記念物として指定されています。
“自然を楽しむ”エコなブログ-オジロワシ
真っ黒いのが特徴のオオワシ。

“自然を楽しむ”エコなブログ-オオワシ
茶色がかったグレー色が特徴のオジロワシ

⑫フクロウ

【答】います。

知床半島に生息するのはシマフクロウです。フクロウは目がクリクリしてとてもかわいいですが、翼を広げると2mにもなり、食性は動物食でウグイ・サケなどの魚やウサギ・ネズミ・コウモリなども食べる結構イカツイ奴なんです。アイヌの人々にとっては「村の守り神」。こちらも生息域が減少し、天然記念物、国内指定希少野生動物に指定されています。ちなみに、羅臼に「鷲の宿」という民宿になぜか「シマフクロウ」が住みついているという地元話を聞きました。民宿のご主人が餌付けしてしまったようです。


⑬イノシシ

【答】いません。sweat01

ニホンイノシシの生息北限は太平洋側は宮城県、日本海側は福井県です。


⑭オオカミ

【答】いません。sweat01
昔、エゾオオカミとが生息していたといわれています。アイヌの人々と共存していましたが、明治以後、獲物のエゾジカの乱獲で減り、さらに家畜を襲う害獣として徹底的に駆除されたため、1900年頃完全に絶滅したと言われています。エゾジカの増殖は、こうしたオオカミがいないためとも言われており、人の手によって生態系が崩れた一例なのです。ちなみに、世界最初の国立公園アメリカ・イエローストーン国立公園では、絶滅したオオカミを再導入して、成功を収めています。



皆さん、いかがでしたか?知床には、こんなにたくさんの野生動物たちが暮らしていることがおわかり頂けたと思います。逆に言えば、知床の世界が人間が踏み入れていない野生動物の王国であることがわかったのではないでしょうか。

知床を世界自然遺産たら占めている最大の理由は、こうした野生動物の存在です。陸上ではヒグマ、海域ではシャチ、空中ではオオワシ・オジロワシといった陸・海・空すべての食物連鎖の頂点の野生動物が存在しているのは世界的に見ても大変希少なことです。それだけ豊かな自然が保たれている証ででもあります。

まさに「人間が踏み入れない世界がこの日本にもあったのか」を示してくれるのが知床なのです。ここは、本当に日本とは思えない大自然。

その一方で、絶滅したオオカミのように人間の手によって自然環境が変わってしまった歴史もある事実も忘れてはなりません。自然の営みは、時にもろく再生不可能であることを同時に示してくれます。

green taravelerでは、そんな知床を体感するツアーを発売しました!いずれも知床に連泊して、深く掘り下げて知床の魅力に迫ります!自然は自ら語りかけることはありませんので、ネイチャーガイドの存在は旅も満足を左右するとても大事な要素です。このツアーではそうしたこだわりも随所に見られます。

●知床大自然3日間
http://www.his-j.com/tyo/eco/japan/eco-shiretoko3_2011.htm

●知床半島横断と野生動物クルーズ4日間
http://www.his-j.com/tyo/eco/japan/eco-shiretoko4_2011.htm



本日、19:00にはさらに深い知床野生動物クイズを出題しますよ!お楽しみに!


H.I.S.エコツーリズムデスク
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PC:http://www.his-j.com/tyo/eco/top.html
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