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～神々が集う聖なる場所　テオティワカン　年に1度の奇跡の日～

メキシコ合衆国の首都、中南米の玄関口とも呼ばれるメキシコシティ、そのメキシコシティから北東へ約50キロの場所にある世界遺産テオティワカン遺跡では年にたった１度だけ、世界中から約１００万人の観光客がこの聖なる場所に訪れる。それが春分の日にあたりエキノクシオ（EQUINOCCIO）と呼ばれている。


↑エキノクシオ当日

考古学は奥が深く諸説多様にあるが定説と呼ばれている話をご紹介したいと思う。テオティワカンという呼び名は今のメキシコシティを拠点に都市を築いたメシカ人（アステカ人）たちが名づけたもので『神々の都市』という意味をもつ。その彼らが12世紀ごろ廃墟となったテオティワカンを発見したとされている。一説によるとテオティワカンは紀元前2世紀に始まり7世紀頃まで存在していた。そこまで最盛を極めた巨大都市が8世紀ごろに謎の滅亡を遂げるが、その理由は今も未解明のままとなっている。

太陽のプラミッド頂上から月のピラミッドが見える

ちょっとだけ不思議に迫ろう。例えば南北4キロもある死者の大通り、それはなぜ造られたのか。ある諸説では死者の大通りはただの道ではなく水を一面に張ったプールだったと述べている。ではなぜ水を張っていたのだろうか。それは古代テオティワカン人が作った地震観測器だと言うではないか。当時の科学者たちが世界中の地震を予測していたのとしたら驚きだ。

この謎多きテオティワカンだが、遺跡を目の当たりにした時の息を呑むような壮大さ、それは「圧巻」の一言だ。その中でも世界三大ピラミッドのひとつと呼ばれる太陽のピラミッドは壮麗だ。高さ65M、底辺225Mにおよび、世界三大ピラミッドの中で登頂できるのはココだけだ。

太陽のピラミッド

長くなってしまったが、本題に入ろう。『エキノクシオ』がなぜ奇跡の日なのか。テオティワカンのエキノクシオはチチェンイッツァのククルカンの降臨のようなものではない。太陽のピラミッドの真上を太陽が通る唯一の日なのだ。その日の太陽エネルギーは広大無辺のパワーがありその恩恵に肖るため大勢の人々が殺到するのだ。日の出時は天辺から次第に陽が昇り、まるで後光が射すようにピラミッドが輝き、神秘的な姿が鑑賞できる。

当日は厳しい交通規制などがあり特別ツアーで行かないと辿り着くのは困難を極めるだろう。太陽と月のピラミッドと死者の大通りのほかは閉鎖されるので必ず事前に確認は必要だ。

さて、どのような服装でいけばよいか。なんといってもメキシコシティもそうだがテオティワカンも標高2200M以上の場所にある。朝晩の寒暖の差はとても激しい。朝は10度前後で日中は20度以上まであがり、そして日差しは強く乾燥している。強いて言えば、薄手で持ち運びやすい防寒着あればよいだろう。エキノクシオの日は太陽エネルギーを体全体に集めるために多くの人々が白い服と赤いスカーフを身にまとっている。

さあ、登頂だ。248段もある階段をせっせと登ってゆく。肥満大国世界第1位メキシコのおば様たちも頑張って登っていく。写真では緩やかな傾斜に見えるが実際は45度もあり、手すり無しでは登れないだろう。必ずスニーカー着用をお勧めしたい。

頂上では手のひらを太陽にむけ、太陽エネルギーを集める人々、パワーストーンを手のひらにのせエネルギーを石に込めている人々、願い事を叫んでいる人々、地上の世界では踊る人々。

古代テオティワカン人たちが築き挙げた場所で古の時代から伝わる、このエキノクシオと呼ばれる奇跡の日に訪れてみる価値は十分にあるだろう。

古代テオティワカン人が太陽のエネルギーを集めるため、綿密に計算された上

で設計されたのがこの太陽のピラミッド。そして古代テオティワカン人の宇宙観などから設計された都市づくりは現代をもはるかに超越していたようだ。