タラベラ焼きとは、メキシコを代表する陶器のうちのひとつです。
蒼色がとても美しく、食器だけでなく、タイルにも使われるので
知らず知らずのうちに見かけてるかもしれませんね。
メキシコを代表する、と書きましたが、その起源はメキシコではなく、
スペインのタラベラ・デ・ラ・レイナ(Talavera dela Reina)にあります。
16世紀半ばの植民地時代、ドミニコ会の修道士たちによって
メキシコにもたらされました。
プエブラは植民地時代に栄えた街であり、ここに最初の工房が
置かれたといわれてます。スペインのタラベラ焼きと、メキシコの
持つ感性の融合の結果がこれなんです。
今回はそのタラベラ焼きの工房を訪ね、プエブラのお隣の州、
こちらの工房では、その作業が分担されてます。
まずは土をこねる担当の方。ろくろを足で回しているのですが
慣れた手つきで、お皿、コップ、灰皿…と次から次へと作って
いきます。
タラベラ焼きといえば、形よりも、その色や模様の美しさが
魅力ですが、こんな風に作られてます。
まずは下絵ですが、これはペンなどで書かれているのでは
この薄い紙ですが、じつは針の穴よりも小さい穴が無数に
あけられてます。これに、同様に細かいカーボンをさらさらと
ふりかけると下絵ができるのです。
これに色をつけて行きます。
これはまだ焼きあがる前ですが、タラベラ焼きの特徴的な蒼色が
現れてます。
しかし実際に使用される絵の具の色と、焼きあがった色では
雰囲気が大分異なります。
使っている絵の具をみても、とても完成後の色を想像することは
できませんね。
その後はもちろんお買い物。
ここの工房の2階に、販売用のタラベラ焼きが並べられているの
ですが、その数3部屋分でした!
こんなにたくさんのタラベラ焼きを見たのは初めてです。
工房でひとつひとつ手作りで作られているので、同じデザインでも
作品の雰囲気が異なります。
また、日本人の家庭の食卓に並んでも、決してうくことのない
デザインもあります。そんなこんなで我が家の食器棚には、
タラベラ焼きが増えていくのでした。
こうして工房を見学することによって、今まで以上にその作品に
愛着がわいていきます。
プエブラやトラスカラでは、モレ・ポブラーノという伝統料理が
有名です。タラベラ焼きだけでなく、奥の深い料理もこの辺り
ではたくさん食べられます。
深く根付いた伝統文化、食、歴史。それがプエブラやトラスカラの
大きな魅力です。
トラスカラ州紀行、最後に紹介する町…というよりは村…
Huamantla(ウアマントラ)
州都・トラスカラから東へ45km、
古くからあるコロニアルな町…村のひとつで、
スペイン植民地時代には大農園がたくさんあったところにもなります
メキシコのとあるガイドブックに、
16世紀に作られたチュリゲラ様式の元修道院が有名だと
書いてあったので、せっかくなので足を運んでみました
トラスカラからバスに揺られること、約1h
このウアマントラは『魔法の町』に登録されています
『魔法の町』とは、メキシコ観光省が2001年に創設したもので、
メキシコの文化や歴史をしっかりと守り、継承している町に与えられます。
ウアマントラは2007年に登録されました
他に登録されている主な町は、
タスコ(2002)、サン・クリストバル・デ・ラス・カサス(2002)、
サン・ミゲル・デ・アジェンデ(2003)、
世界遺産にも登録されているテキーラ村(2003) etc…
そんなことはつゆ知らず、帰ってきてから今更知りました
では早速メインの元修道院へ
なかなか探すのが大変でした。なぜなら地元の人たちも、
『ようわからん… 』 というんで。。。ちょっと不安…
では内観は…
奥の祭壇は煌びやかですが、意外と地味なつくりで、
そして見るところはこれだけ…
…これだけのために来たのかぁ、と半ば落胆気味
けれど町自体がコロニアルでかわらしいから、まぁいっかと、
町をグルグル周っていると、
市場
に遭遇それもかなり規模で、進んでも×2市場が続くのです!!
その規模にも驚きますが、それ以上に何が驚きって、とにかく安い
日本と比べればメキシコシティのスーパーだって安いのですが、
それを遥かに凌駕する価格で本当にビックリ
バナナ1kg : スーパー 9~10ペソ(約100円)
市場 3~4ペソ(約30円)
メロン3kg : スーパー 約30ペソ(約300円)
市場 12ペソ(約120円)
※メキシコはキロ売りが非常に多いです。3kgで3玉ぐらいですかね
マンゴー3kg : スーパー 約30ペソ(約300円)
市場 10ペソ(約100円)
間違いなく破格
メキシコは本当にフルーツ天国で、安いだけじゃなく、
ちゃんと甘くておいしい果実が食べれます
日本の奥様方を是非連れて行ってあげたい…
果物のほかにも、野菜、日用品など、あらゆるものが売られています
なんだか本来の目的からはちょっとズレましたが、
非常に良い出会いをしました
市場のおじちゃんおばちゃんたちも温かい人たちばかり
予定は未定の自由飛行
これだから旅はやめられませんね!!
なんか…地味
本当はもっともっと買いたかったのですが、急遽の買い物だったこと、
そしてメキシコシティまで持って帰らなければいけなかったので、
あまり多くの品々は買えず
バナナ 4ペソ
ほうれん草 2ペソ
マッシュルーム 5ペソ
たまねぎ 5ペソ
ぶどう 10ペソ
合計 26ペソ(約260円)也
今回のトラスカラ州紀行で学んだこと
地方に行く際には大きな袋を持って、
近くの村へエクスカーション
***MAFU
メキシコシティにある国立人類学博物館。
世界でも有数の規模を誇り、様々な遺跡から発掘された貴重な出土品が
展示されている、メキシコシティ観光のハイライトの1つ
トルテカ文明のとある遺跡で発見された壁画のレプリカです。
本物は、その遺跡に足を運ばないと見れません…
ということで、
『こんなキレイな壁画が本当に残ってるのかなぁ』
と、この目で確かめたくなったので、行ってきましたその遺跡へ
その名も、カカシュトラ
トラスカラ州の州都、トラスカラから、バスに揺られること30分弱、
カカシュトラの最寄の村に到着します。
なーんにもない最寄の村から坂道を上り続けて約15分、
『どれが遺跡?? 』
ここカカシュトラは他とはちょっと違う、一風変わった遺跡なんです
そしてようやく遺跡到着
残念ながらアクセスしづらい、個人では行きづらい遺跡です
しかし、週末にはトラスカラからツアーが出ているみたいなので、
それで行くのがベストかもしれません
カカシュトラ、何が一風変わっているかというと…
このように、とても大きな屋根に遺跡全体が覆われています
なぜかというと…
保存状態よくいくつも残っている為。
太陽の光や雨で壁画が色落ちしないよう、壊れないように
あの大きな屋根で覆っているのです。
遺跡全体はこんな感じ。
ちなみに遺跡を覆っているこの大きな屋根。
2007年5月に豪雨ならぬヒョウが降り、屋根を壊してしまい、
そして壁画を少し傷つけてしまった為、屋根を修復する関係で
しばらくの間、遺跡を見学することができませんでした。
ようやく屋根が修復され、最近になって公開されるようになりました。
メキシコ原産のとうもろこしや、雨に関連してカエル
が描かれており、農作業か雨乞いか何かを表しているのだとか…
いくつかの鮮やかな壁画たちの中で、有名とされている壁画は2箇所
まずは全長22mにもわたって描かれている壮大な壁画
48人以上の人物が描かれており、戦いの様子などが表現されています。
う~ん…アップにしてもよくわからない
人が描かれてるのはわかりますが…
この壁画は色落ちや、剥げてしまっている部分がちょっと多いです。
では、もうひとつの有名な壁画へご案内
古代に描いたものとは思えない、保存状態の良い極彩色の壁画
そしてこの壁画が冒頭に載せた、
国立人類学博物館にあるレプリカの本物
ではさっそく比べてみましょう まずは上記左側の壁画から
続いて右側の壁画
おぉ レプリカそっくり
ここカカシュトラの壁画は、テオティワカンやマヤなど様々な文明の
影響を受けているところも大変興味深いです
メキシコの様々な遺跡から壁画は発見されていますが、
このカカシュトラの壁画群が最も保存状態の良い、美しい壁画とも
いわれています
メキシコシティからすぐのところに、こんな素晴らしいトコロがあるのですが、
なぜか日本のガイドブック等では、あまり大きく取り上げられず…
メキシコシティご滞在で余裕のある方は、是非×2
足を運んでみて下さい!
余裕のない方は…
国立人類学博物館でご覧あれ
***MAFU