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今朝の日経新聞で、「桜見て元気に!」という記事が出ていました。

震災の影響で自粛ムードが広がる中、これからゴールデンウィーク中に桜の開花を迎える東北各地の桜の名所でもたくさんのツアーキャンセルが相次ぎ、被災していない地域まで影響が及んでいるようです。

そんな中、「花を見て元気なってほしい」と桜祭りをあえて実施する動きもあるようです。
わたしたちがツアーを実施しているわけではありませんが、ご紹介致します。

東北の桜の代表といえば、福島県三春町にある樹齢1000年以上とされる日本三大桜のひとつ天然記念物「三春の滝桜」。例年30万人以上が全国各地から訪れますが、今年は約40km離れた福島第一原発事故の影響や旅行すること自体に気兼ねする雰囲気もあって、見物客は大幅に減ると予測されています。三春町は近隣の避難者の対応などで例年行っているライトアップや売店の設置などは見物客などの対応は取りやめるとのことですが、それでも三春町の産業課では「滝桜を見て、元気を受け取ってほしい。三春も被災地だが、実際に来て頑張ってくださいと声をかけてもらえるとありがたい」とのこと。
三春町のホームページ
http://www.town.miharu.fukushima.jp/03kanko/01takizakura/03_0307takizakura_shinsai.htm
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三春の滝桜



昨年260万人もの桜見物客が訪れた青森県弘前城公園。東北新幹線の全線開業に加え、弘前城築城400年でより多くの人出を期待していたそうです。しかし市では「みんなが元気をなくしてはだめ」と例年通り4月下旬から「弘前さくらまつり」をあえて開催。入場料の一部を寄付し、被災者の団体での招待を予定しているとのこと。
http://www.hirosaki.co.jp/htcb/sightseeing/fes/sakuramatsuri.html
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秋田県角館(かくのだて)も桜の名所で有名です。こちらの「角館桜まつり」も復興を目指す気持ちを込め「がんばろう!東北角館の桜」と名称と変え、期間短縮ながらも実施の方向とのことです。
角館観光協会 http://kakunodate-kanko.jp/sakura03.html
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武家屋敷と天然記念物のしだれ桜


昔からお付き合いのある旧知の東北沿岸部のホテルやお土産屋さんなど、残念ながら多大な被災を受けました。さらに今では、被災していない地域まで経済活動の停滞が広がり、本来元気であるはずの地域まで影響が及んでいるのが実情のようです。特に東北では地域内でのつながりが強い分、電線のようにどこかが倒れるとみんな倒れていくことになってしまうと危機感を強めている方も多くいらっしゃいます。

もちろん、騒いだりということは当然慎むにしても、

やはり美しいものを見て、癒されたり、元気になったりということも人間が生きていく上では必要かと思いますし、被災地も一日も早く復旧復興して、素直に美しいものを美しいと思える環境になれることを祈るばかりです。

今回の震災は、自然を楽しむ場として取り扱う私たちにも大きな衝撃を与えました。
震災前までは、地球が創造した自然は、壮大で神秘的で、時として人間をも寄せ付けない厳しさをもち、自然の造形に触れることで人間が創り出せないモノがあることを知る、すばらしい体験を与えてくれるものだと信じていました。自然と向かい合うことで、自然を大切にする謙虚な気持ちになれると。しかし、今回の震災はそうした心を引き裂くほどあまりに大きな被害をもたらしました。正直、自然を楽しむなどと言っている場合ではないと思い悩む日々でした。

そんな時、通勤途中、道路脇の雑木林に、幹の途中で横に大きく折れ曲がった不思議な形をしている木を見かけました。たくさんの枝や青々とした葉をもつ大きな木ですが、よく見るとそれを支える大きな幹の大部分は上下に抉り取られたように朽ちて、幹の約2割程度しか機能していないようでした。わずかに機能している幹から横に大きく折れ曲がるように枝葉を太陽に向けて伸ばしているのです。この木にとっては、成長の途中で何かしらの事故があって、生存の危機にさらされたのでしょう。しかし、2割しかない幹を使って、変形はしているけれども枝を伸ばし青々とした葉を携え、野鳥の憩いの場となっていました。しかも印象的だったのは、変形した幹と枝葉を支える根の強靭さ。土にしっかりと力強く張っている根を見て、その忍耐力に心奪われました。毎日通っていても気づかないただの木が、私に大きな勇気を与えてくれる木となりました。
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その木と出会ってから、直面している現実から逃れることはできないと思い直しました。この震災を教訓に前へ進む決意をされ、勇気を与え続けている多くの方々が既にいらっしゃいます。それもまた現実であること知り、今こそ各々の立場でできる復興を考え、まずは実行することではないかという思いに至りました。

「自然を知り、自然から学ぶこと」。多くの方々にそのお手伝いすることが私たちの目標であり、存在意義です。そして旅行業という立場から「自然を楽しむ」ことを通してそれを伝えるのが、私たちの役目です。厳しい現実を突きつけられた私たちに、「被害をもたらす自然」と同時に「生きる勇気を与えてくれる自然」という自然の本質を今回の震災は改めて教えてくれました。


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