登山トレッキング、自然体験、環境保全、環境教育、文化交流などエコ&エシカルな旅の情報をお届けします！大自然体験・トレッキングエコツアー旅ブログ

テーマ： Green Traveler の部屋

2011.04.19

屋久島の草花自然観察

いつもご覧頂きありがとうございます。green traveler編集長です。

世界自然遺産である屋久島には、縄文杉をはじめとした巨木がなんといってもシンボルですね。縄文杉までは往復約10時間の長い道のりを経て行きますので、なかなか気力体力が充実していないといけないものです。
簡単に屋久島の巨木を観察できるのは・・・・「紀元杉」です。

屋久島の３大ヤクスギのひとつです。縄文杉・弥生杉に次ぐ大きな巨木です。推定樹齢3000年。樹高19.5m。胸高周囲８.１ｍの巨木中の巨木です。道路から見えるほどの場所にあるので、なんといってもその手軽さがうれしい巨木です。ヤクスギランドより車で５分ほどの場所で、路線バスも「紀元杉」というバス停があります。

屋久島の低地でよく見られる「ヘゴ」。亜熱帯性の照葉樹林のシンボルといってよいかもしれません。

こちらも亜熱帯性のガジュマル。枝から根が生えるという奇妙な木です。低地の集落でも見られます。中でも志戸子（しとこ）は規模の大きな密集地となっています。

一見、桜？と思われがちですが、サクラツツジと言います。屋久島では低地から森まで広く見られます。例年2～6月に花を咲かせ、遠目に桜に見えるツツジ科であることからその名前が付きました。屋久島では「カワザクラ」と呼ばれています。白谷雲水峡の周辺でもよく見られます。

低地の道端でよく見かけるツワブキ。黄色い花を咲かせます。茎部分はフキとしてよく料理にも利用されています。

奇妙な形ですよね。マムシグサといいます。茎部分がマムシのような色合いをしていることから名づけられました。白谷雲水峡や西部林道などで見られます。有毒植物なので食べないように！

屋久島に多い苔に咲く花。コケスミレ。見つけるのが難しい小指の爪よりも小さな花です。山道を歩いているときに注意して探して見てください。

標高1000m以上の高山地帯に咲くかわいらしい花。アセビ。４月下旬～5月にかけて花を咲かせます。スズランに似た壷状のかわいらしい花の形とは裏腹に有毒植物で枝葉の煎じ汁を害虫駆除に使われていました。

最後はコレ。しゃくなげ。屋久島のシンボルといっても良い花です。

開花は5月下旬～6月で1200m以上に生える常緑低木。高山地帯に自生するしゃくなげは通常のしゃくなげと異なる固有種ヤクシマシャクナゲ。花の色が、開花当初は紅色や桃色で盛りを過ぎると純白に変化する。山岳信仰の象徴の花でもあったこのシャクナゲは、宮之浦岳登山の時の道のりでたくさん見かけます。場所によってはシャクナゲのトンネルが見られる場合もあります。

またヤクシマシャクナゲと通常のシャクナゲを見分けるポイントは、葉っぱの裏。

通常のシャクナゲはツルツルしていますが、ヤクシマシャクナゲは毛が生えてふさふさしています。シャクナゲが自生する高山地帯は冬は積雪がある厳しい環境のため、葉っぱも冬は丸まって保護しています。けなげでありながら、実に力強い植物です。

いかがでしたか？ここで紹介した植物は、屋久島で観察できるほんのひと握りです。ただこれだけでも、わかるのは、亜熱帯から冷帯までの気候に則した多様な植物が同じ島の中に生きているという事実です。そうしたことからも、類まれな自然環境であり、世界自然遺産に値する島であることがわかります。

屋久島の植物の多様性に触れるツアーがこの２つです。
●屋久島しゃくなげ登山3・4日間
http://www.his-j.com/tyo/eco/japan/eco-kum_shakunage.htm

●宮之浦岳・縄文杉・白谷雲水峡縦走4日間
http://www.his-j.com/tyo/eco/japan/eco-kum_miyanoura_juso_201106.htm

ちなみに、日本に存在する1600種類のコケのうち、実に600種類が屋久島に生育しています。しかも、ヤクシマと名の付く固有種が16存在します。コケにもそんなに種類があるんですよ。