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テーマ：知床

2011.05.26

日本でないような世界自然遺産知床④　知床五湖を歩いてみよう

いつもご覧頂きありがとうございます。green traveler編集長の鮫島です。

シリーズ「日本でないような世界遺産知床」。今日は知床を訪れた人なら必ず訪れる「知床五湖」の紹介です。

場所の確認をしてみましょう。北海道の東の果て、オホーツク海に突き出たのが知床半島です。知床五湖とは、半島の真ん中の知床峠よりウトロ側にある5つの湖を指します。

空から見るとこんな感じ。

知床五湖の魅力はなんといっても豊かな原生林と湖、そして羅臼岳をはじめとした知床連山の山々の景観は本当に美しいのひとことです。

植生は、エゾマツ、トドマツ、そしてミズナラがたくさん！

でも最近は、エゾジカが激増し、冬場に食べるものがなくなると木の皮を食べるために、木が枯れてしまい、知床の森自体が衰退している主因といわれています。

オオカミがいればそうことはないのですが、そのオオカミを完全駆除したのは人間なのですから、間接的には人間の仕業ということになります。シカが増えすぎて、植生や農業に害を与える事例は全国に広がっています。真剣に考えなければならない環境問題のひとつです。

そして、知床五湖のもう一つの特徴は、エゾジカ、エゾリス、モモンガ、そしてヒグマなど野生動物の良好な生息地だということです。

もともと人間が立ち入らない地域であるので、私たちが訪れる際には「お邪魔させてもらっている」という謙虚な姿勢が必要です。実際、知床五湖ではヒグマが頻繁に出没するようになったため、現在は環境省のレンジャーたちがパトロール、追い払い、歩道の閉鎖、ヒグマ対策高架木道の整備等の対策を実施しています。

このようにもともとはヒグマの生息地であるところに人間が踏み込むようになったわけですが、ヒグマの襲われないような安全な利用とのヒグマの生息環境を両立させるための取り組みが今年の5月から開始しました。クマに言っても理解はしてくれませんので、そこは人間側が理解し、動かなければいけません。
やっていることは、事前レクチャー（講義）と時期によってはガイドの義務化し、またヒクマの活動に応じて時期とルートを定めています。「学びながら楽しむ」まさにエコツアーの精神を実行しています。

●ヒグマ活動期（5/10～7/31）

知床五湖をヒグマが頻繁に利用し、観光客とヒグマの遭遇によるヒグマの人慣れ、事故のおそれがある時期。
【ルート】入口->５湖->４湖->３湖->2湖->出口
【規制】ヒグマに遭遇した時の対処方法を習得した引率者（認定ガイド）がいること。1名の引率者に対し、最大10名とし、最大同時滞在グループを8グループ。以降10分～20分間隔をあける。

●植生保護期（8/1～10/20）
利用者が多く、利用者の踏圧による植生の荒廃のおそれがある時期。

【ルート】入口->５湖->４湖->３湖->2湖->高架木道->入口->2湖->1湖->高架木道->入口
【規制】受付施設で植生保護・ヒグマ遭遇時の対処方法についてレクチャーを受講する義務。ガイドは同行の必要はないが、1時間最大300名の利用者とする。

●自由利用期（10/21～閉鎖日）
利用者が少なく、利用による環境負荷が少ない時期。
【ルート】入口->５湖->４湖->３湖->2湖->高架木道->入口->2湖->1湖->高架木道->入口
【規制】特に規制なし。

↑高架木道（ヒグマとの遭遇防止・植生保護のため）

ここまで細かく規制が入るのは、日本ではおそらく初めてではないかと思います。今年から始まったばかりですから、改善点も出てくると思われますが、いずれにせよ「野生動物との共生」の第一歩を踏み出したといえるでしょう。

ヒグマ活動期には、引率者（ガイド）の同行が義務付けられました。green travelerは、これまでもガイドの役割を重視してきたので、本当にうれしい限りです。自分たちで歩くだけだと、視覚だけの情報であることが多く、本当の魅力を理解わかったとはいえません。自然を楽しむ術を知っているガイドと一緒に歩くと、いろんな新発見に驚かされますよ。

また私たちgreen travelerの知床ツアーの特徴は、知床五湖をすべて網羅するということです。多くのツアーは、手前の１湖・２湖だけの１時間ほどの滞在ですぐに立ち去ってしまうツアーがほとんどですが、私たちはガイドとじっくり足元や木の陰に隠れた自然お神秘に５感を使って体感していただくプログラムを用意しています。「ディズニーリゾート」にも負けないリアルな物語が待っていますよ


さあ、五感にチャージする大自然知床の旅へ