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シリーズ「ラオス」。今日は世界最初の街全体が世界遺産に登録された美しい街ルアンパバーンの代表的な風景である「托鉢(たくはつ)」についてレポートします!
ラオスは、敬虔な仏教国で、日本と違い上座部仏教(小乗仏教)の国です。特に古都ルアンババーンは日本の京都のような存在で、市内には実に100の寺院があるそうです。
托鉢とは何か、まずはこの画像を見てください。
托鉢(たくはつ)とは・・お坊さんが毎朝、日の出前に市内を歩き、住民からご飯やお菓子など食べ物を喜捨(寄付)してもらう行為です。喜捨されたものを覗いてみると・・・・ほとんどが、主食であるもち米でした。なかにはお金もありました・・・
こうした托鉢僧はルアンババーンだけで約3000人いるといわれ、ミャンマーに並び東南アジア最大級といわれます。
今か今かと待つ人々。
喜捨を行うことで、自らに代わって僧侶に自らの先祖にお供えをしてもらうという意味をこめているそうです。自分の食べ物は自分のためでなく、少しを他人へ分け与えるという行為ですが、これが毎朝欠かすことなく行われることに感動せずにはいられませんでした。
しかも喜捨を受けた僧侶たちは、住民から喜捨されたものだけが、その日食べることができる食料となります。自ら料理を作ることはないそうです。各お寺ごとに一旦集めたものを各僧侶ごとに分配するのだそうです。
中でも私が最も心動かされたのは、この1枚の写真でした。実は一番手前の女の子は親のいない孤児です。それ以外の住民は家族総出で僧侶にあげる方の立場ですが、手前の女の子はあげる物がありません。それを見た僧侶たちが次々と彼女のザルにお菓子や食べ物を入れていきます。せがむわけもなく、施しを頂く度に背筋を伸ばしてじっと手を合わせ拝む彼女の姿に、私は涙が止まりませんでした。
私にも彼女と同じくらい年の娘がいますが、自分の娘にこの光景を見せた時にはたして理解できるか不安になりました。ただ、少なくとも彼女のような不遇な立場でも生きることができるラオスという国のこの姿に心洗われたのは間違いありません。
ちょうどこの日は中秋の名月。ラオスでは特に満月の日は特別の日のようで、女性の衣装も普段着でなくシンという民族衣装の正装です。またぶらり立ち寄った寺院では太鼓と鐃祓(にょうはち※シンバルのような楽器)などで演奏をしており、そこにたくさんのお供え物をもった人々がお参りに来ていました。
そしてそこでは、老人から小さな子どもまで、個人、家族や親戚の枠を超えてコミュニケーションをとるたわいもない日常の「場」があるのでした。何気ないその風景を見て、そこに「日本が失ったもの」を咄嗟に感じました。
ルアンババーンではホームレスやストリートチルドレンを見かけませんでした。またラオスには自殺者もいないそうです。
ラオスは国連の位置づけで最貧国と言われていますが、こうした仏教の慣習を通じた相互扶助の行為が当たり前のように行われているこの国が本当に貧しい国といえるでしょうか?
その疑問に対する答えは、ルアンパバーン市内を歩くとより明確になっていきます。
明日は、市内の見所をさらにお伝えします
H.I.S.エコツーリズムデスク green traveler
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