先日、岡本太郎氏の明日の神話の話を書きましたが、
今回は壁画家シケイロスに関して。
明日の神話が設置される予定だったオテル・デ・メヒコに
なる予定だったワールドトレードセンターの横には、
ポリフォルム・シケイロス文化センターが建っています。
ここには、シケイロス作の世界最大の壁画があることで有名です。
それ以外にも、ここにある壁画はすべて、シケイロスによるもの。
階段をのぼると、そこはシケイロス・ワールドです。
「人類の行進(La Marucha de la Humanidad)」という作品なのですが、
あまりにも大きく、そして平面ではなく、ドーム上の形をとっているため、
1枚の写真におさめることはできません。
高さは13メートル、周囲180メートルという大きさ。
「人類の行進」というこの絵には、人類の歴史と未来を表している
ようです。
それぞれ7つのパネルにわかれています。
例えばこちらは「女性(La Mujer)」というパネル。
平和、文化、未来における社会の調和というメッセージ。
(↑この絵はメトロブス1号線、ポリフォルム駅のピクトグラムに
なってますね)
対する「男性(El Hombre)」には創造、支配、科学の有用性という
メッセージがこめられてます。
ひとつの壁画に7つの部位があり、それぞれに込められた
シケイロスの思いがあります。
床は電動でまわるようになっており、文字通り壁画に囲まれた
世界にトリップすることができます。これだけ人を圧倒させる
芸術というのも、そうそうないのではないでしょうか。
岡本太郎氏はメキシコの壁画からも多大な大きな影響を受け、
明日の神話を作成する際に、実際にシケイロスとも会ったという
話があるそうです。
ワールドトレードセンターと、ポリフォルム・シケイロス文化センターは
隣通しで全く別な建物ですが、もしオテル・デ・メヒコが
完成していれば、隣通しの建物に岡本太郎、そしてダビッド・
アルファロ・シケイロスの歴史的な大作が並んだことになったのでしょう。