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屋久島の象徴は今や縄文杉ですが、個人的には宮之浦岳だと思っています。宮之浦岳までの道のりでは、屋久島の姿をほぼ網羅できること、その神秘性、そして屋久島最高峰であることです。標高は1936m。九州最高峰、日本百名山の100番目の山。頂上までは決して楽ではありませんが、昨日の体験レポートをお伝えします。
淀川登山口を早朝5:30スタート。まだ夜明け前。登山口の標高は1300mですから縄文杉と同じくらいの標高。一帯はヤスクギと苔の屋久島らしい森に覆われています。最初の休憩地点は淀川小屋という淀川のほとり。この淀川が本当に美しい。水の色が透き通り、屋久島を代表する水場。宮之浦岳までの道程で三ヶ所の水場があり、その都度水分補給できます。その水が冷たくうまい!
登っていり間に夜明け。深い森に光が差し、野鳥のさえずりが朝であることを実感させてくれます。
これは花之江河(はなのえごう)という高層湿原。日本最南端の湿原なんです。写真出前はほこら。こうした祠が各所に見られます。安全を祈願して再出発。
高山地帯から望む朝日
投石平という標高1700mあたりから高山地帯の様相にかわり、大きな深い森から低い笹などの見通しの良い景色に変わっていきます。なかでもヤクシマシャクナゲは随所に自生。写真にもあるようにつぼみを付けているものもありました。開花シーズンは5月末から6月です。場所によってはシャクナゲのトンネルを期待できます。
木々の根が入り組んだ登山道
ヤクシマシャクナゲの特徴は葉っぱの裏がやわらかい毛が生えていること。さわるとふわふわします。観賞用によく使われる西洋シャクナゲはツルツル。ヤクシマシャクナゲは低地でなく高山地帯にしか自生しません。また厳しい冬を越えるために冬は葉っぱを丸めて身を守っています。
4月も半ばだというのにまだ雪が残っていました。もともと屋久島は積雪の南限と言われていて高山地帯は毎年冬に覆われますが、今年は特にひどかったようで、写真は標高は1800m付近ですがまだ雪渓として残っていました。地元の人もこんなことは聞いたことがないと言ってました。
高山地帯ではシャクナゲともうひとつアセビをよく見かけます。スズランのように壺形の白い花が特徴で4月下旬頃から彩ります。かわいらしい花ですが、実は有毒植物で枝葉の煎じ汁を害虫駆除に使ったと言われています。
三ヶ所ほどこうしたロープを使って登り降りする場所があります。ロープを体の中心に据えることが大事。どちらかに偏るとバランスを崩してロープが揺れてしまいます。ゆっくりやれば問題ありません。
高山地帯には写真出前のような不思議な形をした巨石が数多く見られます。なかには豆腐を割ったような形、仏像、モアイ像のような形など。神様が置き忘れた美術品を見ているようです。もともと屋久島は島全体がかこう岩でできた一枚岩の島で、風化によりこうした奇石ができたと言われています。写真は宮之浦岳からみた栗生岳(くりおだけ)、翁岳(おきなだけ)、安房岳(あんぼうだけ)など奥岳の山々。
頂上まであと一息。
出発から約五時間、ようやく宮之浦岳山頂です。この日は晴天無風で最高の天気。山頂からは屋久島を取り巻く水平線と島々、遠く九州本土の開聞岳や大隅半島の山々、桜島の噴煙も見え、360℃の息を飲む大パノラマでした。山頂でお昼。
山頂の巨石の影には祠があります。見過ごす方が多いのですが、無事ここまでこれたことに感謝の祈りをしました。というのも悪天候の時の屋久島高山地帯は厳しい環境で、毎年無理な登山のために犠牲者が出ています。また昔から神隠しの伝説もあるほど、畏れ多い山なのです。そうした自然に対しての畏敬の念をもちつつ楽しむのが自然に対する礼儀だと思います。ですから、決して無理しないこと。自然は時として厳しいものです。
(くりお岳からみた宮之浦岳)
いかがでしたか?山頂には70代の女性もいらっしゃったので健康であればどなたでもチャレンジできると思います。登山道の特徴としてはアップダウンの多さ。下山時も下るだけでなく登りもありますので、最後まで気力体力が必要です。ただその分、得られる感動も多い山だと思いました。
エコツーリズムデスクでは、宮之浦岳登頂を目指すツアーとして5月27日発の屋久島観光協会しゃくなげ登山プラン、6月3日発の宮之浦岳と縄文杉縦走コースのツアーをご用意しています。詳しくはH.I.Sエコツーリズムデスクホームページをご覧ください!
宮之浦岳・縄文杉・白谷雲水峡 縦走コース
http://www.his-j.com/tyo/eco/japan/eco-kum_miyanoura_juso_201106.htm
しゃくなげ登山
http://www.his-j.com/tyo/eco/japan/eco-kum_shakunage.htm
H.I.S.エコツーリズムデスク
五感にチャージする大自然エコツアー
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