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昨日まで対馬に行ってきました!対馬は長崎県の離島ですが、韓国まで約50kmととても近く、日本最北西端の地でもあります。本土から最も近い交通アクセスである福岡よりも、釜山までのほうが近いというまさに「さいはて」の国境の島です。
印象的な景色は、パラオの「ロックアイランド」のような入り組んだ小島がたくさんある海域。リアス式で入り組んだ独特な海岸線は、穏やかな海域を作り出し、特にシーカヤックには絶好のスポットです!
対馬の自然を語る上ではツシマヤマネコははずせません!対馬だけの野生生物で、絶滅危惧種の野生ネコ。
環境省の対馬野生生物保護センターで見ることができます。
実際に対馬には野生のツシマヤマネコが生息しています。ヤマネコの仲間で日本に生息するのは、西表島のイリオモテヤマネコとこの対馬のツシマヤマネコの二種のみ。
道路にはこんな標識が至るところにありました!ヤマネコは絶滅の危機に瀕しており、減少要因として1位が生息地の縮小、2位が交通事故、3位が罠による錯誤捕獲、4位が飼いネコからの感染症なのだそうです。既に100頭を切っているいるとも言われていますから、かなり危機的で、対馬の南部は既に絶滅したとも言われており、現在では北部地域で鳥獣保護区としてヤマネコの保護に取り組んでいます。
対馬空港にもこんな掲示板がありました。やはり交通事故が多いということでしょう。
交通事故を防ぐために「カルバード」というヤマネコのための道路迂回路もあります。
実際にはヤマネコの生態でわかっていないこともあるので、環境省では実際に使われているかどうか赤外線自動カメラを設置して調査しています。
そして、もっともヤマネコの現象に影響しているといわれるのが生息環境の悪化です。そもそもヤマネコは、ネズミが大好物。そのほか、カエル・モグラ・昆虫などを食べています。つまり、対馬の陸上生物の中では食物連鎖の頂点にいるのがツシマヤマネコなのです。どれも「里」にいる動物たち。従って、里のほうに生息密度が高く、「里ネコ」と呼ぶ人がいるくらい。
なぜ生息環境が悪化したのでしょうか。ひとつは、人口減少に伴いヤマネコが大好物のネズミや昆虫、カエルが生息するたんぼや畑の減少してきたこと。そして、効率的な生産のための農薬の利用や圃場整備により、そうした動物たちが暮らしにくい環境になったことが原因と言われています。確かに、農業そのものは、人間の食料生産の手段ですが、昔ながらの伝統的な島の農業には、ヤマネコにとってもやさしい農業であったようです。
こうしてみると、手付かずの自然がなくなったからではなく、自然への働きかけが弱まったためにヤマネコが安心して暮らせなくなってしまったのです。
地元ではヤマネコの保全と地域活性化を結びつけようと取り組みがされています。それが『ヤマネコ米』です。
ヤマネコの生息環境を守ろうと、地元住民が立ち上がりました具体的には、田植え前、田植え後も水を入れておくことでプランクトンやミミズなどの微生物が増え、さらにそれを狙う水鳥の糞により天然の有機土壌が作られます。また、水田に魚道やビオトーブと呼ばれる水溜りを作り、メダカ・フナ・ドジョウ・カエルが生息する環境を復活させ、田圃自体を生物多様性保全の場所とする活動も行っています。
それによって、ヤマネコの餌となる生き物が増えるような活動をしており、ヤマネコが実際に現れるようにもなったそうです。
私が訪れた時に、この取り組みについてのテレビ取材がきていました。
有機栽培の安全でおいしいヤマネコ米を買うことで、ヤマネコの生息環境を守ることにもつながるのです!今年の新米もあるそうです!ぜひご購入ください!
▼ヤマネコ米の詳しい情報はこちら
http://www.yamanekomai.com/
ちなみに普通のネコとやまねこの違いって何でしょうか。ぱっと見た感じはよくわからないのですが、最大の特徴は耳の裏の白い毛の模様だそうですよ。
ヤマネコの保全と地域活性化を両立する「ヤマネコ米」の取組みはとても共感できるものです。皆さんも、おいしくて安全なヤマネコ米食べて、ヤマネコの保全に貢献しませんか?
▼ヤマネコ米の詳しい情報はこちら
http://www.yamanekomai.com/
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