前回 の続き。
船が出発すると、すぐにマングローブの森が見えます。
メスカルティタンへはこの森を抜けて向かいます。
15分くらい進むと島が見えてきます。
小さな島だとは聞いていましたが、まさかこんなに小さいとは
思ってもいませんでした。
また、この島が紹介された本を見ると、きれいに島全体が
写っているものがほとんど。
しかし周りを見渡しても、島の前景を望むような高い建物も、丘も
ありません。
島の周りには、ただただ広い空がひろがるばかりです。
この島の名前はナワトル語で、「En la casa de la luna」という
意味です。月の家の中、とでも訳すのでしょうか。
古代アステカの民は、蛇を加えた鷲の降り立つとこを目指しなさい
という神様のお告げの通り、この地を出発し、現在のメキシコシティに
あたる、テノチティトゥランへ向かい、そこに都市を築き上げましたと
言われています。
島の全景は、この島の博物館で見ることができます。
島の全景をとることはできませんが、博物館でその模型を
見ることができます。
テノチティトゥランも当時は島でした。なんだかこの島と似ていると
思いませんか。
先ほども書きましたがこの島はとても小さいです。
島の中心にソカロ広場と教会が建っています。
中心といってもちょっと歩くと向かい側の見えてしまうぐらいです。
世帯数はおよそ400とのこと。
この島には、病院、ホテル、レストランなど島内で完結できる
施設はほとんどそろってますが、銀行と警察はありません。
(街を歩いてみると警察なんていらないなと思う程、のんびり
してます)
上の写真はソカロを通る通りで、いわば目抜き通りですが、
こんなに小さな通りです。
それもそのはず、この島には車が走っていなく、人口も
少ないので、大きな通りなど必要ないのです。
島内の移動手段は徒歩のみ。島の外とは船で移動します。
東西南北にのびる通りのほかに、環状の道が2本。
こちらの道は舗装もされていません。
ぐるぐる歩いていると、すぐに同じところに戻ってきます。
なんとなく、島の人たちと顔で挨拶したり。
魚を取っている船があると、その周りにはたくさんの鳥が寄って
きます。
プエブロマヒコ(魔法の街)に登録され、観光客も増えている
ナヤリ州の新しいナンバープレートには、このメスカルティタンが
描かれています。(以前はヌエボ・バジャルタの風景でした。)
余談ですが、メキシコにはご当地ナンバープレートがあります。
そのナンバープレートをみているだけでも面白いです。
閑話休題。
さて、このメスカルティタン。特にこれといって大きな見所が
あるわけでもありませんし、有名なおみやげ物もありません。
ソカロの前には、おみやげ物の露天もあるのですが、
鶏のおもちゃに、手書きでMEXCALTITANと書かれているものが
売っていたり、いつとったかわからない古い島の風景の
ポストカードが売られていたりするくらいです。
でも、別にそんなのはどうでもよいのです。
この島には、言葉にはできないような魅力があふれています。
素朴な人たちの笑顔、青い空、潮風の匂い、耳をすませば
聞こえる鳥の鳴き声、ゆるやかに流れる時間...。
そんなものを感じながら、太古の歴史に思いを馳せてみて
ください。忘れている何かに気がつくかもしれません。
続く
***YUTA