パブ:Publog 2009.02.22

先週、Valentine Weekendで盛り上がるロンドン。私はもれなくお仕事でした。

このご時世に忙しいのはいいことなのでしょうが・・・

で、頑張った自分へのご褒美に、という大義名分の下、週末に足を運んだのがRed Lionというイギリスで2番目に多い名前を持つパブ。


ちなみに以下多い名前ベスト10!

1.Crown (704)

2.Red Lion (668)

3.Royal Oak (541)

4.Swan (451)

5.White Hart (431)

6.Railway (420)

7.Plough (413)

8 White Horse(379)

9.Bell (378)

10. New Inn (372)

( ) 内は件数、2007年 CAMRA(エール販売促進団体Campaign for Real Ale調べ)


このパブがあるのは昔イングランドの王様がバッキンガムに居を移す前まで住んでいたSt.James Placeの前にあるCrown Passage。


H.I.S.ロンドン雑学講座-Red Lion9

この建物ケベックハウスの真ん中にポカンと空いた穴がCrown Passage。


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これが入り口。


さらに進むと・・・見えて参りました。
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イギリスでよく見かける赤いライオンのパブサイン(看板)。


パブには○○ Armsという名前がつくものが多いです。

Armというのは紋章という意味なのですが、昔はもともとパブサイン(看板)として紋章を看板のデザインにしていたものが多かったのです。

この紋章に関するルールを書くだけで1冊の本がかけるぐらい深いので、ここではこれくらいに。

紋章のデザインでポピュラーだったのがライオン、 しかも赤。

そこからレッドライオンの意匠を取り出し使用するようになりました。そして多く現存する屋号になり、一方で屋号の一部としてのArmsという単語が残り、形骸化して、パブサインのデザインに紋章(Arms)を使用していなくても屋号にArmsがつくパブが多くなりました。

日本で言うところの中華料理屋、ラーメン屋に○○軒とか、○○亭というのがよく意味がわからないけれども使われているみたいなものでしょうか。それを言うとなんで日本語で△△屋というのか、というのもよくわかりませんが・・・。


この通りはとても素敵で、未だにガス灯が使ってあります。これはかなりレア。

まぁ同じ並びにEAT.などのチェーンのカフェがあったりするのですが・・・。

世界で最初のガス会社が設立されたのもココ、イギリスはロンドン。

また世界で最初に公道にガスの街灯が設置されたのはこのCrown Passageがあるケベックハウスが面しているPall Mallという名前の通りで1807年らしいので、200年前からあるのかもしれないと思うとロマンを感じます。


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昼間でもガスの灯が見えるガス灯。


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そしてこのパブ2nd Oldest Licensed Pub in London と謳ってありますが真偽のほどは不明。


入り口は、他の歴史のあるパブの例に漏れず、小さいながらも入り口が二つあります。

中に入ってみると、現在は仕切りはなく一室作りになっています。

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そして中は趣がある木の壁に歴史を感じさせる装飾品。


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New Castle Brown Aleの昔のポスターのレプリカ。

〝One Good Round, Deserve Another〟

仲間たちと飲むいい一杯は、次の一杯を約束する、みたいな感じでしょうか?


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ちょっとした飾りがよい味をだし、昔ながらの窓ガラスの装飾がさりげなく雰囲気を出しています。


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夜のガス灯。Gas Light・・・いい響きです。


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カウンターの上の部分にはステンドグラスが施されていて特徴的。

その裏面にはビアグラスが置いてあったり、クリスプス(ポテトチップス)が置いてあったりと機能面でもしっかりと役割を果たしています。


そしてPine of the day、今日の一杯。

〝Tribute〟

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よくみるとハンドポンプのラベルに1851年の文字。

なんと明治維新よりも更に日米和親条約よりも前!

この年号はこのトリビュートの製造を続けているSt.Austel Brewryの設立年。

実はマークス&スペンサー(基本全てプライベートブランドのやや高級なスーパー)で購入できるM&S Cornish IPAを提供しているもこのブリュワリーです。


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Cornwall(コーンウォール:イギリス西南部)のエールでほんのり甘く飲み口がよく、適度にホップが効いているので飽きがきません。

コーンウォールのエールはその地方独特のモルト(Cornish Golden Maltを使用していることが多く、風味がよく好みなのです。

味だけではなく、その地方に行ったことがありエールを通じてその景色、空気が思い出されてエールを更においしいものにしてくれているのだと思います。


このパブのあるグリーンパークというエリアが宮殿から近いこともあり、王室御用達の品格があるお店の立ち並ぶエリア。そんな中にたたずむ庶民的なパブは土曜は混雑することがなく、ここでMatch of the day(サッカーハイライト番組)を見ながらおいしいエールを飲むのは至福の時間です。

騒々しくないので落ち着いて人々の会話がBGMになり、落ち着いて飲むことができ営業時間が終わるときも鐘をうるさく鳴り響かせることもなく、〝まだ飲みなりない人はいる?〟と声をかけまわって終わり。一室造りの空間がどこまでも心地よく感じる瞬間です。


この日うれしいアクシデントがありました。

撮影をしていると、気のいい一人っきりのbar manが、撮ってやるからバーカウンターの中にはいんな、といってくれ、カウンター内で憧れのハンドポンプを手に記念撮影!

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独り寂しいValentine's Dayがとてもとても素敵な日になった瞬間。


このちょっとした粋な計らいが嬉しく、とてもとても貴重な経験をさせてもらい

ますますこのパブがエールが好きになりました。


バッキンガム宮殿から徒歩5分くらいです。

観光ついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


Red Lion

Crown Passage, off Pall Mall, St. James's, London, SW1Y 6PP


Text by Maggie

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