7月8日(土)ロンドン中が虹に染まるLGBTプライド・パレードが行われました!
多くの人々が晴天のセントラルロンドンに集まりこの日を祝いました。
パレードは13:00よりオックスフォード・サーカス寄りリージェントストリート北部よりスタートし、リージェントストリートを下ってピカデリーサーカスを抜けトラファルガー・スクエア、ホワイトホールまでの2.3キロ!(2017年のデータ)
イギリスでは子供を積極的にパレードにつれてくる親が多いです。
偏見を持たせない事を目的としつつも将来的に子供がLGBTsだった場合、その事を自然に受け入れられるための教育を兼ねています!
▲パレードを見るためにフェンス近くは大賑わい!近くでみたいなら12時には場所取りを!
子供に知識を与え選択肢を託すのにもプライドは一役買っているのです!
自分のセクシャリティが迷子になった時に、これらの経験が役立ちます。
▲バスストップを初め多くの店がディスプレイを虹色に!
最近では「L(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシャル)T(トランスジェンダー)Q…Questioning(探求する者), Queer(変わり者)」と呼ばれ、Qは性についてよくわからない人や無性愛者などマイノリティではあるけれどLGBTに当てはまらない性的少数者を含む言葉をよく使われるようになりました。(同義語で「LGBTs」というのも有)
長らく「男と女」の2つしかないと考えられていた「性」は、それこそ虹のようにグラデーションで明確な区切りはないのでは、と考えられるようになってきました。
LGBTsの象徴であるレインボーフラッグは70年代の同性愛者権利デモで初めて登場し、今でも世界中のプライドで掲げられています。
このレインボー(虹)と縁深いのが「オズと魔法使い」でドロシーを演じたジュディ・ガーランド。
性の多様性の理解のない時代に奔放な性生活をオープンにし、当時の映画界の環境で精神を病み若くで亡くなった女優です。
▲彼女の死から48年、映画業界のフロートも登場する時代になりました!
ジュディ・ガーランドの壮絶な人生と、オズと魔法使いの主題歌である「Over the rainbow(虹の彼方へ)」は彼女が思い描いていた性の自由が保証された世界を歌っているようにも聞こえ、LGBTsコミュニティの象徴となっています。
LGBTsの金字塔ミュージカルRENTのボヘミアンを讃えたトラック「La Vie Boheme」の一部にも…
「Why Dorothy and Toto went over the rainbow? To blow off Auntie Em!
(なぜドロシーとトトは虹を越えたのか?エムおばさんがムカツクからよ!)」
という歌詞があるのは、このジュディ・ガーランドへのリスペクトからです。
エムおばさんは古い既成概念に囚われた現実への暗喩なのでしょう。
▲ディズニープリンセスのコスプレも
そして2015年に大ヒットした「アナと雪の女王」のテーマ曲「Let it go」をかけるフロートも!
エルサの天性的な性質とそれを表に出せず周りからも理解されない孤独さにLGBTsの人々は共感したそうですよ~。
「もう充分に権利をもっているのにLGBTsは街を占拠してなぜ存在をアピールするのか?」と、この大規模パレードに冷ややかな視線を向ける人々もいます。
しかしLGBTsへの理解が深い現代のイギリスでも、カミングアウトできない境遇にいたり、カミングアウトしたことで差別や迫害をうけたり、ヘイトクライムと呼ばれる犯罪に巻き込まれる事があります。
2017年7月下旬に米国ではトランプ大統領がトランスジェンダーの軍入隊を突然禁止しました。
このように保証されていた人権は何の前触れもなく剥奪される事は珍しくありません。
LGBTsであることでいじめにあったり、自暴自棄な行動を起こす人、知識を得る機会がなく戸惑い受け入れられない人も少なくありません。
▲トルコはイスタンブールからのLGBTsグループ
有名人やセレブリティが性に関するカミングアウトするのは自分と世間へ嘘をつき続ける重圧に耐えきれないからと言いますが、その一方で同じように性の悩みを持つ人々に自身の影響力を用いて勇気を与える為でもあります。
今ではこのようなパレードが行われているイギリス、ですがかつてはLGBTsはれっきとした犯罪と扱われておりました。
私達が今現在使っているキーボード、この文字の並びを考案しパソコンの概念を作り上げたのはアラン・チューリングというイギリス人です。
ドイツ軍のエニグマを解き英国に貢献した天才数学者の彼も、ゲイという理由で犯罪者としホルモン治療を強制され若くして亡くなりました。
イギリス政府からの当時のチューリングに対する不当な扱いに対し正式な謝罪が発表され、2012年にはエリザベス2世の名の下恩赦が発行され名誉回復されました。
チューリングについてはベネディクト・カンバーバッチの熱演が素晴らしい映画「イミテーションゲーム」で観ることができます。
▲近衛兵もお祝い!
2017年6月には、ドイツでもナチス時代に有罪判決をうけたゲイの人々の判決が撤回されました。
ところでナチスは女性同士の恋愛については特に法律を作らなかったそうで、その理由が「子供が産めるから」だったそうですが、他の下心がちょっと見え隠れしてる気がしますな。
「遅れている!」と言われがちな日本ですが、宗教的な絡みがない分LGBTsに関する意識や見方が欧米人とはまた違い、非常に独特とも言われています。
にほんの場合、LGBTsへの理解のなさは完全なる知識不足からの恐怖心がひきおこしているものです。
ですが、長らく某都知事がホモフォビアのせいで中止に追い込まれていた東京プライド・パレードも開催されるようになり、大阪市長は同性カップルの里親を認定しメディアが大騒ぎした際に「これがニュースにならないのが在るべき社会だ!」と発言しました。
少しづつですが日本も変わってきていると思います。
これは今日明日でどうにかできる話ではなく少しづつ浸透し意識が変わっていくものなので時間がかかるかもしれません。
結局のところ、このテーマはLGBTsだけに留まらず「他人の個性を受け入れる、認める」というのは巡り巡って豊かな人間社会自体を発展させる事へ繋がっていくと思います。
閉塞感を感じる現代で「自分ままでいれる」というのは多くの人々の居場所を作る大切な意識です。
しかし意外なところからLGBTsが浸透してきてるといえば、ゲームの世界です。
長い歴史をもつファイアーエムブレムシリーズはIFからついに同性婚システムを導入、トモダチコレクションも次回作からは同性婚が採択される予定、シムズシリーズは4からジェンダーの壁をとっぱらい、どうぶつのもりでは性別に関係なくスカート着用が可能。
ゲームの世界でまずLGBTsに触れる子供多いのかも?
現実じゃないからと思う人もいますが、こういう日常で触れれる機会が増えたのは進歩です!
この時に子供が「なぜ同性で結婚できるの?」と質問してきた場合、上手く応えるのが大人の役目ですよ~。
▲黄色い悲鳴があがりまくった制服パレード
LGBTSパレードにいると「ALLY(アライ)」というよく文字を目にします。
これは自身はLGBTsに該当しないがLGBTsの理解者・支援者を指す言葉です。
「世界で一番有名なアライ」といえばオバマ元大統領。
アメリカではLGBTs支援を表明すれば大きな反発から票を失うので歴代大統領がずっと避けてきた話題、オバマ大統領は米国で初めてLGBTs支援を大々的に表明しました。
米大統領選挙に立候補していたヒラリー・クリントンさんもオバマ元大統領につづきLGBTsについて言及した数少ない政治家です。
政治的意図があるとかないとか言われていましたが、彼らの行動は米国のLGBTsへの意識に大きく影響を及ぼしました。
▲LGBTsのゲームコミュニティGAYMERS、多く人がゲームコスプレ!
大統領じゃないので世界に向けて何か言うことは出来なくても、もし自分のコミュニティのなかでLGBTsに関する間違った意見をひけらかしている人。
たとえば「少子化が進む」「エイズが蔓延する」「普通じゃない」とか…がいたら「それは間違っているよ」と言うのも立派なアライです。
▲カラフルスイーツ スキットルズはなんと白黒で登場!
小さな事ですがこの積み重ねがLGBTs及び人との違いを受け入れる雰囲気を社会に作り上げていくのでは、と思います。
Twitterなどをやっているとこの時期に様々な国のプライドの写真が流れてきます。
▲Charlton Athletic F.C.
欧米ってとてもLGBTsに寛容なのね~と思われそうですが、ポーランドを始めカトリックが強い国ではパレードは中止に追い込まれるかアンチが殴り込みにくるか…
欧米といえども国のよってはまだまだ差別は残っているそうです。
▲Chelsea F.C.
ポーランドに限って言えば若い世代は教会にもいかず、宗教にあまり関心がないためこれらの不当な扱いも雪解けの兆しが見えてきているようです。
▲Arsenal F.C.
英国米国もそうでしたが、若い世代のいい意味での無知さは既成概念を覆す大きな原動力になりえるのだな~と改めて思いました。
イギリスを代表するスーパーマーケットTESCOの登場で大盛り上がり!
「アイラブテスコ-!!!」と叫び声が上がっていました!
LGBTsがもっとも暮らしやすいと言われるトロントがあるカナダ!
カナダだけでなく様々な国のグループが登場しておりました、まさにボーダレスな雰囲気!
ロンドン市長のカーンさんを載せた市長バスも登場。
▲ロンドンでは、相手が誰であってもあなたが好きなら自由に愛せるし、あなたがなりたいのであれば何者にだってなれる
市長さんの言葉がチューブ出口に置かれていました。多くの人がSNSに載せていました~!
バナナ風船を投げるパフォーマンスには「ナイスバナーナ!!!ナイスバナーナ!!!」と黄色い悲鳴が上がっておりました。ひひひ。
多くの企業も参加!色とりどりの風船でストリートを埋め尽くしたのはシティバンク!
そして制服軍団につづき黄色い声があがりまくった水泳系LGBTsグループ。
やはり露出面積が増えると盛り上がります、裸を見たいという気持ちは真実であり真理なのです。
水泳らしくクロールのパフォーマンス!水着が派手で肌に映えていいなあ。
ヴァージン・グループはひときわ高いフラッグをもって登場!
古い街並みとカラフルなパレードのコントラスト、本当に美しかったです!
カラフル&ピースフルだったロンドンプライド・パレード2017は無事終わりました!
8月始めには「ゲイメッカ」と呼ばれる南の海辺の町、ブライトンにてプライドが行われますー!
ミオ
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