「Everybodys Talking About Jamie」はウエストエンドのアポロシアターで上演されているミュージカルです!
2011年にBBCで放送された「Jamie; Drag Queen at 16(ジェイミー、16歳のドラァグクイーン)」からインスパイアされた作品です。
ミュージカルのあらすじは…
16歳のジェイミーはプロム(卒業パーティー)にドラァグクイーンとして参加したいけれど、学校は猛反対。マイノリティに対して理解のない教師や一部の生徒から心無い言葉を言われ父親には拒絶されるけれど、理解ある母親と既成概念にとらわれない生徒からサポートを受け、自分の描く未来へ突き進んでいく。
イギリスが舞台の話なので描写や小道具が全部イギリスのもの!
ホームステイやイギリス人と住んだことある経験がある人は思わずニヤリとしてしまうイギリスらしさを見つけることも出来ると思います!
登場人物のほぼほぼが高校生役なのですが話すスピードがとにかく早い!
でも高校生のときの会話ってほとんどがノリ、大げさなジェスチャーもついているので英語が多少苦手でも大体わかると思います!
大人になれば大した問題ではないことも、学校という狭い世界では大問題になること、多々あります!
しかし逆に高校生というのは若いからこそ理論抜きで物事を受け入れる強さを持っている年齢でもあります。
このミュージカルではマイノリティを受け入れられない学生、自分自身が宗教的マイノリティであるから他人の気持ちが理解できる学生、なんかよくわからないけど楽しければいいじゃんウケル~という偏見がない学生など、一人ひとりの学生をかなり丁寧に描いています。
もちろん学校の先生やジェイミーの母親など他の登場人物も魅力的です!
▲トイレの鏡も凝っています、多くの人が鏡をつかって写真を撮っていました!
中でもいじめっこ役の役者さんの演技が本当に憎々しくイライラしますが、彼の演技があるからこそ他の登場人物がミュージカルを通して伝えようとしているメッセージがより強くなるのでかなり難しい役ですが見事に演じきっていました。
ハリーポッターのドラコ・マルフォイと似ていますね。
ボックスオフィスでチケット引き換えに行くと「もっといい席が空いてるからそこに移動させてあげるよ!」と言われ、持ってたチケットよりもいい席で観劇できました。ラッキー!
一人だったのでちょうど歯抜けの席に入れてもらえたようです。パンフレットやCDも売っております!
この日は家にクレジットカードを忘れてきたせいで所持金が3ポンドもない状態だったので何も買えませんでした!ざんねん~!会場のアポロシアターは息を呑むほど美しいシアターです!
金色と赤色、綺羅びやかだけど上品な装飾!ちょっと早めにシアターに来て、是非この劇場しっかり見て頂きたいです!
舞台はそこまで大きくありませんが、劇場のクラシックなデザインとは対照的にかなりモダンでかっこいいデザインです。
二階部分には演奏しているバンドも見えるようになっています。
ミュージカルはというと、大変素晴らしかったです。Fワードが飛び交う高校生の会話に笑いまくり、いじめっこに眉を潜め、ジェイミーの前向きさと葛藤に心を打たてるストーリーでした。
音楽もストーリーもかなりポジティブでノリのいいものですが、途中には観客席からすすり泣きが聞こえてくるシーンも…
例に漏れず泣いていたわけですが隣りに座っていたゲイカップルに「OH~スウィートハート」と慰められ、観劇後鏡をみるとマスカラで黒い線が顔にできていました。
パワフルでポジティブな曲やダンスが多いですがテーマ自体はとても繊細、そして多くの人が一度は考える「自分らしさ」とは何なのか、観客に問いかけるミュージカルです!
「キンキーブーツ」や「プリシラ」が好きな人には特におすすめしたい作品です。
始終いじめっ子だった生徒にも救いがあって、間違いをおかしたら終わり、ではなく間違っても立ち直れる、というのも良かったです。
現代社会への強いメッセージ性のあるミュージカルでした。
Apollo Theatre
Shaftesbury Ave, Soho, London W1D 7EZ
ミオ