ジュリーといっても〝雲を~つき抜け星になるッ、トキ~オッ♪〟の沢田研二ではありません(古ッ)。
ポンヌフの恋人、トリコロール青の愛などに主演、イングリッシュ・ペイシェントでアカデミー賞助演女優賞を受賞の実力派女優、Juliette Binoche(ジュリエット・ビノシュ)に会いに行ってまいりました~。
会いに行ったといってもまぁ一方的に思っているだけで、ナショナルシアターで現在行われている舞台〝in-i〟見に行ってきました、という話です。
このジュリエット・ビノシュという人は映画にも定期的に出演する一方時々ストレート・プレイ(演劇)もこなしていて、いつか見てみたいと思っていたのです。
取り直しが利かないストレートプレイのほうが映画よりもかなりの力量がいるだろうし、舞台は映画では見ている人との距離が違うので演じる側の表現力も問われます。演劇がいいところは演じ手によって不思議な空間が生み出されて、入り込んでしまうと、チープなセットでもそこにその場面があるかのような錯覚に陥ってしまう感覚が好きです。
ジュリエット・ビノシュが出演するストレートプレイが行われるという情報をゲットしてから、web siteを頻繁にチェック。すると前日にひょっこり、pre-view期間に前から11列目に1席空きがでたので、即購入!現在£49(約10,000円)する席が£22(約4,500円)で買うことができました!
仕事が終わって、歩いてナショナル・シアターへ。
この建物、とっても退屈なので概観は好きではないです。
あのチャールズ皇太子が〝原子力発電所をロンドンの真ん中に誰の反対も受けることなく作るにはいい方法だ〟と酷評しています。
ただ夕暮れ時にテムズ川沿いを歩いて行くのはとても気持ちよく、程よく暗くなることでグレーの壁が夕闇に沈み、このようにライトアップされ素敵な感じです。最近の日本のガイドブックでもこのあたりサウスバンクの散策はよく特集されています。
Waterloo Bridgeとテムズの夕景 天気がいまいちですが・・・。
劇場内のbox officeでメールをプリントアウトしたものを見せてチケットと交換。劇場内には Olivier Theatre、Lyttelton Theatre、Cottesloe Theatreの3つの劇場があるのでご注意を。
開演前の風景。ピアノの生演奏を聴きながら、Barでお酒を買い開演の時を待ちます。
20:00、いよいよ開演。
舞台にあるのは大きな無地の壁と二脚の椅子。
そしてJuliette BinocheとAkram Khanの二人。
シンプルな道具だけで多彩な表現の工夫がしてあり、暗闇で壁に四角く当てたライトで、たっているはずの二人がベッドに寝ているように見えたり、コミカルなパントマイムで笑わせたり、ダンスによる表現の多用、迫真の演技で心の叫びを聴かせたり。多少詰め込みすぎな感じはしたけどとてもクオリティが高い舞台だなぁという印象。
最初、心の中の声みたいな感じで、録音されたJulieの声が流れて話が進行していたのですが、途中で初めて生の声が聴こえてきたときはそれだけで感動。魂が震えました。
そして44歳とは思えないバイタリティ溢れるダンスの連続。こんなに踊れる人とは知りませんでした。
当然ながらシアター内は撮影禁止なのでジュリーの映像をお見せできなくて残念・・・。
帰るときにはライトアップされ退屈な建物も素敵に見えました。
EmbankmentからGolden Jubilee Footbridgeを歩いて渡り、テムズを風に吹かれながら越えてから見た極上の舞台、こんな素敵な時間に出会えるのもロンドンの魅力だと思うのです。
ちなみにジュリエット・ビノシュは今コベントガーデンに週£1,800(約¥360,000)するロフト付のアパートを借りているらしいので、この期間にロンドンに来る予定の方、下のHPでスケジュールをチェックして、休演日なんかにコベント・ガーデン界隈を歩くとJulieにあえるかもしれないですよ!
Text by Maggie