食:グルメ 2011.05.01
世紀の大イベント、ロイヤルウェディングも終わったロンドン。
日本ではケイトとキャサリンがどうのこうのと話題になっているらしいですが・・・。

その熱気とは裏腹にロンドンではここ数日清々しいとても心地良い天気のよい日が続いています。

$H.I.S.ロンドン雑学講座-view from a pub

いや、ホントにイギリスの夏って素晴らしい。

$H.I.S.ロンドン雑学講座-a busker n a child

日も長く、暑くなく、ジメジメしてない・・・。
日本の夏も、それはそれで、カッと暑く、ジリジリ照りつける太陽があって、蝉の声、
蚊取り線香の匂い、花火、など嫌いではないです。
こう考えると“Summer”と“夏”って単純に置き換えられるものではないなぁとしみじみ思います。

ちなみにバッキンガムの衛兵交代式は通常2日に1度で、5月~7月だけ毎日になります。

衛兵交代式開催日リンク
http://www.royal.gov.uk/RoyalEventsandCeremonies/ChangingtheGuard/Overview.aspx

これだけみたら、つまりイギリスではは8月を夏と定義してないのかな?と思ってしまいますが、8月の最終週にある祭日はSummer Bank Holiday というくらいだからこの国でも8月はやはり夏ですね。
ただもうそのころには結構涼しかったりするのですが・・・。
日本では冬の季語、サッカー(イギリスではフットボール)も8月中旬にはシーズンスタートしますし・・・。


そんなイギリスの夏の風物詩のひとつにPIMM'Sというものがあります。

$H.I.S.ロンドン雑学講座-PIMM'S6

こんなボトルに入ってスーパーなんかで販売されています。

$H.I.S.ロンドン雑学講座-PIMM'S3

飲むときはこんな風に、グラスとかピッチャーにサングリアのようにフルーツとかキュウリを入れて、ピムズとスプライトとか7UPなんかを1:3の割合で入れて飲むのが一般的。
オフィシャルウェブサイトではミントとキュウリと苺となっています。イギリス人ってキュウリ大好きですよね。
なぜかアフタヌーンティーのサンドイッチにも〝絶対〟キュウリのサンドイッチがあります。
ハム、サーモンとならんで立派な具の主役になりえるのでしょうね。

これがまぁジュースみたいというか、フルーティで微炭酸で飲み口がよくアルコールが苦手な人でも飲め、確かに暑い日にはうってつけ。見かけもよい。ただ原液がアルコール度数は25%。割ってもビールくらいのアルコール度数はあるので注意ですね。

夏の間、パブやバーなんかでこれでもかっていうくらいあちらこちらで宣伝されて、たくさんの人が飲む姿を見かけるのも解る気がします。
まさに国民的飲み物且つイギリスでしか飲まれていないものです。

$H.I.S.ロンドン雑学講座-PIMM'S4
パブではこんな風に専用タップが備え付けられているお店もあります。

このPIMM'S、PIMM'Sっていうくらいですから、やはりピムさんが広めたものでした。
1823年、ケントの農家出身でイングランド銀行付近でオイスターバーを経営していたのがその人 James Pimm。
そのお店で消化を助けるためにジンベースのキニーネ(トニックウォーターの苦味成分)、独自のハーブを混ぜたものをNo.1 Cupと称して小さめのジョッキで提供したのがその始まりでした。
なので、上のイメージを見ていただくとわかりますが未だにこのオリジナルPIMM'SにはNO.1 CUPと書いてあります。

その後30年ほどは他のバーに販売したり、露店で販売されたり、自転車による宅配されたりと徐々に販路、販売数を順調に増やして行きました。
1851年にはスコッチベースのNo.2 Cup、ブランデーベースのNo.3 Cupも発売されています。

そして1865年についにピムさんはその販売権を他の人に譲り、更に1880年には後のロンドン名誉市長となるやり手ビジネスマン Horatio Davis という人により買収され、これにより PIMM'S は大きな転機を迎えます。
まず1887年にPimm's Oyster Restaurant がフランチャイズ化されました。そこではPIMM'Sも提供されお店が拡大するとともに販売量も増えていきます。そして何より彼の功績はボトルでの販売を開始したことです。また英連邦への輸出を始めたのもこの人です。

1912年にこのDavisさんは亡くなられますが、その後も第2次世界大戦後にはラムベースのNo.4 Cup、1960年代にはライウィスキーベースのNo.5 Cup,ウォッカベースのNo.6 Cupが販売されます。

1970年代から会社は需要低迷による経営危機を迎え、レストランチェーンを売り、No.2~No.5までを生産中止し、主力商品のNo.1に資源を集中することになります。

2003年から、〝Pimm's O'clock〟キャンペーンを展開し、古き良き上流階級の人たちの飲み物のようなイメージ戦略が成功。2005年にはNo.3 CupがベースのWinter Cupをリバイバル販売。

$H.I.S.ロンドン雑学講座-PIMM'S5

2006年からはスミノフ(ウォッカ)、ベイリーズ(リキュール)、ギネス(ビール)などをイギリスで展開するDiagioという会社が経営権を握り現在に至ります。
そして今では、Wimbledonで開催される全英オープンテニス、ヘンリーロイヤルレガッタ、グラインドボーン音楽祭、ロイヤルアスコットなどイギリスの夏に行われるイベントでは欠かせないものになっています。
先日の世紀のイベントに際してロイヤルウェディング記念ボトルが販売されました。
$H.I.S.ロンドン雑学講座-2011PIMM'S

これからのイギリスが一番素敵な季節に来られるかた、是非、一度お試し下さい!!!

PIMM'S WEBSITE
http://www.anyoneforpimms.com

Facebook
http://www.facebook.com/pimms

Text by Maggie

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