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少し前になってしまいましたが、8月初旬に英国一のゲイメッカと呼ばれるブライトンでLGBTsプライド・パレードが行われました!
ロンドンから電車に揺られて1時間かけて行ってきました~。

日本でも「LGBTs」「マイノリティ」「ダイバーシティ(多様性)」という言葉が聞かれるようになってきた昨今!
しかし一般的な理解はまだまだ進まずTVの表現が問題になったり、アウティングによる痛ましい事件がニュースになりました。

Pridebrighton2017_170807_0002​LGBTsが文化面からではなく商業面から浸透してしまい関連用語が空っぽなまま使われてしまっている弊害ともいえる出来事がたくさん起こっています。

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知るキッカケがないと知識を得るのが難しい事って世の中に沢山あります、LGBTsやマイノリティもそのひとつ!
知識がないと何が悪くて何が良いかも判断が出来ないですよね、でもその知識や知るキッカケは興味がないと日常ではなかなか見つけにくいかもしれません。

Pridebrighton2017_170807_0031ロンドンプライドの記事では楽しさを全面的にレポートしましたが、今回は今このブログを見てるディバイスからでもネットフリックスやHuluですぐ見れる「LGBTs」および「マイノリティ/ダイバーシティ」をテーマにした映画を織り交ぜながら、ブライトン・プライド・パレードを紹介します!

Pridebrighton2017_170807_0012非常に怪しい天気になってしまった当日!雨が降ったり晴れたりいそがしい一日でした!
海辺なので雨がふるととにかく寒い、ブライトンの海は色はきれいなものの荒れまくっております。


ブライトンといえば外せない映画「Quadrophenia(邦題:さらば青春の光)
トライブに属することと個性を貫くことをブライトンの荒々しい海の画と対照的に描いた名作です。

Pridebrighton2017_170807_0259「普通になってくれ」という親にむかって「じゃあ、その普通ってなんなんだよ!」と吐き捨てながらも自分が何になりたいかはわからない若者がもつ矛盾という普遍性がテーマ、トライブ衝突は60年代に起きた本当の出来事を元にしています!

Pridebrighton2017_170807_0023パレードはブライトンの街中心部で始まりました。
街の規模のせいもありますが、とにかくすごい人でロンドンより人口密度が高く感じます!

Pridebrighton2017_170807_0344派手派手しい衣装に身を包んだドラァグ・クイーンは場を華やかに、そして盛り上げてくれます!
これらのファッションはボーイ・ジョージ率いる英国バンドカルチャークラブを始めニューロマンティクスというトライブに大きな影響を与えました。

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▲身内で「やべー!セクシー!!!」と凄い盛り上がったお方。
ニューロマンティクスは後の日本のヴィジュアル系バンドにも多大な影響を与えました。
そんなニューロマンティクスの前身となり忌野清志郎やサディスティックミカバンドなどの思想に大きな影響を与えたのがグラムロック。

 
宇宙からきたような派手な衣装と中性的なメイク、若き日のジョナサン・リース=マイヤーズとユアン・マクレガー共演した「Velvet Goldmine(邦題:ベルベッドゴールドマイン)」は性の既成概念が崩れだした時代を音楽とともに描いた作品。

Pridebrighton2017_170807_0171ドラァグ・クイーンが主役といえばオーストラリア映画の金字塔「The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert(邦題:プリシラ)

 

それぞれの事情を抱えたドラァグ・クイーン3人が砂漠を旅するロードムービー。
人間の偏見や思想と全く切り離された砂漠を着飾って歩くドラァグ・クイーンの姿はとても印象的。

Pridebrighton2017_170807_0026ドラァグ・クイーンといえば現在ロンドンでミュージカル公演されている「Kinky Boots(邦題:キンキーブーツ)
潰れかけの老舗靴工場を立て直そうと奔走する主人公チャーリーとひょんな事から出会ったドラァグ・クイーンのローラ。

 
マイノリティからヒントを得てニッチマーケットへ切り込んでいった英国老舗靴屋W.J. Brookes Ltdの実話をベースにした映画です。
優柔不断な主人公と自分の信念をしっかり持ったローラのコントラスト、最初は疑心暗鬼だった工場の従業員たちの心境の変化も楽しい一作。

Pridebrighton2017_170807_0025やりたいことをやり抜くローラの力強さは、最初彼女を批判的にみていた人々の意識を変えていき、マイノリティ云々ではなく信念の強い人間は魅力的だという事を気づかせてくれるトリガーとして描かれています。

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地元の学校や教師陣も参加!
LGBTsおよびマイノリティは「学校」という狭い世界では中々生きづらいですが、もし学校にそういう事も相談できる空気や人がいれば救われる学生・若者は多いのではないでしょうか。

19歳の監督が若くして自殺した友人へあてて制作しカンヌ映画祭を震撼させた「2:37 (邦題: 明日、君がいない)
明日いない「君」は一体誰なのか、マイノリティがハンデとなりやすい思春期の7人の若者に焦点をあてた映画です。
そのうち3人は性的マイノリティの悩みを抱えています。

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映画のなかで様々な登場人物によって繰り返し言われる「人には打ち明けられない」「人には言えない事がある、絶対に言わない」というフレーズと、「君」がいなくなった後の「言ってくれたら助けられたのに」というフレーズはカミングアウトの孤独を凄まじいコントラストで映しています。


でももしカミングアウトを理解し受け入れてくれる友人たちがいるなら?
仲良し幼馴染4人組の1人がゲイだとカミングアウト、最初は戸惑う幼馴染たちが「友人」の彼氏を見つけるために奔走する映画「4TH MAN OUT(邦題:親友のカミングアウト)

Pridebrighton2017_170807_0154「LGBTsを受け入れるかどうか」に焦点を当てる映画が多いなかこちらは「カミングアウトした友達に彼氏を見つけよう」という「友情」がメインテーマの映画です。

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コメディ映画ですがカミングアウトされた側の幼馴染3人の戸惑いも丁寧に描かれています。
悪意のあるアウティングは意図してのことですが、時にキャパシティを超えた出来事によって自分だけで抱えきれなくなった結果アウティングが起こってしまうのかな、と映画をみて思いました。

Pridebrighton2017_170807_0015「LGBTsだからサポートしよう、受け入れよう」というより「友達を幸せにしたい」という気持ちで走り回ったり、的はずれなアドバイスを一生懸命する幼馴染たちの姿はとても人間的!

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権利や歴史からの意見や見解はもちろん大事だけど、シンプルに友情を信じられる誠実さというのはそれ以上に大切ですね。

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それを男友達特有のノリだけの会話と下ネタを織り交ぜながら、マイノリティを抱えた人は悪い人でもないし、だからといって聖人でもない、美化するのではなくただただた自分と変わらない1人の人間だという事を再認識させてくれます。

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たった1人でも無条件で味方になってくれる人が近くにいれば、アウティングやマイノリティを悲観しての自暴自棄な行動を防ぐことは出来るのではと思いました。

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LGBTsカミングアウトに限らず、自分の悩みに寄り添ってくれる友達の存在で変わることは世の中に多いのかもしれません。

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周りはマイノリティを受け入れても、自分のマイノリティを自分自身が受け入れるのは時に難しいことかもしれません。
Handsome Devil(邦題:ぼくたちのチーム)」はスクールカーストのなかを生きるマイノリティを抱えた学生2人を描いた作品。


シャーロック・ホームズでおなじみのアンドリュー・スコットが演じる、「自分らしく生きろ!」と生徒に言いながら自分は自分のマイノリティを隠し続ける教師など魅力的なキャラクターが沢山、誰に感情移入するかで観方が変わる映画でもあります。


あわせてみたいのはアメコミ界の奇才ダニエル・クロウズ漫画原作の「Ghost World(邦題:ゴーストワールド)
2作とも学校・友達・家族というマイノリティが致命傷となりうる世界で「環境に合わせた自分」と「ありのままの自分」のどちらでいることが正しいのか、見終わったあと考えさせられる映画です。

Pridebrighton2017_170807_0079いろんなマイノリティをテーマにした映画が登場している21世紀ですが、何度も「同性愛者の人権法案」が提出され破棄されていた80年代のイギリス、その法案を通す決め手になったのは意外な人々の強い後押しがあったからです。

 

一見保守派の彼らがなぜLGBTsをサポートしたのか、実話をもとにしたイギリス映画「PRIDE(邦題:パレードへようこそ)」はマーガレット・サッチャー政権下におこった炭鉱夫とLGBTsの不思議な友情をテーマにした映画です。

Pridebrighton2017_170807_0066石炭から石油が使われるようになり炭鉱夫達とその家族が窮地に陥ったときに寄付金を募り助けようとしたLGBTs。
情けは人の為ならず、その善意の行動は巡り巡ってLGBTsが市民権を得る大きなキッカケになりました。

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▲昔はLGBTsを迫害していた警察も今ではパレードに参加!
しかし炭鉱夫はそれまでにLGBTsを積極的に差別してきた人たち、なのに「警察や政府に理不尽にいじめられてるのはLGBTsと一緒、だから助けたい」と立ち上がったのはすごいの一言。

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自分に悪意を向けている人たちの窮地に行動を起こせるか考えさせられる映画でもあります!

Pridebrighton2017_170807_0100イギリスらしいユーモアたっぷり、全員が「LGBTs最高!偏見捨てるし差別もやめるね!」と受け入れられるわけではなく、どうしても受け入れられない人、露骨な差別はしないけど敬遠してる人、理由もなくすんなり仲良くなる人…など様々な人間が丁寧に描かれているので、「LGBTsってなんだ?」って方ほど入りやすい映画だと思います。Pridebrighton2017_170807_0095

受け入れられないから差別、とは一概にいえず「受け入れられない」というのも一つの考え方だと認めるのがほんとうの意味での多様性かもしれません。それが迫害に繋がらなければですが…。
映画に登場する本屋さんはロンドンに現存!→パレードへようこそ!映画の舞台 LGBTs専門書店 Gay's The Word

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お互いが相反する者同士で受け入れられなくても、認めあうことが出来たら尊重へつながっていきます。

Pridebrighton2017_170807_0265言うのは簡単だけど自分が受け入れられないものを認めるのって難しいですね。
私もかなり排他的な人間なのでこれが未だに出来ないことが多いです。

Pridebrighton2017_170807_0155でも認めることが出来たらもう少し豊かに物事を見ることが出来るようになれるかなと思います。

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「パレードへようこそ」は全体的には明るくコメディ調ですが、そこへ影を差すのが当時「エイズ」と呼ばれていた「HIV」

Pridebrighton2017_170807_0308当時は全く未知の病気で「触ると感染する」「ゲイ特有の病気」などなど、噂のみが先行してしまいHIV感染者は差別に曝され全く人間扱いされていませんでした。


80年代のイーストビレッジを舞台にしたミュージカル映画「RENT(邦題:RENT)
登場人物のほとんどがアーティスト志望の若者、HIVと貧困・明日がどうなるかわからない毎日を生きながらも「今を生きよう」という強いメッセージ性で長い間支持されています。

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「アナと雪の女王」の代表曲「Let it go」を歌ったイディナ・メンゼルさんも自由奔放で人を振り回すけど非常に魅力的なバイセクシャル役で出演しています。

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「アナと雪の女王」はエルサにパートナーがいないことから、ツイッター上では「エルサにガールフレンドを!」というタグが一時期流行しました。
しかし「それは恋愛至上主義じゃない?パートナーがいないことは悪いこと?」という批判もおこりました。

Pridebrighton2017_170807_0156ディズニー映画でここまで様々な話題を引き起こしたのは「アナと雪の女王」が初めて。
続編制作が決定しておりますので、どうなるか楽しみですね!エルサにパートナーがいてもいなくても幸せになってほしいなあ~。

Pridebrighton2017_170807_0250HIV感染患者が世界的に差別されていた中、そこへ大胆な行動を起こしたのはイギリスの故ダイアナ妃。

Pridebrighton2017_170807_0068王室のプリンセスが患者に敬意をはらいテレビカメラの前で握手をし励ます姿は、英国民のみならず世界中の人々にとって衝撃的、この出来事は「HIVは触ったら感染する」という認識を覆しました。
英国王室はこのようなダイアナ妃の慈善活動について否定的だったそうです。

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故ダイアナ妃が亡くなった時に世界が涙したのは、英国民に向き合いプリンセスとして振る舞うのではなく最後まで1人の人間として国民を支え批判を恐れず良心に従った彼女のアティチュードの為だといわれています。
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「LGBTs」ときくと自分のもっている既成概念とメディアから入ってくる情報で「性」って難しく感じてしまうかも。
もっともっと「性」についてクローズアップした映画「Shortbus(邦題:ショートバス)


「性別」という既成概念が溶けて無くなるような強烈な映像とメッセージ性は本国アメリカでも問題になったそうですが、観たあとはスッキリするというか、ややこしくしているだけで「性」はとてもシンプルな事なんだと気付かされる作品です。

Pridebrighton2017_170807_0231相手をよくしらないと「よくわからない人たちは怖いし不気味」と自分自身のなかで恐怖を作り出しそれを排除しようと迫害や差別につながっていきます。Pridebrighton2017_170807_0070特に子供の時から「人と違う事は悪だ」「同性愛は異常だ」と刷り込まれたらその意識を大人になってかえるのは難しいです。
自分がマイノリティを抱えていても受け入れられないと結果的に周りを巻き込む大きな歪を生む可能性もあります。


ゲイ映画の金字塔「Brokeback Mountain(邦題:ブロークバック・マウンテン)」は、そんな恐怖からの迫害が渦巻く60年代のアメリカが舞台。
自分自身を受け入れられないのは、ずっと違う自分を演じながら生きる事と同じくらい苦痛なのがありありと伝わってきて、そういう時代がほんのすこし前まで当たり前だった事実に驚愕します。

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自分のセクシャリティと折り合いが付けれなかった人たちがひっそりと隠れて暮らす時代、人間が作り人間を苦しめるルールや偏見の虚しさと、静かで雄大なブロークバック・マウンテンの風景が印象的!

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この「人間」と「自然」の対象的な描写は「プリシラ」と共通していると思います。

Pridebrighton2017_170807_0095夫がゲイであることで苦悩する妻を熱演したミシェル・ウィリアムズは、「ゲイ映画に出演した」という理由で卒業校から縁切りを言い渡されました。

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同映画出演者アン・ハサウェイは家族が敬虔なクリスチャンだったのですが、ある日兄がゲイである事をカミングアウト。
家族は話し合い教会と兄の生き方が相容れないなら、と教会を抜け兄の生き方を全面的に肯定したそうです。

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「LGBTsだから殺される」というのは今ではあまり現実的に感じないかもしれませんが、自身も同性愛者で政治家としてLGBTsおよびマイノリティの権利保証に尽力しながら、1978年夢半ばにして銃弾に倒れたハーヴェイ・ミルク。


MILK(邦題:ミルク)
LGBTsだけではなく当時はまだまだ弱い立場だった黒人やアジア人、障がい者に老人に対しても権利を求め奔走しました。

Pridebrighton2017_170807_0001▲バンクシー「Kissing Coppers」率先してLGBTs差別した歴史をもつ警察を皮肉った作品。
LGBTsとして世界で初めて政治家になったミルクに批判と罵声が沢山浴びせられましたが、彼のひたむきさに感銘を受けはじめは否定的だった人もマイノリティ支持を表明。

Pridebrighton2017_170807_0114「希望だけでは生きていけないが希望がなければ生きる意味がないんだ」という名スピーチを残し現代のような平和的なプライドが行われる時代を夢見て亡くなったミルク、彼の思想はオバマ元大統領をはじめ沢山の人に影響を与えました!

Pridebrighton2017_170807_0229ハーヴェイ・ミルクが暗殺された翌年の1979年カリフォルニア、麻薬中毒の親の元に生まれ愛情を受けず夜中に街を徘徊していたダウン症の少年を保護したのはゲイのカップルのルディとポール。


Any Day Now(邦題:チョコレートドーナツ)
戸惑いながらも少年と生活をともにするうちに彼を養子として受け入れたいと考え始めた彼ら、そこに立ちはだかるのは法律の壁と世間の偏見からの批判。

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70年代アメリカで実際におこったゲイの男性が子供を保護したことから着想を得て作られたこの映画は「家族の幸せ」というものは血のつながりなのか、過ごした時間なのか、情なのか、考えさせられます!

Pridebrighton2017_170807_0020今ではLGBTsカップルが養子を受け入れる事が一般的になった欧米も数十年前は「異常」で、日本でも大阪市が男性カップルに対して里親認定し大きな論争を巻き起こしましたがそれがいつか「普通」になる日がくればと思います。

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ベルリンの壁に関する映画は数多く有りますが、それとLGBTsが絡んでいるものは珍しいかも?
Hedwig and the Angry Inch(邦題:ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ)」はストーリーはもちろんアニメーションやトイカメラのような画像処理でヴィジュアル的にもとにかく魅力的。


ベルリンの壁を初めて見たときは「グッバイ・レーニン!」よりもこちらの映画が真っ先に思い浮かぶほど強烈なメッセージ性。
森山未來さん主演で、日本でも舞台化されてます!

Pridebrighton2017_170807_0308メイクをバッチリきめた綺羅びやかなヘドウィグですが、ストーリーが進むにつれ「メイク」という武装を解いて1人の人間としての姿がとっても美しいです!
この映画は賛否両論でしたが、考えるより感じろ系なので好きな人はすごくツボにはまると思います。

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第二次世界大戦中、ドイツの作り出した有名な暗号エニグマ!
誰にも解けなかったその暗号を解いたのはイギリスの天才数学者アラン・チューリング。


The Imitation Game(邦題:イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密)

近代までイギリス政府がひた隠しにしていたアラン・チューリングという人物、シャーロック・ホームズでおなじみのベネディクト・カンバーバッチが熱演。Pridebrighton2017_170807_0089エニグマを解きイギリスへ貢献したチューリング、本来であれば国を救ったことを感謝される立場だった彼が国から犯罪者として扱われホルモン治療を強制されたのは彼が同性愛者だったからです。

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チューリングの死後もエニグマ解読機械チューリングマシンの研究は続き、今ではそれがコンピュータという名前で市場にでまわり人々の生活を支えています。
チューリングがいなかったらビル・ゲイツもスティーブ・ジョブズもいなかったかもしれません。Pridebrighton2017_170807_0247▲日本の国旗がまじっています!
自分と真逆の考えを持った人と話すことは、言葉が通じない相手と話すより難しいことかもしれません。でも共有できる感情があれば相反する人同士支え合うことができるかも。

セクシャリティに対する考え・言語・文化・世代の交差を情緒あるタッチで描き話題をよんだ「Lilting(邦題:追憶と、踊りながら)
お互いが違うマイノリティを抱えたもの同士で、片方が相手に最初は否定的でもゆっくりと気持ちが通い合っていく様子は見てて心が暖かくなります~!

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愛とロマンの国フランスからは女性同士の恋愛映画「La vie d'Adele ?(邦題:アデル、ブルーは熱い色)
「女の子は男の子を好きになる」ことに疑問を思わなかった15歳のアデルの前に現れたのは印象的な青い髪の大人の女性エマ。

「人を好きになること」と「好きになった人が同性」ということの熱と、好きな人とすれちがいだした時の痛みがヒシヒシと伝わってくる作品です!そしてエマがとっても魅力的~!

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女優2人が二度とこの監督の映画には出ないと言い切るほどスパルタな撮影だったそうですが、キャラクタの表情や仕草から体温が伝わってきそうな細やかさがありました。

Pridebrighton2017_170807_0152同じ「人を好きになる」でも個々で考えの違いがあって「レズビアンだから」「ストレートだから」で人をくくってみてはいけないなとハっとさせられる映画でもあります。

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「LGBT」の「T」はトランスジェンダー。
心は女性で身体は男性、心は男性で身体は女性…心と性が一致していない方々を意味する言葉です。Pridebrighton2017_170807_0239LGBTsのなかでもトランスジェンダーをテーマにした映画はまだ数が少ないですが、2005年に公開された米国映画「Transamerica(邦題:トランス・アメリカ)


女性になるために手術を控えたトランスジェンダーの男性ブリーと、過去の一夜の出来事で生まれ育った彼の息子トビーが織りなすロードムービー。
最初は息子を疎ましく思っていたブリーと、父親がトランスジェンダーだとわかり受け入れられないトビー。
性別の溝を「親子」は埋められるか?笑う場面も多いけれど最後はホロリとくる名作です。

Pridebrighton2017_170807_0182トランスジェンダーの方の中には性転換手術を望む方も少なくありません。
性転換手術を世界で初めて受け、男性から女性に性転換をしたリリー・エルベをテーマにした映画The Danish Girl(邦題:リリーのすべて)


▲リリーを演じたエディ・レッドメインは「ファンタスティック・ビースト」のニュート・スキャマンダーの俳優さん!
演技が凄すぎて、男性なのか女性なのか段々わからなくなってくるというか、身体という容れ物がどれだけ曖昧なものでしかないのかを思い知らされます。Pridebrighton2017_170807_0070

ここまで紹介してきた映画の共通点、登場人物とくに主人公を演じているのは「RENT」を除き大体が白人です。
社会を動かし今でも影響を与えた多くの人々がいたのも事実ですが、大多数の人々が日常を過ごす狭いコミュニティ、とくに人種による暗黙のルールがある世界をマイノリティとして生きるのが最もしんどいことかもしれません。



低予算インディー映画にしてアカデミー賞受賞、多くの人が涙した「Moonlight(邦題:ムーンライト)
「黒人らしさ」「男らしさ」…社会から決められた様々な「らしさ」を演じないと生きていけない環境なら、置き去りになる「自分らしさ」はどこへ行ってしまうのか?

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黒人社会のストーリーなので日本人としてはピンとこないと思いそうですが、同調圧力による閉鎖感と息苦しさは今現在日本社会がかかえ、人々が逃げ場がないような不安を抱く問題と共通しています。

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今欧米でこのように街中がLGBTsの権利を祝うのは笑顔と虹色が溢れたイベントの裏に、並々ならぬ人々の努力と血と涙が流れた歴史があり、そして今でも多くの人が苦しみの中にいるからです。

Pridebrighton2017_170807_0197映画から見えるのもLGBTsやマイノリティの一部に過ぎませんが、LGBTsを知るには良いキッカケになると思います!

Pridebrighton2017_170807_0014そして今生きるのがしんどかったり、自分自身を肯定的に見れない方ほど映画から得れることは大きいと思うのでクリスマスや年末年始の時間があるときは、映画を観ながらのんびりするのはいかがでしょう~。Pridebrighton2017_170807_0009パレードの終盤に雨が通り過ぎ、大きな虹が2つかかりブライトンLGBTsプライド・パレード2017は無事終了しました!


Brighton
ロンドンより鉄道orコーチでアクセス可能!
普通は静かな海辺の街ですがナイトライフが充実していることで有名で、週末には多くの人がナイトクラブやバーのために訪れます!
欧州市のゲイメッカとも呼ばれ街にはレインボーフラッグがいつもはためいています。

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6月がLGBTsプライド月間と呼ばれる理由
米国や欧州では6月はプライド月間!多くの国や都市でLGBTsパレードやイベントが行われます、
1969年6月28日、NYのゲイバーストーンウォールに警察が踏み込み捜査、バーの客が抵抗し逮捕者が出るほどの大暴動へ繋がります。これを「ストーンウォールの反乱」と呼びます。
翌年の6月、ストーンウォール事件の一周年を記念しアメリカ各地でデモ行進が行われました。
これが飛び火し今のプライド・パレードおよびLGBTsプライド月間へつながっていきます。
2000年には当時米国大統領だったビル・クリントンにより6月は米国内「Gay and Lesbian Pride Month」と正式に宣言されました。

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プライドにかかせないのがレインボー!虹のグッズやフラッグを持って参加する人が多い中、多くの人が顔にレインボーペイントを施しています。
こちらはネットでググると数ポンド以下で購入可能!ブラシ状になっているので顔にこすりつけるだけでレインボーペイントを施すことができます!

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歴代社員が参加したプライドに関する記事はこちらから!

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ミオ

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